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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    上川地域フォレスターの集い(仮)を開催

    【上川中部森林管理署】


    令和4年9月16日(金曜日)、今年度第1回目となる上川地域フォレスターの集い(仮)が、北竜町内の国有林470林班において行われました。

    当日は、幌加内町1名、上川総合振興局南部森林室4名、北大北方生物圏フィールド科学センター森林圈ステーション北管理部1名、同雨龍研究林北空知支署2名、上川南部森林管理署1名、上川中部森林管理署2名の森林総合監理士及びそれを目指す者?11名が参加しました。

    今回のテーマは、「低コスト造林手法の取組について(「表土戻し」地拵)」とし、北空知支署でこの間取り組んできた報告がされました。

    概要を説明する北空知支署職員
    概要を説明する北空知支署職員

    「表土戻し」とは、下層植生と表土をかき起こした後、敷き戻す作業で、北海道大学雨龍研究林で発案・研究されてきた更新方法です。
    これまで「かき起こし」で止めていたものを「敷き戻す」作業まで行い、敷き戻すことで埋土種子が供給され、栄養豊富な表土の供給により、天然更新が促進されるというものです。

    当日は、はじめに全刈地拵の試験地を視察。
    北空知支署職員から試験地の説明。

    林令60年のカラマツ人工林で令和3年6月に伐採した誘導伐箇所で、ヘクタール当たり500本のクリーンラーチを植栽。
    周囲の母樹の状況から天然更新を期待しているとのことでした。

    ササ類の回復はわずかで、当年度伸長平均20センチメートル、カラマツ及びカンバ類の天然更新が見られました。

    現地を視察する参加者
    現地を視察する参加者

    カラマツの天然更新
    カラマツの天然更新

    参加者からは、このまま成長すると下刈をせずに完了するのではないか。
    天然更新木が生長していくと除伐時にどの木を優先するか検討しておくべき、下刈をした場合に天然更新木を伐らないように注意が必要などの意見が出されました。

    次の試験地は、表土戻し地拵の植付箇所で、表土戻しでササ類が少し回復していましたが、回復していないところでカンバ類の天然更新が多く見受けられました。

    表土戻し箇所の様子
    表土戻し箇所の様子

    カンバの天然更新
    カンバの天然更新

    参加者からは、表土戻し作業のみで天然更新を期待するだけでいいのではないか、林道から近く、傾斜も緩いので民有林には当てはまりにくい、民有林は昔のやり方から変わっていない等の意見が出されました。
    この「表土戻し」の、7年生の施工地では、通常のかき起こし施工地と比較して「稚樹密度は60倍、胸高断面積合計は150倍(ほとんどがカンバ類)とのことでした。

    また、20年生の箇所では、太さ20センチメートルのものもあったり、除伐を組み合わせながら40年で胸高直径20センチメートル以上を目指しているとのことであり、ササが回復することは問題ないが、イタドリなどの高くなる草本類箇所は失敗が起こる可能性があることでした。

    説明をする北大北方圏フィールド科学センター教授
    説明をする北大北方圏フィールド科学センター教授

    その他、各参加者から多くの意見があり活発な意見交換となり、それを受け北空知支署からは、「今日の意見を参考にしながら今後も試験を継続していきたい」との話がありました。

    これから増える主伐・再造林においては、造林初期コストの縮減、とりわけ下刈の省略化・省力化等コストの縮減が課題となっていることから、今後も各組織のおける取組状況や情報共有を行いながら、意見交換をし、課題の解決の前進に向け取組を継続していくことを確認し終了しました。

    (森林技術指導官 橋本)

    お問合せ先

    総務企画部 企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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