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北海道森林管理局

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    各地からの便り

    岩見沢農業高等学校(森林科学科)からインターンシップを受け入れました

    【空知森林管理署


    岩見沢農業高等学校(森林科学科)ではキャリア教育の一環として、社会人に必要な資質・態度を養うことを目的に3日間のインターンシップ実習を行うことになっています。
    空知森林管理署では、生徒のみなさんに森林・林業のへの理解を深めてもらえる絶好の場であることから毎年依頼を受け、協力しています。
    令和5年度は、6月27日(火曜日)~29日(木曜日)の3日間、当署が管轄する国有林にて実習等を行いました。

    〇第1日目(6月27日)ドローン操作実習と製品生産事業現場見学

    午前中は芦別市頼城地区にある、伐採した丸太を集積している「土場」において、ドローンの操作や林業現場での活用方法の紹介と、椪状に積み上げられた丸太を確認する「検知」作業実習を行いました。
    ここでは森林管理署の森林整備事業での職員の業務は、自ら伐採や植え付けの現場作業を行うのではなく、その作業を請負事業として民間林業事業体に発注をし、それに伴う監督・検査業務が多いこと、また、その業務の一端をドローンによる空撮で補い効率化を図っていることなどを説明しました。

    ドローンの実習は一番人気
    ドローンの実習は一番人気

    午後からは芦別市の平岸国有林で実行中の製品生産事業現場において、大型の高性能林業機械である「ハーベスター」が木を伐倒し、枝を払い、決まった長さに玉切り、採材し、林内運搬車「フォワーダ」に積み込むまでの一連の作業を見学しました。
    生徒のみなさんは、この請負事業の現場担当者からの機械の価格やどのくらいの太さの木まで機械で対応できるのかなどの説明を、熱心にメモを取りながら聞いていました。

    高性能林業機械ハーベスタによる玉切り作業を安全な場所から見学
    高性能林業機械ハーベスタによる玉切り作業を安全な場所から見学

    〇第2日目(6月28日)下刈り作業と林道工事現場を見学

    2日目の実習は、長沼町の国有林においてコンテナ苗の補植体験とラジコン草刈り機による下刈り作業の現場を見学しました。
    最初にコンテナ苗とポット苗の違い、コンテナ苗と裸苗のメリット、デメリットなどを説明し、その後、生徒のみなさんは1本ずつ丁寧に植栽してくれました。

    スペード(コンテナ苗植え付け道)を使ってコンテナ苗の植付体験
    スペード(コンテナ苗植え付け道)を使ってコンテナ苗の植付体験

    この請負事業の現場担当者からは、ラジコン草刈り機は走行時は電動モーターを使用、草を刈る時はガソリンエンジンで稼働するハイブリット方式であること、操作自体は難しくないこと、肩掛け式の刈り払い機で人が刈ったほうがこの機械よりも速く刈れる場合もあるが、何よりも暑い中大きく体を動かす必要がないので、体への負担が軽減できて楽であることなど、たくさん話を伺うことができました。
    林業においては、労働負荷を軽減する観点からも機械による省力化の取り組みに期待がかかっていることを理解してもらいました。

    ラジコン草刈り機での作業を見学
    ラジコン草刈り機での作業を見学

    午後からは、岩見沢市の万字国有林にある幌向支線作業道を林業専用道規格に改良する工事をしている現場を見学しました。
    ここでは林道は人の体でいうと血管の役割をしていること、効率的な森林整備を進めるには機械や人が入っていくことが可能な路網整備が重要な役割を持つことを説明し理解を深めてもらいました。

    完成直前の林道で林道事業担当者から説明を受けました
    完成直前の林道で林道事業担当者から説明を受けました

    現地実習から署に戻ったあとは、北海道森林管理局等の職員が創意工夫して作成した「北の森カルタ」を楽しみながら、森林・林業への理解を深めてもらいました。
    みんなで大いに盛り上がり、歓声を上げ夢中になってカルタをしながら、(お手つきをする人もいました・・・)ここでも多くのことを学んでもらえたのではないでしょうか。

    真剣勝負!「北の森カルタ」を楽しみながら森林・林業への理解を深めました
    真剣勝負!「北の森カルタ」を楽しみながら森林・林業への理解を深めました

    〇第3日目(6月29日)野鼠被害防止ネット設置実習

    午前中は月形町の国有林にある「スギ希少個体群保護林」において、ネズミによる食害からスギを守るために「野鼠被害防止ネット」を張る作業をしました。
    生徒のみなさんは慣れない作業に最初はとまどっていましたが、何本か手掛けるうちにネットの巻き方も上手になり、ガンタッカーというピストル型のホチキスを上手に使いながら、楽しんで作業に取り組んでいました。

    設置した「野鼠被害防止ネット」の前で
    設置した「野鼠被害防止ネット」の前で

    午後からは、署に戻り「林業技術職」の公務員を目指すためのヒントを得てもらおうと、森林管理署長や若手職員との懇談の場を設けました。
    生徒のみなさんからは「この職場で働いてみたいと、より興味を持ちました」、「いろいろなことを質問させてもらい疑問を解消できてよかった」、「ドローンやラジコン草刈り機など作業が楽になるような取り組みが勉強になった」などの感想が寄せられました。
    今回の経験が進路選択の一助になればと願っています。

                                                                                                                               (森林技術指導官 木村)