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令和2年度インターンシップ(大学生)
~北海道森林管理局上川中部森林管理署で就業体験~
【上川中部森林管理署】
今回、上川中部森林管理署でインターンシップを行った秋田大学の学生さんの体験を紹介します。
1日目(9月7日 月曜日)
初日の午前は林業のサイクル1日目(9月7日 月曜日)に関しての説明や森林管理局の業務内容など概要説明を受けた。 その後、近くにある見本林を散策し様々な外国樹種を見た。
外国樹種見本林
午後からは美瑛町に移動し、十勝岳火山砂防情報センターや望岳台防災シェルターを見学した。 そして十勝岳治山工事の説明を受け、噴火の際に起こりうる泥流を止めるための導流提を見学した。
十勝岳治山工事による導流提
【1日目の感想】
初日の研修を通して、北海道の林業における組織運営や現状を具体的な例を含め学ぶことができた。 また治山事業は人目に触れることが少なく災害時に初めて力を発揮し人の役に立つ事業である。 防災に関して多くの人は無駄な投資だと批判し事業の進展具合が滞る事例はあり、市民と専門家の意見のバランスを取り事業を進めることの難しさについて深く考えさせられた。 さらに森林管理署の行う治山事業の理念として山の自然な流れを生かすことが含められているが、私にとってこの考え方は新鮮で新たなものの見方を学ぶことができた。
2日目(9月8日 火曜日)
地林況調査(標準地調査)
この日の午前は地林況調査や伐採方法などについての座学から始まった。 その後実際に森に入り人工林で標準地調査と全天球カメラによる撮影を行った。 また、すぐそばの天然林へも行き天然林と人工林の違いを肌で感じた。
地林況調査(標準地調査)
午後は大型機械地拵えの作業中である場所を訪れた。 その後、地拵えが終わりトドマツを植えたばかりの場所も見学した。 管理署へ帰ってきてから午前中に行った標準地調査と全天球カメラ撮影の調査結果を集計した。 2つの結果に大きな差は生まれなかった。
【2日目の感想】
2日目の研修を通して、地林況調査が間伐・主伐・造林を行う上でいかに重要なのかを知ることができた。 実際に経験することで森林計画を立てるときの基礎となる地林況調査がいかに大変かが分かった。 この調査を正確に早くできるための機材が開発されることが森林管理のこれからの課題になることを痛感した。
3日目(9月9日 水曜日)
この日は林道に関する知識の学習から始まった。 その後国有林内に移動し、最新のICT技術を用いた測量を見学した。 時速約50キロメールのスピードで上空から撮影し解析する方法やレーザーなどを用い360度地形を撮影できる機器などを間近で見ることができた。
午後は、新しく林道を作っている工事現場にお邪魔した。 作業している方からも直接話を聞くことができた。 その現場では今年から各施工が終わるごとにとる写真をアプリで撮影しクラウドにアップロードするシステムを導入し作業効率を向上させることができたそうだ。
ICT技術を用いた測量の見学
その後以前川の増水で崩壊した林道の補修工事完成現場を見学した。
【3日目の感想】
この日を通して、林道の意義について深く理解することができた。林道を作ることで関係者の肉体的負担だけでなく心的負担を減らすことができ、管理が効率よく行われることにも繋がるため森林自体へもメリットがあることが分かった。また、林道作設に必ず必要な測量がICT技術を用い早く正確に測量できることの将来性も学ぶことができた。
4日目(9月10日 木曜日)
この日は、午前中に国有林GISの使い方を教えていただいた。 その後、現場に出向き黒岳沢の治山ダムの見学や層雲峡のような観光地でどのように登山客や観光客の要望と森林管理とのバランスを取るかについて説明していただいた。
午後はレクリエーションの森である上川浮島風景林に行き、国有林の観光資源としての使い方を学んだ。 その後、旭川市永山にある銘木市の会場を見学し木材がどのように取引されているかを学んだ。 また木材利用の最終形の一つである家具が展示されている施設にも行き見学した。
銘木市会場の見学
【4日目の感想】
この日は当初ドローンを試験地で飛ばす予定であったが雨が降ってしまったため内容が変更された。 しかし、森林保全と観光資源としての森林の価値とのバランスが非常に取りづらく難しいことが分かった。 また木を使うこと、つまり森林管理の下流部がしっかりと需要を作ることが上流部を支えることでもあり、重要な部分であることを学ぶことができた。
5日目(9月11日 金曜日)
最終日の5日目は朝から伐採系森林整備事業(主伐)を行っている現場に行った。 そこではハーベスターやフォワーダーなどの高性能林業機械を見て、ハーベスターのデモンストレーションを見学した。 そして、積まれた丸太(椪)の検査とSカン打ちを体験した。
高性能林業機械の見学
積まれた丸太(椪)の検査
午後は、午前に行った土場に戻りドローンの操縦体験をした。 ドローンでまさに帯状主伐が終わったばかりの場所を画面で見ながら撮影などを行った。
ドローンの操縦体験
【5日目の感想】
主伐の現場を見学し、高性能林業機械がいかに素早く作業を行えるかを五感で理解を深めることができた。 Sカン打ちや木材の計測を実際に体験し、ホッチキスのような道具でのSカン打ちや写真やスキャンするだけで計測を行えるような機器が開発されると効率向上できるのかもしれないと思った。
また、ドローンを操作体験してみて、思った以上に操作が簡単で、これを使って手軽に災害時などに調査ができるようになればもっと早く状況を把握することができるのだろうと痛感した。
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総務企画部企画課
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