平取町アイヌ共用林野設定契約締結式
【日高北部森林管理署】
令和6年7月1日(月曜日)、平取町役場において、アイヌ共用林野の設定に係る契約締結式が開催され、平取町長と日高北部森林管理署長との間で契約書が交わされました。締結式には、平取町議会議長、平取アイヌ協会副会長、平取町アイヌ文化保存会会長らが同席しました。

左は日高北部森林管理署の野木宏祐署長、右は平取町の遠藤桂一町長
共用林野とは、国が森林経営をする国有林野について、地元住民が共同して使用又は収益する権利を設定し、同一の国有林野を、国と地元住民が共に利用する制度です。普通共用林野(山菜やきのこ類の採取)や放牧共用林野(牛馬の放牧)などの種類があり、東北地方を中心に全国で約113万haの共用林野が設定されています。共用林野制度は、明治32(1899)年に法制化された「委託林」が起源で、現在は、「国有林野の管理経営に関する法律」に基づいています。
このうち、アイヌ共用林野については、平成31(2019)年に制定された「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)において新設されたもので、アイヌ文化の振興等に利用するための林産物の採取に共同で使用する国有林野について、共用林野制度を適用するものです。
平取町長と日高北部森林管理署長が締結したアイヌ共用林野の設定契約では、平取町内に住所を有し、アイヌ文化の保存、継承又は振興のために林産物を採取することが必要な者を共用者とし、伝統料理の食材となる山菜類、伝統的家屋であるチセの副資材となるしば、広葉樹の苗を育てるための種子、クチャチセ(仮設の狩小屋)を葺くトドマツの枝等を採取対象林産物として設定しています。これら採取した林産物は、アイヌ文化を体験する事業やチセの維持・修繕等において有効に活用していく予定です。
今回の契約では、採取の対象となる林産物資源を保護し、持続的に利用していくため、7,306haという広大な面積を設定しています。これは、平取町内の国有林野面積(41,876ha)の約17%に相当する広さで、本件含めて全5件(全て道内)のアイヌ共用林野で最大の面積となります。

関係者による記念撮影
遠藤町長は、「アイヌ文化の振興や継承に大きな役割を果たしてくれることを確信している」と挨拶し、野木署長は、共用林野の説明の中で「単に、林産物を採取するということだけでなく、地域の林産資源の保全に地域が主体的に関与していく枠組であることが重要だと考えている」と述べました。
また、式では、平成25年に締結された北海道森林管理局長、平取町長、平取アイヌ協会長による三者協定である「21世紀・アイヌ文化伝承の森再生計画-コタンコロカムイも森づくり推進のための協定書-」のイメージボードの披露も併せて行われました。
このイメージボードは、同協定に基づいて展開されている多種多様な取組と将来の地域の姿を幅広く共有するために制作したもので、作画は、北海道森林管理局企画課の平田係長が担当しました。

コタンコㇿカムイと共に見る21世紀・アイヌ文化伝承の森イメージボード
日高北部森林管理署では、今回設定した共用林野の有効活用や三者協定に基づく取組を推進し、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図るべく、絶え間なく地域との協働と連携に努めてまいります。
(参考資料)平取町におけるアイヌ共用林野の設定について(PDF : 501KB)

左は日高北部森林管理署の野木宏祐署長、右は平取町の遠藤桂一町長
共用林野とは、国が森林経営をする国有林野について、地元住民が共同して使用又は収益する権利を設定し、同一の国有林野を、国と地元住民が共に利用する制度です。普通共用林野(山菜やきのこ類の採取)や放牧共用林野(牛馬の放牧)などの種類があり、東北地方を中心に全国で約113万haの共用林野が設定されています。共用林野制度は、明治32(1899)年に法制化された「委託林」が起源で、現在は、「国有林野の管理経営に関する法律」に基づいています。
このうち、アイヌ共用林野については、平成31(2019)年に制定された「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)において新設されたもので、アイヌ文化の振興等に利用するための林産物の採取に共同で使用する国有林野について、共用林野制度を適用するものです。
平取町長と日高北部森林管理署長が締結したアイヌ共用林野の設定契約では、平取町内に住所を有し、アイヌ文化の保存、継承又は振興のために林産物を採取することが必要な者を共用者とし、伝統料理の食材となる山菜類、伝統的家屋であるチセの副資材となるしば、広葉樹の苗を育てるための種子、クチャチセ(仮設の狩小屋)を葺くトドマツの枝等を採取対象林産物として設定しています。これら採取した林産物は、アイヌ文化を体験する事業やチセの維持・修繕等において有効に活用していく予定です。
今回の契約では、採取の対象となる林産物資源を保護し、持続的に利用していくため、7,306haという広大な面積を設定しています。これは、平取町内の国有林野面積(41,876ha)の約17%に相当する広さで、本件含めて全5件(全て道内)のアイヌ共用林野で最大の面積となります。

関係者による記念撮影
遠藤町長は、「アイヌ文化の振興や継承に大きな役割を果たしてくれることを確信している」と挨拶し、野木署長は、共用林野の説明の中で「単に、林産物を採取するということだけでなく、地域の林産資源の保全に地域が主体的に関与していく枠組であることが重要だと考えている」と述べました。
また、式では、平成25年に締結された北海道森林管理局長、平取町長、平取アイヌ協会長による三者協定である「21世紀・アイヌ文化伝承の森再生計画-コタンコロカムイも森づくり推進のための協定書-」のイメージボードの披露も併せて行われました。
このイメージボードは、同協定に基づいて展開されている多種多様な取組と将来の地域の姿を幅広く共有するために制作したもので、作画は、北海道森林管理局企画課の平田係長が担当しました。

コタンコㇿカムイと共に見る21世紀・アイヌ文化伝承の森イメージボード
日高北部森林管理署では、今回設定した共用林野の有効活用や三者協定に基づく取組を推進し、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図るべく、絶え間なく地域との協働と連携に努めてまいります。
(参考資料)平取町におけるアイヌ共用林野の設定について(PDF : 501KB)
(総務グループ 管理担当 伊藤)
お問合せ先
総務企画部 企画課
ダイヤルイン:011-622-5228