
多面的機能の持続的発揮を図る多様な森林づくり現地検討会を開催しました(天塩町)
【留萌北部森林管理署】
令和5年9月22日(金曜日)、天塩町の六志内国有林のトドマツ人工林において「多面的機能の持続的発揮を図る多様な森林づくり現地検討会」を開催しました。
この検討会は、これまで行われてきた「天然力を活用した多様な森林づくりの取組」と「広葉樹の安定供給に向けた取組」を一元化したもので、さらなる森林の多面的機能の持続的発揮に向けて、職員の意識・知識・技術の向上を推進するために開催したものです。
本検討会には当署職員のほか、北海道森林管理局 森林環境保護技術分析官、森林の収穫調査を行う指定調査機関、林業事業体から総勢28名が参加しました。
開催にあたって、署長より「森林の実態は様々ではあるが、新たな森林・林業基本計画のポイントでもある森林の多面的機能の発揮に向け、これまでの施業を踏まえて十分検討してほしい。」と挨拶がありました。
署長あいさつ
その後、今回の検討箇所である20い林小班の地況、林況、蓄積、これまでの施業等について担当職員から説明があり、現地林分の評価と今後の施業方法を検討すべく3班に分かれ林内へと向かいました。
20い林小班の地勢等については、天塩町内から約10キロメートル離れたところにあり、昭和12年植栽(86年生)トドマツ造林地で、面積は9.03ヘクタールです。
過去に間伐を3回実施しており主伐は実施されていません。
現地では検討を進めるにあたり、まず植栽した樹種の現況や広葉樹の混交具合などの林分評価を行い、伐採方法や更新方法などについて検討しました。
林内に入り、各班に分かれ検討中。
現地での検討が終わった後、伐採方法や更新状況等の検討結果をそれぞれの班で意見を取りまとめ、その場で発表しました。
検討結果については各班様々で、伐採方法に「択伐(一定年数毎に伐採を繰り返していく方法)」を選んだ班、「複層伐(列状に40メートル幅伐採、60メートル幅残しで複層林化を図る手法)」を選んだ班、「風倒の恐れや多面的機能の発揮の観点から伐採を見送る」を選んだ班など、三者三様の考え方があり検討会としては大変意義のある検討結果になりました。
林業事業体の方から主伐を行った後の更新方法について、「造林事業の担い手不足のため、機械下刈ができるような植付仕様にしてほしい。」といった貴重な意見もあり、今後の下刈省力化に向けた取り組みの重要性について再確認しました。
全体で意見交換
最後に森林環境保護技術分析官より「多様な森林づくりの考え方は、署によって様々です。今回の造林地では適さない施業方法でも、違う場所では活用できるかもしれないので自分の考えを大事にしてください。」との講評を受け、現地検討会を終了しました。
(羽幌森林事務所 村上)