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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    リモコン式草刈機を用いたデモンストレーション見学会の開催
    ~新しい林業の実現に向けて~

    【網走南部森林管理署


    令和4年11月8日に網走南部森林署 小清水国有林でリモコン式草刈機を用いたデモンストレーション見学会を開催しました。
    使用した機械は、ドイツ製リモコン草刈機「agria 9500」で駆動用電気モーターを採用したハイブリットの機種です。

    11月開催となったこともあり、機械に積んでいるバッテリー(写真1.オレンジ丸)の性質上、寒さが心配でしたが、当日は比較的暖かく、問題なく実施することができました。
    見学会には林業事業体6名、地方自治体2名、振興局2名、当署職員11名が参加しました。

    開会式とリモコン草刈機
    (写真1)開会式とリモコン草刈機「agira 9500」(赤白ポールの長さ120センチメートル)

    デモンストレーションに先立ち、署長より開催にあたって下刈作業の軽労化への取組状況、リモコン草刈機を採用した見学会の目的と意義について説明(写真1)がありました。
    続いてメーカーによるリモコン草刈機の性能や安全対策等の説明の後、デモンストレーションを行いました。

    現地の概要は、令和2年1月に皆伐、同年6月に大型機械による地拵(全刈)、同年11月にトドマツ裸苗1号を列間3.5メートル、苗間1.4メートルの仕様で植栽しています。
    以降、下刈は人力による機械刈払を刈幅1.5メートル、残幅2.0メートルの仕様により、令和3年8月に1回刈、令和4年6・8月に2回刈で実施しています。

    デモンストレーションでは、刈幅内に残る伐根の回避、苗間内での操作、傾斜15~20°での登坂能力を実演(写真2)しました。

    写真2. 傾斜15-20°を走行している様子
    (写真2)傾斜15~20°を走行実演

    また、残幅を活用して植栽及び下刈の仕様を再現して下刈を実演(写真3)し、下刈り仕上がり具合などを検証しました。

    写真3.残幅で下刈の実演
    (写真3)残幅で下刈の実演

    このようにデモンストレーションをしている最中も参加者による意見交換、機械に対する質問が積極的に交わされるなど参加者の興味が非常に高い印象を受けました。
    意見の中には「下刈作業のみの運用ではランニングコストが厳しいので、苗木運搬等にも使えないか」といったものがありました。

    そして下刈作業ではありませんが、林道での刈払もデモンストレーションしました(写真4)。
    平坦な箇所では非常に刈りやすく、走行性も高く、「作業道・歩道などの刈払にも適用できるのではないか」との意見が寄せられました。

    写真4. 林道で刈払の実演
    (写真4)林道で刈払の実演

    見学会終了後は、参加者にアンケートをお願いし、機械の性能について、「まだ登坂能力(転落)や刈払(苗木損傷)に不安がある」という回答が多くみられました。
    また、「下刈の前に行う地拵作業の仕様を慎重に検討すべき」という回答も多数ありました。

    一方で、「林道での刈払など複数の作業での活用により、コストを軽減できる」という回答も多くみられました。
    アンケートの回答にはありませんでしたが、他にもメリットとして、ワンボックス車や軽トラックでの運搬やガソリン携行缶(写真1.緑丸)での給油も紹介されました。

    今回の見学会では、リモコン式草刈機のメリット、デメリット両方を理解してもらうよい機会となり、主催者側としても、事業体の生の意見を聞ける有意義なものとなりました。
    北海道森林管理局では、「新しい林業」の実現に向けて、様々な取組を行っており、造林事業においても、近年新しい取組みを始めたところです。

    今回のデモンストレーション見学会はその一例となりますが、下刈作業の機械化が将来的に実現することにより、真夏の暑い日でも行う重労働を少しでも減らすことができるようなればとよいと考えています。
    参加者からまた開催してほしいとの声がありましたので、事業体等とスケジュールを調整しながら来年度の開催について検討していきたいと思います。


    (業務グループ 森林育成担当 田原)

    お問合せ先

    総務企画部 企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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