これまでの取組み
令和6年度
令和6年8月27日(火曜日)「2024年度JICA中央アジア国別研修」を支援
雷別地区自然再生事業地(川上郡標茶町/根釧西部署293林班)で、JICAによる2024年度「中央アジア国別研修」の現地見学が行われました。この研修は、湿地保護に従事する中央・地方政府の関係者が、地元住民の参加を得て湿地の適切な利用を促進する行動計画を実行し、地域の開発と環境、生物多様性保全に貢献することを目的として実施されており、当日は中央アジア諸国から、9名の研修員とJICA関係者等3名が訪れ、当センターが支援しました。
まず始めに笹地11で、当センターの活動区域図を示し、雷別地区自然再生事業地、標茶町や釧路市、釧路湿原やシラルトロ沼等、それぞれの位置関係を説明しました。その後、当地区の概要、森林再生の方針や保護管被覆による成果等を説明したところ、研修員の皆様は真剣な眼差しで話を聞いていただき、さらに「植栽方法や保護管の仕様」「苗木の調達方法」等、多くの質問がありました。
次に笹地10へ移動し、令和3年に植栽した広葉樹(カツラ・ミズナラ・ヤチダモ)について、これまでの生育状況を説明しました。
その際、研修員の方が、野生生物調査で使用している自動撮影カメラが目に留まったようで、キタキツネやエゾシカの写真を示しながら説明したところ、興味深く話を聞いていました。
最後に研修員から「この研修では、森林再生地の見学を楽しみにしていました。活着率が90%を超えていることは、素晴らしいことです。ここで得た知見を今後に生かしていきたい。」とのお礼の言葉をいただき、皆様と記念撮影を行いました。
当日は、霧雨の降るあいにくの天候でしたが、当センターも他国での取組みを拝聴でき、大変有意義な時間となりました。
自然再生事業地の説明を聞く様子 | 自動撮影カメラの説明を聞く様子 |
令和6年7月2日(火曜日)・3日(水曜日)東京大学北海道演習林の現地見学会に参加
東京大学北海道演習林(富良野市麓郷)で見学会に参加しました。この見学会は、北海道森林管理局と東京大学北海道演習林が、定期的な交流の機会と相互理解を目的として、昨年度より取組まれており、令和6年度は局署の若手職員等を対象として開催され、道内各地から約30名が参加しました。
同演習林では「林分施業法」という、森林の特性や天然力を活用するきめ細かな手法で、長期的かつ大規模な天然林施業、銘木市に出品するための優良木管理、樹冠下地がき、独自の育苗技術等が取組まれています。
見学会では、林分施業法の一部である選木を体験しましたが、伐ることで周囲の森林に、どのような良い結果となるかを考え、選木する1本1本に必ず理由付けを行い、また、木だけを見るのではなく、周りの様子やその兼合いも考え、どの木を伐るのが一番良いのかを決めるのは大変難しいことでした。しかし、その分、森林をよく見ることができるので、森林を見る目を養うことや変化にも気づくことができると思いました。
伐採後の跡地検査と支障木調査では、林分施業法の最終工程として、選木したものだけが正しく収穫されているか、伐採時に生じた支障木があるかの確認が行われ、iPadに樹木の位置情報が記録できるソフトが導入されており、選木時に電子野帳へ収穫木の情報を記録しているので、現場へiPadを持っていくだけで、選木時のデータと照合しながら、確認作業ができることに驚きました。
国有林でも早々に、電子野帳やiPadでの野帳管理等が取入れられれば良いと思いました。
先進的な収穫調査や北海道の大規模な天然林を見るのは初めてだったので、とても新鮮な2日間でした。
センノキ優良木の様子 | 選木方法の解説の様子 |
令和6年6月21日(金曜日)長野県林業大学校「校外研修」を支援
長野県林業大学校の2年生20名が、厚岸町と標茶町に広がる「パイロットフォレスト」を見学しました。これは同大学校が、北海道の森林・林業を学習する一環として、パイロットフォレストの歴史や国有林の計画的な施業等を研修するために訪れたもので、根釧西部森林管理署と当センターが支援しました。
先ず始めに、研修棟でパイロットフォレスト造成時の様子を記録したDVDを視聴した後、根釧西部署長がパイロットフォレストの造成の経過を解説しました。その後、機械展示棟で、当時使用していた機械を見学しました。
次に、学生の皆さんは望楼へ移動し、望楼から眺望する組とパイロットフォレストの施業の説明を聞く組の2組に分かれました。
望楼から眺望する組は、壁面に展示しているパネルの解説を聞きながら最上階を目指し、展望室がある約24mの高さから、カラマツ林を眺望しました。学生からは「人の手でこの広さの森林が作られたのはすごいですね」との感想がありました。また、施業の説明を受けていた組では、真剣な眼差しで森林管理署長の解説を聞いていました。
この見学で学生の皆さんは、パイロットフォレストの歴史や風景に感動している様子が見られました。また、真剣に解説を聞くとともにメモを取り、積極的に質問をする等、熱心に学ぶ姿が印象的でした。
機械展示棟を見学する様子 | 望楼からの眺望の様子 | 施業の説明を聞く様子 |
令和6年5月20日(月曜日)中茶安別小中学校「春の学校林活動」を支援
令和6年5月20日、標茶町立中茶安別小中学校の学校林で、「春の学校林活動」が行われ、当センターは学校林の散策と植樹活動(保護管被覆)を支援しました。まず始めに、散策路周辺のカラマツ、トドマツ、ミズナラ、キハダ等の樹木の特徴について、葉と樹皮に触れながら説明をしました。
その後、昨年伐採したカラマツ伐根の年輪を数えました。
みんな一生懸命に数えており、年輪は63本ありました。
最後に、標茶町森林組合の組合長が「植樹」について、当センターが植栽木を野生動物の食害から保護する「保護管(ツリーシェルター)被覆」について説明しました。
カラマツは枝が多く、ツリーシェルターの中に納めるのに、児童・生徒や保護者の方々は苦労していましたが、「動物に食べられないように大きく育って」と願いながら被覆していました。
学校林散策の様子 | 年輪を数えよう | 植樹と保護管被覆の様子 |
令和6年5月10日(金曜日)虹別中学校「森林環境教育」を支援
令和6年5月10日、標茶町立虹別中学校において、環境学習の時間で「森林講話」を行いました。この取組みは、令和4年度より毎年実施しており、今年度は身近な樹木、林業(循環する産業)について、3年生10名にパワーポイントの資料で説明しました。
まず、草と木の違い、身近で見られる樹木の解説を行いました。
身近な樹木として、標茶町の町の木である「ナラ」を説明したところ、生徒の皆さんは樹名の由来等、熱心にメモを取っていました。
その後、林業は50~100年のサイクルで「伐って・使って・植えて・育てる」循環する産業であること、将来の子どもたちのために、森林を整備していくことが大切であることを理解してもらえたと考えています。
最後にアクティビティとして、技術普及課で作成した「北の森カルタ」を行ったところ、生徒からは、取った札の頭文字で自分の名前ができたと喜んでいました。
今回の取組みを通じて、生徒の皆さんが森林の良き理解者になってもらえれば、うれしく思います。
「森林講話」の様子 | 「北の森カルタ」で熱中する様子 |
以前の取組み
以前の取組みの様子は、以下の年報又はこちらをご覧下さい。
年報
当ふれあいセンターのこれまでの取組みを年報にとりまとめていますので、是非、ご覧下さい。
令和5年度「年報」(令和6年4月1日発行)(PDF : 5,484KB)
令和4年度「年報」(令和5年4月3日発行)(PDF : 4,298KB)
令和3年度「年報」(令和4年4月1日発行)(PDF : 3,264KB)
令和2年度「年報」(令和3年4月1日発行)(PDF : 1,974KB)
令和元年度「年報」(令和2年4月17日発行)(PDF : 2,022KB)
令和5年度「年報」(令和6年4月1日発行)(PDF : 5,484KB)
令和4年度「年報」(令和5年4月3日発行)(PDF : 4,298KB)
令和3年度「年報」(令和4年4月1日発行)(PDF : 3,264KB)
令和2年度「年報」(令和3年4月1日発行)(PDF : 1,974KB)
令和元年度「年報」(令和2年4月17日発行)(PDF : 2,022KB)
平成28年度「年報」(平成29年4月7日発行)(PDF : 4,760KB)
平成27年度「年報」(平成28年4月11日発行)(PDF:5,476KB)
平成26年度「年報」(平成27年4月21日発行)(PDF:5,333KB)
平成25年度「年報」(平成26年3月31日発行)(PDF:4,241KB)
平成24年度「年報」(平成25年4月1日発行)(PDF:4,574KB)
平成23年度「年報」(平成24年3月30日発行)(PDF:2,992KB)
平成22年度「年報」(平成23年3月31日発行)(PDF:2,521KB)
平成21年度「年報」(平成22年3月31日発行)(PDF:606KB)
平成20年度「年報」(平成21年3月31日発行)(PDF:589KB)
平成19年度「年報」(平成20年3月31日発行)(PDF:1,344KB)
平成18年度「年報」(平成19年3月31日発行)(PDF:650KB)
平成17年度「年報」(平成18年3月31日発行)(PDF:642KB)
お問合せ先
釧路湿原森林ふれあい推進センター〒085-0825 釧路市千歳町6番11号
Tel:0154-44-0533