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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    SUSTAINABLE FOREST ACTION2021参加報告

    【空知森林管理署 北空知支署 中嶋
    【上川南部森林管理署 岡田】


    令和3年8月21日から10月23日の期間、北海道森林管理局から我々2名は、SUSTAINABLE FOREST ACTION 2021(通称SFA)にエントリーし、事業検討、発表を行いました。

    SFAとは、現在の日本の森林・林業課題の解決に向け、林業人材と異分野の事業開発経験者とでチームを組み、民間で収益を生み出す森林事業を創造することで、持続的な森林づくり、広義の林業に寄与することを目的した事業開発プログラムです。(2019年度より開催されており、今年度で3回目。)

    *キックオフ(初回のweb講義)の様子*
    *キックオフ(初回のweb講義)の様子*

    事業コンペ(最終発表会)の入賞チームには、林野庁事業である「森林づくりへの異分野技術導入・実証事業の補助事業」により、試作品開発やフィールド実証等に係る費用の一部が支援されます。それらを踏まえて法人を立ち上げるなど、持続的な森林づくりのための事業化に向けた取組を進めることが出来ます。

    最終発表会の様子
    最終発表会の様子

    最優秀賞受賞チーム
    最優秀賞受賞チーム

    日本全国から42名、14チームがエントリーし、国の行政職員(林野庁職員)は5名エントリーされ、林業課題の再定義、アイデア創出、事業計画までを2か月という短い期間で練り上げ、事業化を目指しました。

    〇具体的な取組と内容

    我々は、2名がチームジョインし、以下のテーマで検討等を行いました。


    北空知支署 中嶋:「自伐林業者(小規模林業者)による地域林業の再生と活性化」

    「地域密着型」の林業者であり、「山守」の役割を持つ、自伐型林業者(小規模林業者)が地域で認知され、職業平均レベルの収入を得て、環境に配慮した持続可能な林業が行えるようにするにはどのような事業でお金を稼ぎ、回していくことが望ましいか。奈良県の下北山村を想定し、地域山村と都会の企業を結び付け、「林業をユカイにかっこよく」する事業を創り上げました。

    プロジェクトコンセプト(SFAチーム5)
    プロジェクトコンセプト(SFAチーム5)

    自伐課題×社会課題(SFAチーム5)
    自伐課題×社会課題(SFAチーム5)

    発表の様子
    中嶋のチーム発表



    上川南部署 岡田:「受け皿のない小さな山を異業種の力で開く事業」

    森林経営管理制度について市町村へ聞き取りを行っていくうちに、小面積の山を持つ森林所有者が適切な施業を行うことができず、所有者はもちろんのこと、市町村も困っているということが分かりました。そこで異業種(具体的には土木業者や運送業者)と協力して必要最低限の森林施業を低コストでできるサービスを検討しました。

    プレゼン資料1
    プレゼン資料1

    プレゼン資料2
    プレゼン資料2

    岡田のチーム
    岡田のチーム発表

    〇SFA全体を通しての感想

    中嶋:異業種メンバー(地域山村の地域おこし協力隊・林業任意団体職員、企業のR&D(事業開発)担当者)と、ともに事業コストと消費者ニーズ(心理)・地域のポテンシャルや持続可能性といった視点を主軸においた事業検討ができたこと。オンライン会議ツール、事業検討のためのオンラインホワイトボード等、今後のICT化に向けた各ソフトを利用する経験ができたこと。そして他チームメンバーとの交流により、森林林業関係者以外の民間の各種企業とつながりを持つことが出来たことが大きな収穫となりました。

    岡田:現場の声を聞くことの大切さと難しさを実感しました。私のチームは「森林経営管理制度に関連した課題があるのでは?」と考え、聞き取りを行いました。しかし実際は「地元の林業経営体の育成」「地元住民の森林への関心不足」「働き手人口と施業量のバランス」など多くの課題があることが分かりました。本当の課題を見つけるには、実際に会って対話するしか方法はないということを実感しました。

    *智頭町(鳥取県)合宿の様子*
    *智頭町(鳥取県)合宿の様子*

    〇自身の今後の取り組みや後続者に向けて、林野庁職員としての当取組・林業課題への所感

    中嶋:SFAでは地域が抱える「林業課題」を突き詰め、ターゲットとなる消費者やマーケットを調査・分析し、事業実行でマネー化し、会社経営を行いつつ、地域林業と林業者にも貢献しうるプログラムを作成しました。
    国の林業政策が民間企業、地域市町村、林業従事者、一般住民にどのように見られており、どのようなことが期待されるのか。また、林業の持続可能性を本気で考える機会になり、今後も森林管理署職員として「地域に何が求められ、どんな事業を行っていくことが必要か」考えていきたいです。

    岡田:「主伐って本当に必要なんですか?」他チームのSFA参加者にこう聞かれたことがありました。
    私はこの質問に対して即答することができませんでした。SFAには普段林業に関わらない方も多く参加されます。もちろんSFAでは「事業開発」という新しい視点を得ることができます。しかしそれだけでなく、林業を違った角度から見つめ直す良い機会になるかと思います。

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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