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北海道森林管理局

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    各地からの便り

    能登半島地震から1年 被災地の「途切れない復旧」を目指して~派遣者からの近況報告~

    【根釧西部森林管理署】


    令和6年1月1日の能登半島地震で被災した民有林における国直轄の治山復旧対策の円滑な実施を図るため、
    令和6年4月1日から林野庁近畿中国森林管理局石川森林管理署奥能登地区山地災害復旧対策室に派遣された四宮 臣人(しのみや なおと)です。
    開所式
    開所式

    派遣からもうすぐ1年、近況をお知らせします。

    現地では他の復旧対策室職員・石川署治山グループ・近畿中国森林管理局治山課と連携し、各関係機関等と連絡調整を図り、輪島市(わじまし)及び珠洲市(すずし)の民有林6区域の荒廃地における林野庁直轄による災害復旧等事業に着手しています。

    民有林直轄治山事業とは林野庁で国土保全上特に重要であると認められ、かつ事業規模が著しく大きいなどの要件に該当する民有林において、都道府県の要請により森林法に基づき国が直接事業を実施するものです。
    能登半島地震においては1月21日、石川県知事から坂本農林水産大臣に対し、山腹崩壊現場における国の直轄事業による復旧要望がなされ、2月16日には県農林水産部から林野庁に対し、災害復旧事業を含め国の直轄による対応について、緊急要望がなされました。
    これらを踏まえ、3月1日、林野庁は輪島市及び珠洲市の民有林において国直轄による災害復旧事業7箇所を決定し、本格的な復旧に先駆け二次災害防止に向けた応急対策工事等とともに、引き続き奥能登地域における復旧対策を行うため、民有林直轄治山事業の実施を予定しました。これらの手続きは発災から2箇月余りという極めて短期間に進められました。
    民有林治山事業の体系
    民有林治山事業の体系

    被災地の早期復旧に向け、輪島市三井町興徳寺(わじましみいまちこうとくじ)区域及び珠洲市大谷(すずしおおたに)区域における3工事を当初担当し、監督職員として応急工事を進めていました。しかし令和6年9月に発生した奥能登豪雨により更なる被害を受けました。
    地震災害に対する応急工事が進められていた中、豪雨による再度の被災若しくは被害の拡大により、緊急の対応を実施し計4工事を担当しております。
    監督写真
    監督写真1

    監督写真
    監督写真2

    監督写真
    監督写真3

    現在は、担当していた応急工事も2件が完成し、1件(興徳寺区域)は本復旧として施設災害対策工事が受注されております。もう1地域大谷区域は現在災害対策工事が2件公告されております。今後も応急対策工事の進捗を確認しながら途切れることなく災害対策工事の公告を行うべく取り組んでおります。

    災害時の被災地復旧対策という経験は人生において初めてでしたが、被災地の深刻な状況を目の当たりにし、復旧対策の重要性を実感しています。能登に派遣されてからは、知らない土地ということで、石川署職員との関係構築に時間を要しましたが、現在は、「能登の復興」という同じ目標を共有するチームとして切磋琢磨しています。

    また、様々な方々の現地視察があり、被災地の状況や復旧事業の困難な状況を見ていただき、現地の状況を知っていただくことが出来ました。
    7月31日には坂本農林水産大臣が現地視察及び対策室に来訪し、激励のお言葉を頂戴しました。
    発災以降の対応状況
    発災以降の対応状況

    坂本農林水産大臣来室
    坂本農林水産大臣来室

    10月5日には奥能登豪雨後の珠洲市大谷町に石破内閣総理大臣が視察に来られました。
    石破総理大臣視察
    石破総理大臣視察

    石破総理大臣視察
    石破総理大臣視察2

    先日、石川県庁にて開催された石川県林業普及活動・林業技術研究の成果発表会において、「奥能登地区における民有林直轄治山事業の取組み」と題しまして、この一年間の復旧事業の進捗及び今後の復旧計画の概要の基調報告を奥能登地区山地災害復旧対策室 尾木室長より行いました。
    石川県林業普及活動・林業技術研究の成果発表会
    石川県林業普及活動・林業技術研究の成果発表会

    現在は、2市6地区(輪島市:鳳至(ふげし)地区、興徳寺地区、大久保地区、寺山地区、珠洲市:大谷地区、南方地区)で民有林直轄治山事業が展開され、応急工事の半分以上が完了する中、途切れなく災害対策工事(本復旧工事)が発注されており、息つく間がない事業量となっております。

    具体的には、1月3件(施設災1件、関連災2件)、2月3件(関連災3件)、3月1件(関連災)の計7件の年度内発注を予定しており、来年度以降についても「途切れない復旧」を目指して業務に邁進していきます。
     
    (林野庁近畿中国森林管理局石川森林管理署奥能登地区山地災害復旧対策室 四宮)