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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    鷹泊採種園にてUAV(ドローン)を用いた着果調査を実施

    【北空知支署】


    6月17日(金曜日)、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 林木育種センター 北海道育種場 育種課 育種研究室長 花岡 創 氏を迎え、UAV(ドローン)を用いた着果調査とAIによる球果判断プログラムについての講習会が北空知支署鷹泊国有林にて開催されました。

    本研究は、種苗生産者等に対して採種園の豊凶情報を提供する際に、ドローンとAIを用いた画像という客観的な証拠を取得しつつ、目視での調査よりも簡単かつ正確に着果状況を把握・報告することを目標として進められているものです。
    まずは従来の着果調査を体験しようということで、藪をかき分けトドマツ林内へ移動しました。

    目を皿にして球果を探す職員
    目を皿にして球果を探す職員

    林内から見たトドマツ着果状況
    林内から見たトドマツ着果状況

    林内から双眼鏡を用いることで長さ約5センチメートル幅約2センチメートル程度の球果を確認することができました。
    しかし、見える範囲には限りがあるため立木全体の様子を把握することは難しく、着果状況は過小評価されてしまうように感じました。

    広場に戻ってから、本題であるドローンを用いた球果の撮影時の注意事項の解説では、ドローン内のカメラ設定をその日の天候によって変更することで、驚くほど質の高い写真を撮影できるとのことでした。
    明日からでも実践できるようにと、プログラム内での手軽な設定方法も伝授いただきました。

    撮影のコツを教わる職員
    撮影のコツを教わる職員

    そして、本日のメインイベントであるドローンによる着果調査がスタート。
    我が支署のエースパイロットがその手腕を振るいます。

    先ほど林内から観察した地点へ到着し、少しずつ木との距離を縮めていくと…、立木全体の着果状況がしっかりと確認できました!

    ドローンから空中撮影したトドマツ着果状況
    ドローンから空中撮影したトドマツ着果状況

    撮影した写真はその場でパソコンに取り込み、着果状況をAIに判断してもらいます。
    「わずか1分足らず」で結果が表示された際には、驚きの声が上がりました。

    画像1枚から平均400個ほどの球果が検出されました(PC画面の赤い丸が球果)
    画像1枚から平均400個ほどの球果が検出されました。

    一部拡大(PC画面の赤い丸が球果)
    一部分拡大(PC画面の赤い丸が球果)

    今までは経験則に頼っていた部分が大きかった着果調査ですが、このシステムを用いることで誰でも一定の精度結果を得ることができそうです。

    難しいと感じた点は、撮影の際に樹木とドローンの距離をかなり詰めなければならない事くらいでしょうか。
    特に今回使用したドローン「Phantom4」にはズーム機能がついていないため、操縦者は常に”攻め”の姿勢を要求されていました。

    支署に戻ってからは研究の現状と課題点などについてお話をいただきました。
    花岡氏の「研究結果は現場で利用されることで初めて意味あるものとなる。」という言葉をいただき、今後も新しい技術を積極的に国有林の現場で取り入れていこうという結びで、閉幕となりました。

    【北空知支署 幌加内森林事務所 外山・業務グループ 田口】

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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