このページの本文へ移動

北海道森林管理局

    文字サイズ
    標準
    大きく
    メニュー

     各地からの便り

    市町村林政連絡会議
    ~森林経営管理制度と森林環境譲与税の活用をテーマに意見交換を実施

    【石狩森林管理署】


    石狩森林管理署は、民有林行政を推進する市町村と、森林・林業・木材産業に関する情報交換を図り、連携した取組を推進していくことを目的に「市町村林政連絡会議」を設置しています。

    現在、民有林行政の場では、新しくできた森林経営管理法に基づく「森林経営管理制度」(※1)への取組、「森林環境譲与税」(※2)を活用した森林整備等の推進が課題となっていることから、令和4年度の会議ではこれらをテーマに意見交換等を行うため、後志管内と石狩管内において自治体の林務担当者の皆さんに集まっていただき会議を開催しました。

    1.後志管内市町村地域林政連絡会議

    6月29日(水曜日)、小樽市・積丹町・古平町・仁木町・余市町・赤井川村と当署による「後志管内市町村林政連絡会議」を小樽市役所において開催し、各自治体の林務担当者、当署の民有林支援担当者及び管内自治体にある国有林を担当している森林官等が参加しました。

    小樽市会議室において会議を実施 
    小樽市会議室において会議を実施 

    「森林管理経営制度」では、森林の経営管理が行われていない森林を市町村が仲介役となり森林所有者と民間事業者をつなぐことで適切な経営管理を行うこととなっており、これにより(ア)放置された森林が経済ベースで活用され、地域の活性化につながる効果、(イ)森林の多面的機能が向上し、土砂災害等の発生リスクが低減され、地域住民の安全・安心につながる効果などが、期待されており、市町村には大きな役割が課されています。

    このことから、当日は本制度に関わる(ア)市町村の責務、(イ)経営管理権集積計画を樹立し、公告するまでの事務上の流れ、(ウ)本取組のスタート地点となる、森林所有者から「所有する森林を今後どのように管理していきたいか」などを聞き取る「意向調査」実施について留意点等について、説明と確認を行いました。

    また、森林環境譲与税の活用推進に向けた、各種取組事例の紹介も行いました。

    続いて、後志管内において本制度に基づく先駆的な取組を行っている小樽市役所の林務担当者から、その考え方、取組内容、各種課題やその対策などについて事例報告を受けた後、同市がこの制度に基づき「間伐など必要な経営管理を行うべき」と判断し、「経営管理権集積計画」を定め公告した小樽市蘭島地区の私有林へ移動し、森林の現況や取組の進捗についての説明、質疑応答を行いました。

    小樽市が経営管理権集積計画を公告した私有林
    小樽市が経営管理権集積計画を公告した私有林

    この中では、(ア)意向調査の対象者が多岐にわたることから、森林の現況だけではなく「公道、作業路網との位置関係」にも着目し優先順位付けを行い、効率的に進めたこと。(イ)同市の森林地帯には果樹農家が多いことから営農作業への影響がないよう配慮しながら計画の検討を進めたこと等、工夫した取組にも言及があるなど、参加者の皆さんによる熱心な意見交換が行われました。

    森林整備について意見交換
    森林整備について意見交換

    2.石狩管内市町村地域林政連絡会議

    7月12日(火曜日)、札幌市・江別市・千歳市・恵庭市・北広島市・石狩市・当別町・新篠津村と当署による石狩管内市町村地域林政連絡会議を北海道森林管理局において開催しました。

    当日は、後志管内での会議と同様の説明と確認を行った後、本制度に基づき石狩管内で先駆的な取組を行っている札幌市の林務担当者から事例説明を受けました。

    この中で、同市は(ア)「里山活性化推進事業」ともリンクさせながら進めていること、(イ)森林所有者やその森林が所在する地域の農業者等の元へ何度も足を運び丁寧な説明を繰り返し、合意形成を図ってきたこと。(ウ)森林経営管理権集積計画の策定にあたっては林業事業者など実務経験者からの意見聴取や他県の先駆事例の調査などを行い、計画の実行段階で発生が予想される課題なども見据えながら検討を重ねたこと等について言及がありました。

    石狩管内会議開催の様子
    石狩管内会議開催の様子

    また、その後、同市が経営管理権集積計画を策定し公告した札幌市小別沢地区の私有林に移動し現地での説明を受けました。
    森林整備を進めるにあたり、(ア)この地域には新規就農者や農業の六次産業化を目指した取組を進めている者が多いことから、地域住民の理解を得て連携していけるよう、何度も会合を持ちながら進めていること、(イ)副産物(枝条や笹などの草本)の動物園での給餌への活用等、多方面への波及効果が起こるような数々の工夫をしていることなど、大変参考となる説明がありました。

    参加者のみなさんからも、熱心な質問があり、同市の担当者からのアドバイスもいただくことができました。

    札幌市が経営管理権集積計画を公告した私有林の 説明を受けている様子
    札幌市が経営管理権集積計画を公告した私有林の現地説明

    今回の会議は、各自治体の林務担当者が直面している課題について、実際に先駆的な取組を行っている担当者の方々から、その取組内容、創意工夫、苦労した点、その中から見いだした留意点などについて説明してもらい、その課題解決の一助となればと考え、テーマを絞って実施しました。
    これらは私たち国有林職員にとっても、民有林のみなさんがかかえる課題を理解し、共有する場ともなり、今後も連携した取組を進めていく上で、大変有意義なものとなりました。

    石狩森林管理署ではこのような取組を引き続き進める中から、より一層、民有林と国有林が連携し、より良い森づくりを行っていけるよう努めていきたいと考えています。


    (※1)林業の成長産業化の実現と森林資源の適正な管理の両立を図ることを目的に制定されたもので、手入れの行き届いていない森林について、市町村が森林所有者から経営管理の委託(経営管理権の設定)を受け、林業経営に適した森林は地域の林業経営者に再委託するとともに、林業経営に適さない森林は市町村が公的に管理(市町村森林経営管理事業)をする制度です。

    (※2)わが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設されたものです。都道府県・市区町村が、それぞれの地域の実情に応じて森林整備及びその促進に関する事業を幅広く弾力的に実施するための財源として活用されます。

    (地域林政調整官 久慈)

    お問合せ先

    総務企画部 企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

    PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
    Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

    Get Adobe Reader