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北海道森林管理局

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    アイヌ共用林野設定契約における林産物(ヤナギの枝)の採取を行いました

    【日高南部森林管理署】


    令和5年9月4日に新ひだか町三石国有林において、三石アイヌ協会による儀式の祭具に使用するため、ヤナギの枝の採取に協力しました。
    当日は三石アイヌ協会より幌村司会長を含む4名と当署より4名が参加し採取しました。

    新ひだか町と当署においては、令和2年7月に「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」をもとにアイヌ共用林野設定契約を締結しました。
    本契約では、新ひだか町の国有林約1,600ヘクタールを共用林野とし、区域内において、アイヌ儀式の祭具(イナウ)として必要なヤナギの枝を年間600本採取できることとなっています。

    採取作業前には、三石アイヌ協会の長山顧問よりイナウに適したヤナギの枝の見分け方と採取方法の指導を受け、採取を開始しました。
    長山顧問より指導を受ける参加者
    長山顧問より指導を受ける参加者

    イナウに適したヤナギの枝は「長さ50センチメートル以上」「直径2~3センチメートル程度」「節がなく芯の腐れ・曲がりが少ないもの」等と条件があるため、探すのに非常に苦労しましたが、儀式に使用するヤナギの枝を無事に採取することができました。
    ヤナギの枝を採取する三石アイヌ協会員
    ヤナギの枝を採取する三石アイヌ協会員

    当署職員も採取のお手伝い
    当署職員も採取のお手伝い

    採取されたヤナギの枝は、9月19日に新ひだか町三石蓬莱地区の三石川河川敷で執り行われた「カムイノミ(自然界への感謝の儀式)」と「アシリチェプノミ(新しい鮭を迎える感謝の儀式)」に使用されることとなり、儀式当日は当署から署長が来賓として招かれ、儀式と鮭漁を見学しました。
    まずは、三石川での鮭漁前に、自然界への感謝の儀式として、三石アイヌ協会員による「カムイノミ」が執り行われました。

    儀式後に北海道漁業調整規則に規定されている特別採捕許可を受けた三石アイヌ協会員が三石川に入り、アイヌ伝統に基づく漁法で鮭漁を行い2匹の鮭を捕獲しました。
    捕獲された鮭はその年に最初に捕れた鮭として「アシリチェプノミ」の儀式に迎えられました。

    アイヌ伝統漁法による鮭漁
    アイヌ伝統漁法による鮭漁

    アイヌ伝統漁法で捕獲された鮭
    アイヌ伝統漁法で捕獲された鮭

    「アシリチェプノミ」は、その年最初に採れた鮭をカムイ・神にささげて新しく海から川へと登ってくる鮭に感謝し、豊漁を願うアイヌの伝統儀式です。三石アイヌ協会幌村司会長をはじめ8名の協会員と当署署長も特別に儀式に参加し、儀式が執り行われました。

    国有林で採取されたヤナギ枝を使用したイナウ
    国有林で採取されたヤナギ枝を使用したイナウ

    当署署長も参加し儀式が執り行われました
    当署署長も参加し儀式が執り行われました

    日高南部森林管理署としましては、今後もアイヌ共用林野設定契約に基づき林産物を供給し、国有林としてアイヌ文化の継承に可能な限り協力できるよう、新ひだか町及びアイヌ協会と連携を深めていく考えです。

    (事務管理官(管理担当)日野)