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えりも高校にて緑化事業70周年プレイベントの講演会を開催しました。【日高南部森林管理署】 令和4年9月21日、北海道えりも高等学校の体育館にて、来年70周年を迎える、えりも岬緑化事業記念行事のプレイベント「2023 リン子と森の記念日 講演会」を開催しました。 この講演会は、えりも岬緑化事業が始まってから70年かけて蘇らせた森林や、緑化に捧げた情熱、成功に至るまでの苦労などの歴史を風化させることなく次世代の子供たちに伝え、これからのえりも岬の森林のあり方を共に考えていく一つの契機となって欲しいと行ったものです。 ![]() パネラーのみなさま 会場には、えりも高校の全校生徒をはじめ、えりも町長、林業関係者、PTA等、関係者の皆様が来場し、「えりも岬緑化事業の魅力」と題した講演及びパネルディスカッションに耳を傾けました。 講演では北海道森林管理局の職員で、林業漫画家としても活動している平田経営企画係長が「えりも岬緑化事業の魅力~林業漫画家の目を通して~」と題し、日本の森林・林業の現状や緑化事業による緑の恩恵についての話をしました。 また、70周年を記念して平田係長が作成したポスターの紹介と、その制作にあたり「えりも町」を幾度も訪れた事、その際70年に渡る緑化事業と地域の方々の絆を肌で感じ、その印象をポスターに描き込んだ事が語られました。 ![]() 講演の様子 ![]() 70周年記念ポスター 講演の後に行われたパネルディスカッションでは、平田係長進行のもと、えりも高校1年生の坂田大紀さん、小山内悠人さん、大西正紀えりも町長、えりも漁業協同組合の住野谷張貴専務理事、ひだか南森林組合の飯田英雄治山事業班長、えりも治山事業所の宮崎治山技術官の計6名がパネリストとして登壇し、「えりもの風」「森林の役割」「これからの緑化事業」と題した3つのテーマに基づき、熱い思いを語りました。 ![]() パネルディスカッションの様子 「えりもの風」のテーマにまつわる話では、事業が始まった当時は岬全体が砂漠化しており、風とともに砂が舞い、砂ぼこりで10メートル先が見えなかった、目に砂が入って病気になる、食事中の食器に中にまで砂が入ってジャリジャリする等、今では考えられない生活のエピソードが紹介され、その後、緑が増えて海が青く昆布の質も良くなり、その努力が報われた事が感慨深く語られました。 ![]() パネラー(高校生) ![]() パネラー(左:町長、右:漁協専務理事) ![]() パネラー(飯田さん) また「これからの緑化事業」のテーマでは、緑化事業初期は大型の機械もなくすべてが人の手による大変な作業だった事、緑化事業実施は地域の方々との深いつながりがあり現在につながった事が紹介され、これから緑化事業の取組が映画化される事への期待や、この森を大切に守り育て100年先までつなげて欲しいという思いが語られました。 高校生パネラーからは、復活した森林内にアスレチック等の娯楽施設を作り、子供たちが遊べる環境を作れば観光客の増加が期待でき、えりも町がより多くの人に認知されるのではないか等、これからの緑化事業をより盛り上げるための具体的提案が出されました。 最後に、記念品としてバッジを署長から手渡しで生徒に贈呈して閉会しました。 ![]() 記念品を贈呈 えりも町外の方にえりもの国有林を案内すると、現在の森林は最初からあるものと認識している人が意外と多く、実はこの森林は先代の人々の苦労と工夫によって作られた話をすると驚かれることがあります。 今回のようなイベント等を通じて、若い次世代の人たち、より多くの人達に、えりも緑化事業の歴史と魅力をしっかりと伝えていくのが大事だと、改めて感じました。
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