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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    らしさにふれて・たのしみ・学ぶ -鹿の子沢ワークショップ- を開催

    【網走中部森林管理署】 


    令和2年9月5日に置戸町青年団体連絡協議会(置青協)の依頼を受けて、「”らしさ”にふれて・たのしみ・学ぶ -鹿の子沢ワークショップ-」を開催しました。
    参加者は置青協から8名、当署からは3名の計11名で、当署職員が森林の講師を、置青協会員(オケクラフトセンター森林工芸館職員)が木工の講師を務めました。

    森林は多種多様な樹種で構成されており、一見同じような木に見えても、各樹種には長い年月をかけて獲得したそれぞれの“らしさ”(特徴)を持っています。
    今回のワークショップはそのような各樹木の生き様と木材としての特性を知り、クラフトを作ることでその”らしさ”を実感してもらおうと企画しました。

    当初は置戸町内の風景林である鹿の子沢で森林散策をしながら樹種の説明を行い、参加者の方に各自で気に入った樹種の枝を採取して、現地で木工体験をしていただく予定でしたが、当日は雨模様となり森林散策は中止となってしまいました。
    そこで、当署職員で各樹種の枝を採取して置戸町公民館で樹種の説明と木工体験を行うこととしました。

    各樹種の説明では、当署職員からキタコブシの爽やかな香りや、センノキの持つ棘等の特徴とその生き様を説明し、木工講師からイタヤカエデの材が綺麗な白色をしていることや削った時の感触、オケクラフト(後述)での利用方法等の材としての特徴を説明することで、森に生きている植物としての特徴と人が利用する際の特徴の二つの側面からその植物の持つ”らしさ”を伝えました。

    カツラからうっすらと甘い匂いがします
    カツラからうっすらと甘い匂いがします

    カエデの中にも複数の種類があり、それぞれ違った表情をしています
    カエデの中にも複数の種類があり、それぞれ違った表情をしています


    一通り樹種の説明が終わった後は木工の時間で、参加者は自分の気に入った樹種の枝からお箸、フォーク、バターナイフのうち一つを作成します。キタコブシの香りが気に入ったからこの木を使いたい、バターナイフを作るのに適した木を使いたい、枝が二股になっている部分を使ってフォークを作りたいなど、参加者各自の様々な視点で材料の木を選んでいるのがとても印象的でした。

    どの木のどの部分を使うか思案中です
    どの木のどの部分を使うか思案中です

    木工講師による木工体験の説明
    木工講師による木工体験の説明

    当署職員も木工体験に参加させていただき、お箸とバターナイフを作成しました。お箸は枝を適当な長さに切りそろえた後に、掴む部分を削っていきます。バターナイフは持ち手とナイフの境目に目印を入れて、そこからナイフの形状になるように削っていきます。どれも持ち手の部分では枝の樹皮を残すことができ、材料の枝の持ち味を活かした仕上がりにすることが可能です。実際に小刀を枝に当てると、それほど力を入れなくても削れていきます。自分でこれと決めた枝を思い描く形にする行程が楽しく、気づけば夢中になっていました。

    小刀を用いて枝を削っていきます
    小刀を用いて枝を削っていきます

    参加者全員が夢中になって枝を削っています
    参加者全員が夢中になって枝を削っています

    オオモミジで作成したバターナイフ
    オオモミジで作成したバターナイフ

    ミズナラで作成したお箸
    ミズナラで作成したお箸

    講師の方によると、普段の木工体験では乾燥させた木を用いるため、採取したばかりの生木を用いる機会はほとんど無いとのことです。
    また、生木は水分量が多いため比較的削りやすいことや、乾燥する過程で表れる変化も楽しみながら愛着を持って使い続けて欲しいとのお話がありました。

    最後に皆で作成したモノを集めて記念撮影
    最後に皆で作成したモノを集めて記念撮影

    初めは森林や植物にあまり興味を持ったことが無いという方もいらっしゃいましたが、様々な樹木の生き様を聞いてクラフトを作る、”らしさ”にふれることで少しでも好きになっていただけたのではないかと感じています。
    これからも、森林や植物の面白さを伝えることはもちろん、学ぶことや知ることは楽しいという体験を多くの方に届けていけたらと思います。

    (置戸森林事務所 森林官補 平野)

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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