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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    天然力を活用した多様な森林づくり現地検討会を開催

      

    【根釧西部森林管理署】 


    令和2年6月23日(火曜日)、標茶町別寒辺台国有林の主伐期を迎えた昭和43年に植栽した林齢53年生のカラマツ人工林(308ろ林小班)において、「天然力を活用した多様な森林(もり)づくり現地検討会」を開催しました。

    本検討会は、北海道森林管理局の重点取組事項の一つである、人工林資源の成熟化が進む中、森林の多面的機能を持続的に発揮するため、すべての主伐箇所で、天然力を活用した多様な森林づくりを進め、多様な樹種、林齢からなる針広混交林等への誘導を本格的に実施するために、職員の意識と技術の向上を図るために開催したものです。

    今年度は道内の24森林管理(支)署でそれぞれ現地検討会を計画しています。新型コロナウイルス感染拡大防止対策もあり取組が遅れていましたが、道内の移動規制が解除(6月19日)されたことから当署が最初の開催となりました。

    天候不順が続く中、当日は心配されていた雨も降らず、総務グループ・治山グループなど森林施業に直接携わらない職員を含め、当署全体の約9割にあたる職員40名に、局幹部3名と本局各課からの参加者11名を加えた総勢51名での開催となりました。

    開催にあたって、今年度4月に就任した原田局長より、「多様な森林づくりの取組は大切なことであり、将来的には民有林支援にもつながってくるもの。山(森林)づくりに限らず、相応の労力や対価なしに欲しい結果が得られるという旨い話はない。コスト面の意識を常に持ちつつも、山づくりのために必要な施業は妥協せずに行っていくという視点で今後の施業を考えて欲しい。」と挨拶があり、職員同士の活発な議論に期待を込められていました。
    “対価無くして成果無し”北海道森林管理局長 原田 隆行
    挨拶する北海道森林管理局長

    その後、検討対象地であるカラマツ人工林の本数・蓄積などの林況、これまでの施業履歴、森林づくりの検討で大切な「現況林分の評価」の項目などついて担当職員から説明を受け、参加者全員で今後の施業方法や森林整備のメニューなどを検討すべく6班に分かれて林内に入りました。
    現況林分は、当該林分に対してこれまで実施してきた施業に対する回答であることを認識し、「山に教えを請う」という姿勢で、山と良く相談(現状分析)し、山のやりたい方向で森林づくり(施業方法を選択)を行うことが重要です。
    林内では職員一人ひとりが、植栽したカラマツの本数・太さ・混み具合などの生育状況、エゾヤチネズミ等による被害状況、一緒に育っている広葉樹の混交状況、林床の稚樹の発生状況などの現況林分の状況を確認し、経験の比較的浅い若手職員にはベテラン職員がフォローする中で意見や疑問・質問などを出し合い、熱心に山に向き合っていました。

    班毎に林内踏査を行い、施業方針を検討
    班毎に林内踏査を行い、施業方針を検討

    林内踏査を終えた午後の部では、班毎に、(ア)現況林分の確認を踏まえた評価、(イ)今後の施業方法等の考え方ついて取りまとめ、その検討結果を発表しました。
    各班からは、カラマツの生育状況はおおむね良好であるが、根元の野そ食害が顕著で枯損木となることが懸念される。広葉樹の天然更新は旺盛ではない。植生はミヤコザサではあるが林床に広葉樹の稚樹の発生はほとんど確認できないなど同じような見解が出された一方、主伐や間伐の伐採方法の選択、同一小班内でも林相の違う区域毎の取り扱い方、主伐後の植栽樹種などについて異なる意見も出され、各班から何故そのような結論に至ったのか質疑応答など自由闊達な議論が交わされました。

    様々な考え方が示された意見交換
    様々な考え方が示された意見交換

    各班の意見が出尽くしたところで、議論の締めくくりとして小島計画保全部長等から「人によって見方が違うのは良いことで議論を行うことは大切、普段から「山に教えを請う」という姿勢で、山と良く相談(現状分析)するという真摯な気持ちが重要。多様な森林づくりとともに主伐再造林では森林整備の効率化・コスト縮減を推進することも検討すること。」といった講評がありました。


    最後に相澤署長から、「全員が熱心に山を見て意見を交わすことができ、大変有意義な現地検討会だった。我々の職場は現場である。まずは山(森林)に行きしっかり向き合いましょう。」というメッセージとともに無事に全行程を終了し、今後の国有林野事業の山づくりに対する意識醸成に向けた有意義な検討会とすることができました。

    (業務グループ 地域技術官 丸田)


    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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