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森林・林業体験学習
【宗谷森林管理署】
令和2年7月29日(水曜日)に、利尻富士町立鴛泊中学校において、宗谷総合振興局森林室主催による中学1年生の生徒17名を対象とした森林・林業体験学習が開催され、利尻森林事務所より森林官(木育マイスター)とグリーンサポートスタッフ(GSS)が講師役として授業を担当しました。 今回、担当の教師からは「利尻島の海岸から山岳部までの植生の変化や樹木・野鳥について学んで欲しい」「利尻島の森林は人の手を加えて整備しなければならない場所があることについて生徒達に気付いてほしい」とのリクエストを受け、授業を構成し実施しました。
森林官による室内学習
第一部は室内学習です。
「知ってほしい利尻の大切な森林・生き物」と題したスライドを使用し、森林官の仕事紹介、利尻島の森林と生き物紹介、利尻島の樹木紹介、GSSの活動紹介を行いました。
グリーンサポートスタッフによる活動紹介
生徒達の多くは森林の中に入る機会がほとんど無いこともあり、なかなか「森林」についてイメージが沸きにくかったようでしたが、見たことがあるエゾカンゾウやハマナス等の花、トドマツ等の樹木、木の実、クマゲラやコマドリ等の野鳥のスライドを見せると、目を輝かせ、興味深く聞き入っていました。 利尻島の貴重な森林と生物についてさらに学習を深めてほしいです。
第二部は実際に森林の中に入り、除伐体験を行いました。
今後「板」を加工する図工の授業予定があり、その木材はどういう所から来ているのか理解してもらうこと、森林の整備によりどのようなことが期待できるかを考え、学んでもらうことが目的です。
はじめに木を伐って倒す作業を森林官が実演します。 まず、周辺の安全確認、そして倒す方向を決め、受け口を作って、追い口を切る前にまた安全確認。 実際に木が傾き始め、ミシミシと音を立てて倒れると、生徒からは「オォーー」という歓声と驚きの声が上がりました。
初めての伐倒
上手く伐れるかな
作業は班ごとに指導者がつき、4班に分かれて除伐、樹木の種類や森林生物の説明をしました。
いざ伐るとなると、なかなかノコギリが入っていかなかったり、うまく切り口がつくれなかったり、困難な壁にぶつかりながらも「木を伐る」という非日常体験が生徒達にとっては新鮮だったようで、最後のふりかえりの時間には「木を伐る作業がとても楽しかった、また体験したい」「今回行った森林にまた行きたい」「森林や花の観察をしてみたい」等の感想があり、生徒達の心に響いたことを実感できました。
今回の体験を踏まえ、後日、学校の授業の中で班ごとにレポートをまとめ、利尻島の森林はどのような状況のもので、どのようになっていくのか。そして、自分たちが出来ることは何か等について考えることになっています。
主伐期を迎えているにも関わらず、離島という立地条件により木材の運搬や利用が難しいため森林整備がなかなか進まない利尻島の森林について、島の将来を担う生徒たちが考えるきっかけとなる「光」のような授業や体験となったのであれば、大変有意義な時間になったと考えております。
(利尻森林官 中嶋)
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総務企画部企画課
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