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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    2回上川地域フォレスターの集い(仮)の開催

    上川中部森林管理署】 


    連日の残暑が続く令和2年8月27日(木曜日)、 第2回目となる上川地域フォレスターの集い(仮)が開催されました。
    前回は上川町有林をフィールドとして勉強会を実施したので、今回は上川町内の国有林で行いました。

    始めに、本会は所属や立場を超え、互いにフラットな関係で、諸情勢などにとらわれることなく、現地に最適な森林施業を自由に発想していくことを通じて、現場に立脚した実践力の向上等を目指すものとして現地における勉強会を位置づけています。

    今回の勉強会のテーマも、「失敗した事例から次の森林施業に活かす」で、参加者は、上川町2名、上川総合振興局南部森林室2名、道立北の森づくり専門学院1名、上川中部森林管理署4名の森林総合監理士及びそれを目指す者です。

    開会
    開会

    1箇所目は、植栽から約60年経ったカラマツ人工林で、一部エリアはダケカンバを主とした広葉樹が優占し、造林木がほとんど見えない状態です。また、造林木は林齢の割には肥大成長していないように見受けられました。

    カラマツが順調に生育したエリアの施業については「標高が約800メートルということを考慮すると十分生育しており、今後の人工林造成の参考にしたい」といった評価や、「皆伐してリセットしては」「市場ニーズを転換させ大径材生産を目指していくことも必要ではないか」「長伐期施業の行く末は明確ではないが、間伐で様子をみては」といった意見などがありました。

    造林木カラマツが優占するエリア
    造林木カラマツが優占するエリア

    林況を説明する当署の森林総合監理士
    林況を説明する当署の森林総合監理士

    広葉樹が優占するエリアについては、「当初考えていた造林地として見たら失敗」ではあろうが、「平成17年度の間伐列に広葉樹等が発生していないことから、クマイザサの下刈等初期保育に相当苦労してきたことが伺える」といった評価や、「ダケカンバの更新時点を確認するため、伐倒等により年輪を調べてみたい」といった意見が出される中、現況が答えであり、十分に成林していることから、森林づくりとしては失敗とはいえないとの考え方に収束しました。

    ダケカンバが優占するエリア
    ダケカンバが優占するエリア

    様々な意見を自由に発言
    様々な意見を自由に発言

    この現場は、現在、北海道国有林において積極的に推し進めている「天然力を活用した多様な森林づくり」を実践する事業予定地で、森林の公益的機能を発揮するためにも適時適切な森林施業を実施し、自然条件等に応じて針広混交林化を図るなど多様で健全な森林へ誘導していく必要があります。

    2箇所目は、昨年度に帯状に伐採する誘導伐(更新伐)を実施した後にトドマツコンテナ苗植付までの一貫作業システムにより造成した「低密度植栽最適化モデル林」です。
    グラップルレーキ等による大型機械地拵(全刈)に縦方向に1条植えし、列間は将来の大型機械下刈の導入も見据えて4メートルで設定してあります。

    当該地では失敗を恐れず、試験的なことは国有林で実施し、地域で最適な森林施業技術を提案していくという考えの下、「多様な植栽密度」を実際に目で見て体感できるモデル林を造成しています。
    具体的には、地表処理のみの箇所(0本/ヘクタール)から最大1,750本/ヘクタールまで6種類の低密度植栽の試験区を設定しています。

    多様な植栽密度試験区を設定
    多様な植栽密度試験区を設定

    植栽されたトドマツコンテナ苗
    植栽されたトドマツコンテナ苗

    さらに、今後、植栽された苗木の片側だけ下刈りしてみたり、苗木を中心に円形に下刈りしてみたり、苗木の高さの半分程度を刈高としてみたり、隔年度に下刈りしてみたりと多様な方法での下刈試験を想定しておりますが、本会メンバーに更に違う方法を自由に考えて貰いたいという観点からリクエスト募集を呼びかけさせていただきました。

    これからの試験にリクエスト募集
    これからの試験にリクエスト募集

    30度を超える炎天下での開催となりましたが、普段ではなかなか体験できない有意義な時間であったのではないかと思います。
    今後は、現地検討会等が多く開催される時期になることから、落ち着いた時期にこれからの活動等についての話し合いを行うことを確認し、散会となりました。

    上川中部森林管理署の技術情報はコチラhttps://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/kamikawatyubu/technicalinfo.html

    (主任事務管理官 織田)

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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