「帯広農業高校1年生」国有林での林道見学実習実施
【十勝西部森林管理署 東大雪支署】
令和5年10月26日(木曜日)帯広農業高校森林科学科1年生39名を対象とした林業体験実習を実施しました。
これは森林・林業を専攻している同校のみなさんに、森林整備の重要性について現場での作業体験を通じてさらに深く理解してもらうために行っているもので、毎年、鹿追町内の国有林にある造林地においてアカエゾマツの枝打ち作業を行ってもらっています。
今年もこの予定で準備を進めていたところ、当日会場付近で当支署職員がヒグマを目撃したことから安全のため急遽予定を変更し、新得町岩松地区の国有林に移動して森林の巡視や作業現場への通勤と木材の搬出などに使う事業用の道路である「林業専用道」の見学実習を行うことにしました。
見学してもらったのは、令和3年度に新設した「湯擬谷第1分線林道(林業専用道)」(延長2.3キロメートル)です。
この林業専用道は令和4年度の「治山・林道工事コンクール」で「優れた施工管理や安全対策が認められ」農林水産大臣賞を受賞した路線となっています。
当日はすっきりとした秋晴れの中、まず当支署の管内概要とヒグマ対策として行っている熊よけ鈴と熊撃退スプレーについて、そして今日の本題である「林業専用道」とはどういうものなのかを説明したあと、早速見学に向かいました。
当支署の管内概要とヒグマ対策及び林業専用道の概要を説明
林業専用道を歩きながらの見学実習では、路面排水のために設置した「ゴムの着いた横断溝」「車両を交差させるために設置した「待避所」などについて、その箇所に立ち止まって、その役割や設計のポイントなどについて解説を行いました。
また、沿線に広がるトドマツの造林地について「林齢や間伐事業など」解説を行いました。
参加した生徒たちからは「熊はこの現場にもいますか?」「林道と林業専用道の違いはどのような点ですか」といった質問があり、この地域のクマの分布や生態、林道とは違う林業専用道のメリットなどについてわかりやすく説明しました。
今後、森林・林業の将来を担っていくことが期待されている皆さんですが、1年生という林業の入り口の学習中で、初めて見る国有林の現場や林業専用道は中々体験ができないものだったのではないかと思います。
終了後は生徒の代表から、林業専用道を見ての感想と熊出没に伴う対応指導に対するお礼の言葉をいただき、短い時間ではありましたがとても有意義ものとなったと考えています。
当支署・国有林では今後も森林・林業の将来を担う皆さんの林業体験・実習の場となるよう協力していきたいと考えています。
(森林技術指導官 相津 弘憲)