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北海道森林管理局

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    各地からの便り

    台風被害を受けた森林の再生に向けて高校生が植樹活動~函館大学付属柏稜高校・有斗高校~

    【渡島森林管理署


    渡島森林管理署では、森林環境教育に取り組む函館大学付属柏稜高等学校、同有斗高等学校と平成18年に「遊々の森」の協定を締結しています。
    この協定は「国民参加の森づくり」を推進するため、森林づくり活動に参加したい、直接森林とふれあいたいという方々と森林管理署が協定を結び、森林づくり活動や森林と親しむ活動などのフィールドとして国有林を提供する制度です。

    当署では両校にカリマ国有林(七飯町軍川)のフィールドを体験学習等の場として提供するとともに、その活動へのサポートを行っています。
    現地は平成16年の台風で壊滅的な森林被害を受けた地域で、両校の活動区域には、柏稜高校が「柏稜・永遠の森」、有斗高校が「有斗・希望の森」とそれぞれ命名し、生徒の皆さんはその再生に向けてミズナラやブナなどの苗木の植栽、その後の下草刈りなどの保育活動に取り組んでいます。

    この活動は座学による事前学習と現地での体験学習の2回に分けて行っています。
    今年度は6月に予定される体験活動の事前学習として、5月19日に有斗高校、24日に柏稜高校を当署の職員が講師として訪問し、両校の先輩たちが長年にわたって行ってきた森林再生の取組、在校生の皆さんがこれから取り組む作業について、また、ヒグマやエゾシカなどの野生動物の生態についての講義を行い、理解を深めてもらいました。


    カミネッコンの作り方指導

    そして、現地での体験学習は6月2日に柏稜高校が、16日に有斗高校が、カリマ国有林のそれぞれの「遊々の森」協定区域において、当署職員のサポートを受けながらミズナラの苗木の植え付けを行いました。

    カミネッコンを定置して植え付け完了です

    この作業にはカミネッコンと呼ばれる再生段ボール製の育苗ポットを使用しました。
    これはポットを組み立て、その中に培養土と苗木を入れて、植栽場所に置くだけで手軽に植林ができるもので、運搬しやすく、植え穴も掘る必要がなく、いつでもどこでも土の上に行くだけですむのが特徴です。

    1週間ほどで底板が壊れ発達した根が地面に伸びていき、苗木が完全に定着する頃にはポットの壁は風化して土に還ります。


    苗木をカミネッコンに植え込んでいます

    生徒の皆さんは、初めて見るカミネッコンに最初はどういうものなのか戸惑っていましたが、すぐに仕組みを理解し、楽しく作業していました。


    植樹方法の説明を聞くみなさん


    現地でカミネッコンを組み立てています

    これまで両校の先輩方が行ってきたすばらしい活動を受け継いだことを通じて、今年度に参加した生徒の皆さんにも森林や林業についてさらに興味や理解を深めてもらえたら、私たちも大変嬉しいです。

    (渡島署業務グループ 今野)