
「小清水原生花園」火入れ事業に参加しました
【網走南部森林管理署】
5月8日、「小清水原生花園」火入れ事業に参加しました。毎年この時期に小清水町役場、オホーツク総合振興局や地元消防、警察、JRと連携して火入れ事業を行っています。
原生花園は、古くは蒸気機関車(SL)からの「野火」や放牧によって、外来植物の侵入が抑えられ、ハマナスやエゾスカシユリなどが咲くようになった、半ば人為的にできた場所です。
(ピンクの花:カワラナデシコ)
(エゾスカシユリ)
しかし、時代とともにSLはディーゼル車に替わり、放牧農家も減少しました。その結果、原生花園には外来種が増え、花を咲かせる植物は減少してしまいました。
そこで、平成5年頃から毎年火入れ事業を行い、景観の回復を行っています。
昨年は生憎の雨で中止となりましたが、今年は天気も良好。2年ぶりの開催となりました。
時刻は朝の5時半!「火入れを開始してください」のアナウンスとともにバーナーで火を入れます。
この日は3時起き、職員は眠い目を擦りながら参加
開始から数分、各地で煙が立ち始め…
10分ほどで煙が大きく上がりはじめます。
ちなみに火入れ中、国道は通行止め、鉄道も運行を調整しています。
火入れ開始からおよそ20分後の様子
燃えた跡からも煙が上がるため…
背中のジェットシューター※で水をかけて消火します。
(※背負い式の手動ポンプ、18Lほど水が入ります)
線路や送電線の周りは、事前に草を刈って「防火帯」を設置。延焼を防いでいます。
ある程度鎮火したら、今度は海側にも火を入れていきます。
その後、6時過ぎから残火処理です。
スコップも使って鎮火作業に勤しみます。
車道側は消防車の放水が届きますが、向かって右側までは届かないため基本は人力です。
風向きの変化で再発火することもあるため、燃え跡は歩いて確認します。
黒い部分が火入れ跡です。場所によって燃えやすさも違うため、空から見るとまだら模様。
残火処理は8時半まで続きました。
(閉会式の様子 今回は延べ100人ほどが参加)
原生花園では初夏から秋ごろにかけて、色とりどりの花が咲きます。これからの時期が楽しみです。
閉会式後も火種が残っていることもあるため、この後も関係機関と交代しながら、翌朝まで見回ります。
今回の火入れを通して、火の後始末は大変だなと感じました。
皆さんも火の始末はご注意を、見つけた場合は119番をお願いします。
(森林整備官 渡邉)
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