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【北空知支署】
令和3年10月22日(金曜日)に北海道大学雨龍研究林において、令和3年度の相互交流見学会が開催されました。この交流会は、研究林・幌加内町・当支署が幌加内地域の森林施業における課題を共有し、その解決に向け知見を交換すること等を目的とし、毎年、研究林・国有林で相互に開催しています。今回は研究林で開催され、研究林から吉田教授をはじめ4名・幌加内町2名・国有林8名、そして当支署で事業を実行している事業体((株)旭友興林)から5名が特別参加しました。最初は「筋押し表土戻し・カンバ除伐」の調査箇所で、筋押しで表土戻しを行い、天然更新を実施し、40年で平均胸高直径20センチメートル程度に成長する林分を目指しています。調査地では、ヘクタール当たり約2万本が更新発生しています。そこで若年時に刈払機などにより強度な除伐を実施することで40年後の目指す林分にするため、コスト的、作業効率的に効果的な除伐を模索しています。今回は、どのように除伐を行うのか刈払機により実演も行われました。この調査地では、残存密度の調整や、何年目に除伐を実施するのが効果的なのか、除伐を1年毎にずらして検証もしており、現時点では、90%程度の強度な除伐を行っても、生長には問題がなく、成長量は増加し、コスト的にも負担が少ないことから、強度な除伐を推奨できるとのことです。若年時の除伐により、下枝の成長が促される問題については、参加者より「あえて除伐を高足刈で行うことにより、下枝の成長を抑制できるのではないか」などの意見も出されました。刈払機による除伐実演除伐実施後、状況確認次に「ミズナラの天然更新地」で、ミズナラの樹冠下の掻き起こし作業を行い、ミズナラの天然更新の試験地を設定しています。ササは根茎まで掻き起こしを行うことで、約10年は復活しないので、その間にミズナラの成長が見込めることや、発芽率においては樹冠下が高いが、樹冠下外でも生育条件としては悪くないことから、人工的に播種することで生育地の拡大が可能であり、掻き起こし地においてミズナラはある程度生育できるようです。ミズナラ掻き起こし箇所ミズナラの天然更新状況次は「カラマツ天然更新試験地」で、表土戻し・通常の掻き起こし・強度な掻き起こしと、それぞれ異なる掻き起こしによるカラマツの更新動態について調査をしています。昨年は、掻き起こし実施後に現地を見学しましたが、その後1年が経過した現地ではところどころにカラマツの稚樹が発生していました。カラマツ天然更新地確認更新発生したカラマツ稚樹最後は「埋土種子コントロール試験地」で、埋土種子から天然更新を図ることを目的とし今年度設定され、表土戻しを行い、土壌の移動が区画内で収まるよう潜在的な埋土種子の量と更新との関係を明らかにする調査を実施しています。埋土種子コントロール試験地今回の見学会では、共通する課題は天然更新を阻害するササの除去であり、ササが回復する前に、発生した更新木の成長をいかに促すかが課題となっており、そのために表土戻しなどの更なる活用と更新後の有効な保育作業の確立が必要と感じました。今後、相互交流見学会などにより更に情報や知見を共有し、森林づくりの課題解決に向け取り組んでいきたいと思います。次回は10月29日(金曜日)に当支署管内の深川部内470林班で開催することとしています。
(主任森林整備官 秋葉)
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