このページの本文へ移動

北海道森林管理局

    文字サイズ
    標準
    大きく
    メニュー

    リン子とルンルン海の森づくり~えりも岬緑化事業70周年記念植樹祭

    令和5年5月17日、えりも町の百人浜展望台において「えりも岬緑化事業70周年記念植樹祭」(主催:えりも岬緑化事業70周年記念行事実行委員会)を開催しました。

    開会式のパネル

    この植樹祭は、昭和20年代後半に”えりも砂漠”と呼ばれるほど荒廃したえりも岬の海岸に緑豊かな森林を蘇らせるため、昭和28年(1953年)に国有林治山事業による緑化事業が始まってから今年で70周年となることの記念、そして、この間の「えりも岬緑化事業に捧げた情熱」、「成功に至るまでの苦労」などの歴史を風化させることなく、次世代の子供たちに伝え、これからのえりも岬の森林のあり方などを共に考え、絆をより一層深めることを目的に行ったものです。

    えりも岬緑化事業の概要

    えりもへようこそ
    ようこそ、えりも町へ!!歓迎の旗が風になびきます

    当日の朝、えりも岬は深い霧に覆われていましたが、開会式の時間が近づくとすっきりと晴れわたり、この記念植樹祭にふさわしい天候となりました。

    みどりの大使
    ミス日本みどりの大使 上村さや香さんによるオープニング(画像クリックで拡大)

    かつて「えりも砂漠」と呼ばれたほど荒廃していたこの土地は、強風により砂は舞い上がり、海岸線は赤土により赤く染まっていました。
    昭和28年、えりも町の人々の思いが国を動かし緑化事業がスタート。
    けれど、その道のりは決して順調ではなかった。
    強風により、蒔いた種は吹き飛ばされ、草原を蘇らせることも難しかった。
    試行錯誤を繰り返し、えりも独自の「えりも式緑化工法」を生み出すなど、関係者たちが地道な努力を続けた結果、動植物たちも少しずつ増え、緑豊かな森林が蘇りつつある。
    昭和、平成、令和とつないできたえりも岬の緑化事業は今年70周年を迎えます。


    会場には地元えりも町の他、近隣の様似町、浦河町からの小学生約350人を含む約600名のみなさんが集まる中、みどりや木とのふれあいを通じてその大切さを広く社会に発信する「ミス日本みどりの大使」の上村さや香さんによるオープニングのナレーションが、開会式が始まる会場の雰囲気を盛り上げました。

    開会式
    熱気あふれる開会式

    そして、この地域の国有林を管理する日高南部森林管理署長による力強い「開会宣言」で植樹祭がスタートしました。

    田中監督
    映画「北の流氷(仮称)」を製作中の田中監督(画像クリックで拡大)

    開会式には特別ゲストとして、浦河町出身の映画監督で現在この緑化事業を題材とした映画「北の流氷(仮称)」を製作中の田中光敏氏が駆けつけてくださり「積み重ねる力は奇跡を起こす、決して諦めない、諦めなければ夢は叶う、その心を持ち続けたからこそ今のえりもがある。」と激励を込めた挨拶をいただきました。

    植樹がんばるぞ!
    スタッフに先導されて植樹会場へ

    その後、参加者のみなさんは、この緑化事業を実行している「えりも治山事業所」の職員から植樹方法の説明を受け、木々の成長を強風から守るための防風柵で囲まれた植樹会場へ張り切って移動しました。

    苗木を植え付ける小学生
    ていねいに植えたよ!元気に育て!!


    みんなで一本一本大切に植えました


    そして、クロマツの苗木1200本を、スコップで植え穴を一生懸命掘り、一本一本やさしく土をかけ、ていねいに植え付けていきました。

    植樹会場全体
    防風柵に囲まれた区画にクロマツを植え付けました(画像クリックで拡大)

    普段は風の音しか聞こえないこの場所も、今日は笑顔と歓声でいっぱいでした。

    記念撮影する小学生
    植樹がんばりました!


    えりもの森、大きく育て!!


    植樹を終えたあとは、今日植えた苗木が大きく育つ日に思いをはせながらあちこちで記念撮影する姿が見られました。

    植え付けられたクロマツの苗木
    今年のクロマツ(手前)と10年前の60周年記念に植え付けし成長したクロマツ(後方)(画像クリックで拡大)

    今後も北海道森林管理局では、地域のみなさんとともに、このえりも岬の森を大切に守り育てていきたいと考えています。
    当日ご参加いただいたみなさん、植樹作業大変お疲れ様でした。

    (計画保全部治山課)