羅臼岳登山道整備イベントに参加
【網走南部森林管理署】
10月19日(土曜日)、20日(日曜日)の2日間、環境省ウトロ自然保護管事務所主催の羅臼岳登山道整備イベントに参加しました。
羅臼岳といえば、言わずと知れた世界自然遺産・知床半島の最高峰です。

(羅臼湖三の沼から見える羅臼岳 撮影:根釧東部森林管理署)
山頂からは、オホーツク海に根室海峡、国後島に知床半島が見渡せます。
また、世界自然遺産だけあって、雄大な大自然に豊富な動植物も魅力です。
その魅力もあって、年間1万人を超える登山者が羅臼岳を訪れます。
登山道は、人が歩けば大なり小なりダメージが残ります。人が多ければ尚更ダメージは大きくなります。

実際の登山道の様子
踏圧でダメージが重なり、弱ったところへ水と一緒に土が流され、地面の下の根っこを残して地肌が現れています。
こういった荒廃を拡大させないため、保全と修復を行うのが今回のイベントです。
長年、登山ガイドをされている知床山考舎代表の滝澤さんから、どうして登山道が壊れてしまうのか、どういった方法で修復を行うのか講義をいただきました。

今回行うのは「近自然工法」と言うものです。
従来の土のう袋やコンクリート、ワイヤーを使ったものと違い、木と石だけの工法です。
資材は、できる限り現地のもの・自然のものを使用することで、見た目も現地になじむものになります。

実際の修繕箇所(「木柵階段工」によるもの)
基本の作りは、石の土台に土留めの木材が乗る、ステップの構造です。
ステップは、がっちり組むことで、流水による土砂の流れを抑えることができます。
メカニズムとしては、小さな砂防堰堤という印象でした。
近自然工法では、杭やアンカーを使用しないため、木材を地面に差し込むように固定します。

小さくあけた穴に木材を差し込み…

ガツン!ガツン!
と水平方向に打ち込みます。(妙な躍動感がありますね)
20cmほど刺さったら、今度は石の土台に乗るよう水平方向に打ち込みます。
あまり強く打ち込みすぎると木材が割れてしまい、優しすぎると土台にしっかりと乗りません。
私は思い切りが足りなくて、土台に乗りませんでした。(加減が難しい。)

また、ステップは前後で向きが「ハの字」になるよう設置することで、水の流れが直線にならないよう工夫されています。
通常の階段とは違い、足の踏み場を選べるのも登山者にとってはうれしい構造です。
余談ですが、登山道に現れる階段はどうしてあんなに疲れるのでしょうか…。
作業は4班に分かれて行い、ぞれぞれの修復箇所を最後に見学しました。


登山道を直すのは大変ではありましたが、楽しい作業でした。
また、直した登山道には思いやりを持つようになりました。これは愛着というのでしょうか。
最後に、登山道が壊れてしまう一番の原因は「道に流れる水」と「道の外を歩く人」だそうです。
登山道を少し外れて歩いてしまうのは、「登山道が歩きにくいから」と言うこともあります。
そういった意味でも、修繕という意味でも、しっかりとした登山道を整備することは重要です。
自然の雨は防げませんが、登山道を外れないように歩くことは私たちにもできることです。
これから山を登る際、少しだけ、足元に目を向けてみるのも面白いかもしれません。
追記.
参加者の皆さんには先日作成した、豆本「鳥獣登山戯画」をお渡しさせていただきました。
「豆本ってチョイスがいいね」などのお言葉をいただきました。

豆本はこちらからご覧いただけます↑
羅臼岳といえば、言わずと知れた世界自然遺産・知床半島の最高峰です。

(羅臼湖三の沼から見える羅臼岳 撮影:根釧東部森林管理署)
山頂からは、オホーツク海に根室海峡、国後島に知床半島が見渡せます。
また、世界自然遺産だけあって、雄大な大自然に豊富な動植物も魅力です。
その魅力もあって、年間1万人を超える登山者が羅臼岳を訪れます。
登山道は、人が歩けば大なり小なりダメージが残ります。人が多ければ尚更ダメージは大きくなります。

実際の登山道の様子
踏圧でダメージが重なり、弱ったところへ水と一緒に土が流され、地面の下の根っこを残して地肌が現れています。
こういった荒廃を拡大させないため、保全と修復を行うのが今回のイベントです。
長年、登山ガイドをされている知床山考舎代表の滝澤さんから、どうして登山道が壊れてしまうのか、どういった方法で修復を行うのか講義をいただきました。

今回行うのは「近自然工法」と言うものです。
従来の土のう袋やコンクリート、ワイヤーを使ったものと違い、木と石だけの工法です。
資材は、できる限り現地のもの・自然のものを使用することで、見た目も現地になじむものになります。

実際の修繕箇所(「木柵階段工」によるもの)
基本の作りは、石の土台に土留めの木材が乗る、ステップの構造です。
ステップは、がっちり組むことで、流水による土砂の流れを抑えることができます。
メカニズムとしては、小さな砂防堰堤という印象でした。
近自然工法では、杭やアンカーを使用しないため、木材を地面に差し込むように固定します。

小さくあけた穴に木材を差し込み…

ガツン!ガツン!
と水平方向に打ち込みます。(妙な躍動感がありますね)
20cmほど刺さったら、今度は石の土台に乗るよう水平方向に打ち込みます。
あまり強く打ち込みすぎると木材が割れてしまい、優しすぎると土台にしっかりと乗りません。
私は思い切りが足りなくて、土台に乗りませんでした。(加減が難しい。)

また、ステップは前後で向きが「ハの字」になるよう設置することで、水の流れが直線にならないよう工夫されています。
通常の階段とは違い、足の踏み場を選べるのも登山者にとってはうれしい構造です。
余談ですが、登山道に現れる階段はどうしてあんなに疲れるのでしょうか…。
作業は4班に分かれて行い、ぞれぞれの修復箇所を最後に見学しました。


登山道を直すのは大変ではありましたが、楽しい作業でした。
また、直した登山道には思いやりを持つようになりました。これは愛着というのでしょうか。
最後に、登山道が壊れてしまう一番の原因は「道に流れる水」と「道の外を歩く人」だそうです。
登山道を少し外れて歩いてしまうのは、「登山道が歩きにくいから」と言うこともあります。
そういった意味でも、修繕という意味でも、しっかりとした登山道を整備することは重要です。
自然の雨は防げませんが、登山道を外れないように歩くことは私たちにもできることです。
これから山を登る際、少しだけ、足元に目を向けてみるのも面白いかもしれません。
追記.
参加者の皆さんには先日作成した、豆本「鳥獣登山戯画」をお渡しさせていただきました。
「豆本ってチョイスがいいね」などのお言葉をいただきました。

豆本はこちらからご覧いただけます↑
(森林整備官 渡邉)
お問合せ先
総務企画部 企画課
ダイヤルイン:011-622-5228