
帯広農業高等学校(森林科学科)職場体験実習
【十勝西部森林管理署】
帯広農業高等学校(森林科学科)では勤労観を育成する目的で、地域企業の協力のもと3日間の職場体験実習を行っています。
十勝西部森林管理署では、森林・林業、森林管理署の業務について知っていただける貴重な機会ですので毎年依頼を受けており、今年度は、8月30日(水曜日)~9月1日(金曜日)の3日間に実習を行いました。
1日目(8月30日)
初日の朝、林野庁の組織、十勝西部森林管理署で行っている業務、実習に関する安全指導等の説明後、治山施行地の清水町の国有林へ移動し、治山ダム建設現場で治山ダムの果たす役割や事業実行に関する検査・監督業務について担当者から説明を行いました。
現場は、平成28年の豪雨による爪痕も色濃く残っており、沢にゴロゴロとある転石の大きさに生徒も水流の力の大きさを感じていました。
実習では、水準測量による治山ダムの出来高確認等も予定していましたが、霧雨が降る中での実習となったため残念ですが説明のみで終了。
工事中の治山ダムについて説明
午後からは、芽室町の国有林(国見山)へ移動し無人航空機(UAV)の操作と有視界でのプログラム飛行、撮影した画像の業務における活用等について説明を行いました。
無人航空機(UAV)の操作を説明
2日目(8月31日)
2日目は、中札内村の下刈実行後の国有林において、刈幅の計測及び損傷本数の確認等の検査業務を行いました。
生徒からは、管内の造林作業を請負っている事業体数や、検査において不合格となった場合の取り扱い等について質問があり説明を行いましたが、学校の授業でも下刈作業があるとのことで、「これからも植栽木を損傷しないように気を付けて作業したい」と、感想がありました。
メジャーを使用して下刈りの刈幅を計測
午後からは、芽室町の国有林において実行中の製品生産事業現場へ移動し、立木の伐倒から採材まで1台でこなす高性能林業機械「ハーベスタ」による作業及び集材を行なう「フォワーダ」への積込み、山土場で丸太の本数や直径・品質を確認する検知業務など、一連の作業を見学し、生徒からは事業体の初任給等について質問がされていました。
ハーベスタの運転席も見せていただきました
丸太の検知について熱心に聞き入る生徒
3日目(9月1日)
最終日、午前中は初日にも行った芽室町の国有林(国見山)において、全天球カメラを使用した造林地の蓄積調査を実施しました。
撮影を行った林内は昨日からの雨の影響か、湿度と気温が高く、また沢山の蚊が周囲を飛び交う悪条件の中でしたが、一生懸命に作業を行ってくれました。
蚊が飛び交う中、全天球カメラの操作方法を説明
午後からは署へ戻り、パソコンを操作しての実習に取り組みました。
初日に撮影したドローンの写真をもとに作成した、3D画像やオルソ画像をマウスで動かしながら地形や林況について確認する作業及び、全天球カメラの撮影画像から蓄積を把握する作業について実際に行ってもらいました。
生徒の皆さんからは「森林管理署が行っている仕事への理解が深まった」と感想をもらうことができ、3日間を通して体験したことがこれからの進学、就職を考える際の参考になればと思っています。
(森林技術指導官 阿部)