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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    トドマツ人工林主伐後の天然更新補助作業試験地説明会を開催しました


    【上川南部森林管理署】 


    上川南部森林管理署は、9月17日(金曜日)に管内の国有林の試験地において、北海道森林管理局森林技術・支援センター(以下「センター」という。)の協力により説明会を開催しました。

    この試験地は平成27年度にセンターが国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 北海道支所と共同で当署の3林班に設定したもので、トドマツ人工林の主伐後に天然更新補助作業を行い経過を観察している箇所となっており、現在は萌芽による保育手法について効果を検証しています。
    同林班での試験地の説明会は、昨年のカラマツの天然更新試験地に続き2年連続となります。

    説明会はコロナ禍を踏まえ、参加者を当署管内の5市町村(富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村)の関係者に限定して開催し、上川総合振興局南部森林室富良野事務所、管内4市町村、種苗関係者の計12名と、当署とセンター職員13名の合計25名が参加しました。

    当日は、北浦署長から挨拶の後、担当首席森林官から現地の概要、森林技術指導官から今年度当署で開催した現地説明会の概要や、今後の取組予定などについて説明しました。
    北浦森林管理署長の挨拶(中央)_R
    北浦森林管理署長の挨拶(中央)

    センターの山本所長からは、隣接するカラマツの天然更新試験地について、地拵えで除去したA層を試験地の周囲に土盛りすると、その周囲を境に笹の根系伸長が抑制され野鼠の行動範囲も抑制された可能性があること、笹の種類毎に根系の集中する深度が異なること、北向き傾斜の試験地を新たに設定したこと、野鼠による密度管理を検討していることなどについての経過が報告されました。
    山本センター所長から試験地の説明_R
    山本センター所長から試験地の説明

    除去したA層を試験地の周囲に土盛りすると、周囲を境に笹の根系伸長が抑制されている様子を説明_R
    除去したA層を試験地の周囲に土盛りすると、周囲を境に笹の根系伸長が抑制されている様子を説明

    地がき後6年で樹高3mを超えた天然更新カラマツ_R
    地がき後6年で樹高3メートルを超えた天然更新カラマツ

    また、トドマツ人工林主伐後の天然更新試験地については、40メートルの幅で帯状に伐採し、グラップルレーキを使用し笹の地下茎を除去して、全刈、筋刈、無処理区のプロットを設定したものの、当初期待したトドマツの天然更新は少なく、また旺盛に天然更新したカンバ類も笹や大型草本等の植生回復により被圧が始まっていたことから、令和2年度に大型草本等と一緒に更新木を刈り払い、稚樹からの萌芽を促進する取組を現在進めているとの説明がありました。
    ●トドマツ天然更新補助作業プロットにて意見交換_R
    トドマツ天然更新補助作業プロットにて意見交換

    地がきにより天然更新が完了した場合のトータルコストの減少について質問がありました_R
    地がきにより天然更新が完了した場合のトータルコストの減少について質問がありました

    参加者からは、天然更新してもその後の獣害や被圧による悪影響をどうやって避けるかが課題であるといった意見や、A層を除去する経費とその後の保育経費の比較、野鼠が侵入しない筋刈幅等について様々な質問や感想が出されていました。
    種苗関係者から天然更新補助作業について感想がありました_R
    種苗関係者から天然更新補助作業について感想がありました

    当署では今年度、新型コロナウイルス感染拡大対策を徹底しながら、造林作業の省力化・低コスト化をテーマに2回、林地未利用材収集の効率化・安定化をテーマに1回、計3回の現地説明会を開催し、民有林関係の参加者も延べ48名となっています。

    今後、これらの取組結果を整理して市町村森林整備計画実行管理推進チーム会議などで報告するとともに、チーム構成員のご意見などを踏まえながら、引き続き地域課題の解決に向けて取組を進めていきたいと考えています。


    (森林技術指導官 今野)

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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