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第12回森林再生小委員会議事要旨

「第12回森林再生小委員会」が平成24年11月14日(水曜日)に、釧路地方合同庁舎5階会議室で開催されました。小委員会には12名(個人2名、4団体4名、関係行政機関5機関6名)が出席しました。

会議の様子 雷別地区自然再生事業からの発表 達古武地域自然再生事業からの発表

雷別地区自然再生事業の実施状況について

事務局から雷別地区の自然再生事業の実施について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

 

(委員長)
補植の基準と天然更新の基準について、補植の必要な基準の本数を説明願う。
 
(事務局)
天然稚樹も含めて5000本/ha未満の場合は必要であると考える。


(委員長)
急傾斜地の生存率については、原因解明を追求するよりも対策を取った方がよいのではないか?
 
(事務局)
急傾斜地の笹地12については、倒れている稚樹とエゾシカの被食を受けているものもあることから、どこまでが雪に倒されたのか、どこまでがエゾシカの被食なのかを把握する必要があると考えている。
 
(委員長)
来年度に予定の補植の検討とは、補植を実施するのか、補植計画を立てる事なのか。
 
(事務局)
笹地12では補植したいが再び枯死する可能性が高い為、原因を把握しなければ対策にも繋がっていかないと考えている。
 
(委員長)
基本的には急傾斜地でエロージョンが起こっている事から、それを止める何らかの対策を取った方が早く森林再生に繋がるのではないかと感じている。
 
(委員)
基本的には委員長の指摘を考慮し補植は実施していく。補植と並行して具体的な箇所・数量を把握するため調査も実施していきたい。
 
(委員長)
エゾシカの対策としては、防鹿柵での対応はせず、ヘキサチューブで被食を防ぐのか。
 
(事務局)
ヘキサチューブの効果が高い結果である事から、当面はヘキサチューブを中心に実施する。
 
(委員長)
ヘキサチューブを超える樹高になった場合、エゾシカの被食を受ける事はないのか。
 
(事務局)
1.8mのヘキサチューブを超える高さでは被食を確認した事がない。
 
(委員)
エゾシカの被食率について、ほとんどが高さ30cm未満の天然稚樹の被食率が5.4%で、30~60cmの植栽木については51%とあるが、いずれ天然稚樹が成長すると被食率が上がるのではないか。
天然稚樹の樹齢は何年なのか。
 
(事務局)
確かに広葉樹が成長すると被食を受ける可能性はあるが、数多く植樹できれば被食を受けてもそれなりの数が生き残ると考える事から、森林になっていけると考える。
H21年度に地がきを実施している事から、それ以降の樹齢になる。
 
(委員)
haあたりの本数密度とは、実際に植栽を実施した数なのか、植栽するのが望ましい数なのか。
 
(事務局)
場所によるが、実際にhaあたり5000~10000本の間で植栽している。
 
(委員)
天然林を作る場合、最低10000本/ha以上植栽しなければ多様な樹種を確保できないと考えるが、実際はどのくらい植栽すればよいのか?
 
(事務局)
10000本/haが基準と考えている。
 
(委員長)
自然発生と植栽では、同じ10000本/haでも掛かる労力が全然違うので、前提として植栽した場合には保育等を実施し、もう少し植栽を減らしても成林する方向にしていくしかないのではないか。
10000本/haを基準とすると、苗木の育成が追いつかないため、ある程度の高さに成長するまで、面倒をみる事を前提に考えるべきではないか。
 

議事2 達古武地域の自然再生事業の実施状況について

事務局から達古武地域の自然再生事業の実施について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

 

(委員長)
間伐後の植栽木の成長については、間伐の程度をいろいろ変えたのか。試験結果はどの様に評価するのか。天然更新は考えていなかったのか。


(事務局)
2011年度までの試験では、間伐については無間伐・中間伐・高間伐の3種で試験しており、中間伐・高間伐については成長量がそれほど違わない結果となった。試験は植栽した稚樹の成長率を比較するために間伐率を変えたものであり、周辺母樹からの更新は対象としていない。
 
(委員)
2010年度の試験間伐は列状間伐と定性間伐の2種類で実施した。これは中間伐と高間伐の間のイメージで考えており、現在モニタリングしている列状間伐は、本数比で2列切って3列残しの伐採率40%で実施している。


(委員長)
最終的な間伐の量を350本とする根拠はなにか。事業地は地位指数でⅢ等地で、当初はこのⅢ等地の間伐後の密度である450本程度の密度として決めて、それでは実際には少なかったのでさらに間伐するということか。


(委員)
植栽木に対する効果を上げるためにより高い間伐率を設定した。委員からももっと空けてよいという意見が多かったので、通常のⅢ等地の最終間伐より少し低い350本ぐらいに仕立てようと考えた。2010年の結果が8ページにあるが、間伐したところに植えた植栽木の成長量は、列状間伐下で良かった。


(委員長)
定性間伐と定量間伐(列状間伐)を選択する際の基準はなにか。
 
(事務局)
間伐手法の明確な基準はなく、林分ごとに検証しなくてはいけないが、まだ2箇所で見ている段階。作業性やその後の管理を考えて、今回は列状間伐としている。
 
(委員長)
定性間伐はカラマツの収穫量を増やすには意味があるが、ここでは木材生産ではなく広葉樹林にすることを目標としているので、その必要はなく、列状間伐ということで良いのではないか。
 
(事務局)
環境省としては、木材生産が目的ではないが、他の林業事業者のモデルとするものであり、ある程度収穫面も大切にしたいとは考える。
 
(委員長)
今回、実施計画の追記とあるが、実施計画を変更する必要はないのか。どの様な場合に第二期に移行するのか。また、通常は事業を実施するうえで事業の終了時期を決めるが、今回の事業終了の見込みはいつなのか。
 
(事務局)
今回は実施した事業内容を続けるため追記した。事業内容を相当変更したり、根本的な方向性が変更になる場合は改めて事業計画を作成するものと考える。この事業の終わりについては、森林再生でありもともと5年や6年での計画づくり自体に無理があると考え、追記という形で微修正しながら10年、20年というスケールの計画で、複層林化して最終的には二次林になるところまでと考えている。

(委員)
民有林ではネズミが大量発生して被害を受けているが釧路湿原周辺ではいかがか。空中散布で薬を撒くが、撒いている箇所からは逃げている。達古武再生事業地は自然地域であるため、散布はされておらず逆に集まってくるという現象は起きていないか。

(委員)
育苗段階では、ネズミが入らないように囲っている。植栽後は特に対策していないが、ネズミは年により増減があり、影響を受けるのは特に多い年に限ってのことである。特に積雪が少なくてネズミが多かったおととしには影響がかなりあった。


(委員)
苗に対するネズミの嗜好性を明らかに出来ればと考えている。ハルニレやアオダモが非常によくやられていて、今年の2月3月が一番被食された。薬を使ってやると他の動物や鳥に対しての影響もあるのではないかと悩んでいる。薬以外の方法で良い知恵があったら教えて欲しい。


(委員)
民有林の森林整備では、林内の周りに進入して来ないように防そ溝というものを設置、なおかつ墜落缶を入れて、侵入を防いでいる。まめに管理が必要であるがこの様な事で防除しているという事例はある。

 

その他

(両地区事業についての意見・感想)


(委員)
道東地方によく来るが、時期によってエゾシカが出てくる頻度が全然違う。雷別地区の報告で、ライトセンサスの結果エゾシカが非常に少なくなってきているとのことであったが、例えば厚岸の方に行っているのか、湿原の中に入ってきているのか、もう少し地域を広く考えた方が良いのではないか。湿原流域である鶴居村や標茶町でも、それぞれ問題が出ているならば小委員会の中でエゾシカ対策を検討して良い時期に来ているのではないか。


(委員長)
動物を全面に出して、シマフクロウの生息環境が釧路川流域にあるかどうかといった議論もやろうという意見があり、中でもエゾシカについては特に重視していた。エゾシカ問題を釧路湿原全体として捉える必要があり、他の先生などからもエゾシカが相当入り込んでいるという情報もあり気になっている。


(委員長)
地がきもタイミングが難しい。実の成り年に上手く合った形で地がきが入れば相当上手くいくだろう。


(委員)
雷別地区も達古武地区も地表処理の成績が非常に悪い。母樹林がどちらも貧相なことの影響が大きい。通常はカンバ類などは非常に沢山落ちるはずなので、ある程度母樹があれば良い。母樹が少ないことに加えて釧路地方で豊凶が激しく、カンバでも2年に1回豊作が来るかどうかである。特に母樹に対する意識を上手く組み立てていかないと難しい。

 

 

第12回森林再生小委員会 資料

adobe pdf 議事要旨のPDF版(PDF:136KB)

adobe pdf 会議資料(雷別地区自然再生事業)(PDF:5,728KB)

adobe pdf 会議資料(達古武地域自然再生事業)(PDF:4,515KB)

 

ニュースレター

adobe pdf ニュースレターNo.12(PDF:2,144KB)

 

お問い合わせ先

林野庁 北海道森林管理局 釧路湿原森林環境保全ふれあいセンター 
電話:0154-44-0533
FAX:0154-41-7305

環境省 北海道地方環境事務所 釧路自然環境事務所
電話:0154-32-7500
FAX:0154-32-7575

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