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北海道森林管理局

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    大雪山国立公園と国有林のさらなる連携推進を目指して~現地機関が情報共有と意見交換を実施

    【上川中部森林管理署】


    令和5年5月18日(木曜日)、「令和5年度大雪山国立公園における国立公園と国有林の連携推進会議」を上川中部森林管理署(旭川市)で開催しました。
    この会議は、大雪山国立公園における国立公園と国有林の連携の強化を図ることを目的として実施しているもので、当日はこの国立公園を管轄する環境省の大雪山国立公園管理事務所・同東川管理官事務所・同上士幌管理官事務所職員4名と、この区域にある国有林を管轄する上川中部森林管理署・上川南部森林管理署・十勝西部森林管理署東大雪支署職員7名が出席しました。

    大雪山国立公園における国立公園と国有林の連携推進会議

    「大雪山国立公園」は北海道最高峰の旭岳をはじめ、トムラウシ山から十勝岳連峰、石狩岳連峰などの壮大な山々や、石狩川と十勝川の源流地域を含む「北海道の屋根」といわれる一帯が指定されています。また、希少な生態系の宝庫であり、火山群や大樹海など壮観な景色が広がることから、多くの登山者が訪れる場所でもあります。このため、登山道整備や利用者へのマナー啓発等が継続的な課題となっています。同国立公園の面積の約9割は国有林となっていることから、会議では今年度の双方の事業内容について情報を共有し、意見交換を行いました。

    1.登山道整備の取組について

    森林管理署からは、登山道へ至る林道の通行状況等や登山道整備のあり方について、また、国立公園管理事務所からは登山道維持管理の今後の考え方として、公共予算の活用と利用者からの協力金の活用の2本立てにより管理すること、特に現在、白雲岳で行っている登山道保全のための協力金制度(※)の取組を同国立公園全体へ展開する構想についてそれぞれ紹介し、情報を共有しました。

    ※白雲岳避難小屋周辺登山道の維持管理のため、同避難小屋利用者及び同登山道を通過される皆さんに登山道利用協力金(任意、1,000円程度)をお願いしているもの。実施主体は上川地区登山道等維持管理連絡協議会。

    2.「山のトイレ問題」への取組について

    山岳地において、登山者等により発生するし尿の処理が環境保全上の課題となっている、いわゆる「山のトイレ問題」について、最近の状況を確認しました。
    国立公園管理事務所では避難小屋に付帯トイレを整備予定であり、また、携帯トイレの普及を進めていますが、まだ登山道は外れて用を足す登山者も見受けられることから、今後もマナーの普及啓発が必要なことを再確認しました。

    3.この他の課題について

    登山道整備の考え方として、「登山客が歩きやすくするための管理」ではなく、「これ以上の登山道周辺の荒廃を増加させないための管理」であることを利用者に理解してもらう必要があることを双方で確認しました。

    4.より良い国立公園づくりに向けて

    これまで国立公園(環境省が管轄)と国有林(農林水産省(林野庁)が管轄)が重なる地域における連携は各地で行われてきましたが、優れた自然の保護と利用の両立を世界水準で目指すため、両省の合意のもとさらなる取組が進められているところです。
    今回の会議は、国立公園と国有林の最も現場に近い場所で働く職員同士が対面で話す場となり、連携を進める上でとても有意義なものとなりました。
    今後も大雪山国立公園においてより一層両者が連携し、より良い国立公園づくりに努めていきたいと考えています。

    (森林整備官 谷本)