2015年7月
2015年7月30日(木曜日)
相泊~観音岩巡視
今日は相泊から観音岩周辺までの巡視を行いました。
 相泊から進んで行くと昆布番屋では昆布が天日干しされていました。 足下に気をつけて山側か海側に寄って通りましょう。 羅臼の昆布漁は毎年7月20日前後の「かぎおろし」にはじまり、8月まで行われるそうです。
 昆布番屋の番犬が迎えてくれます。
 エゾノカワラマツバが沢山開花していました。
 イブキトラノオも斜面に広がっていました。
 ところどころに熊の糞も見られます。 ヒグマも多く生息していますので、相泊まりから「ちょっとそこまで」と 歩いて行かれる方も熊対策をお忘れなく。
 観音岩周辺の浜です。
 知床岬へ行こうとしていたパーティーと会いました。
 最後に頼もしい昆布番屋の番犬のハッピちゃんです。 疲れを癒やしてくれる毎回会うのが楽しみなワンちゃんです。
2015年7月26日(日曜日)
フレペの滝、カムイワッカ湯の滝、男の涙巡視
今日は、日曜日。 入り込み者の多そうな所を重点にし、巡視を行いました。
 まずはフレペの滝から。 フレペの滝遊歩道は、今月ヒグマの出没が多発しています。
もし歩道内でヒグマと遭遇する事があったら、走って逃げる行為は熊が追いかけてくる可能性があり逆効果です。むやみに動かず立ち止まりましょう。
 フレペの滝歩道脇には沢山のキオンが開花していました。
 展望台では、海外からの旅行客も多く、賑わっていました。
 フレペの滝は地表を流れる河川が海洋に流れ落ちるのではなく、 地中の浸透水が崖の中腹から染み出し海洋に流れ落ちる不思議な滝です。 流れ落ちる水量は多くなく、「乙女の涙」とも呼ばれています。
 男の涙の巡視では、外来種のアメリカオニアザミを確認しました。
 カムイワッカ湯の滝の巡視を行いました。 8月1日~25日、9月19日~23日はマイカー規制期間となり、自家用車やオートバイでの乗り入れはできません。 ただし、徒歩や自転車で行かれる方は通行が可能です。
 本日の一の滝の水温は32度でした。
 本日の毛虫「カシワマイマイ」です。 ハンノキの葉っぱにぶら下がっていました。散策の際は頭上にもご注意ください。
2015年7月25日(土曜日)
羅臼湖自然観察会
今日は根釧東部森林管理署による世界遺産10周年記念イベント「羅臼湖自然観察会」が行われ、GSSはガイドとして参加しました。
 まず羅臼湖入口では、倉田署長による挨拶と羅臼湖ルールについての説明を行いました。
 途中途中で、この時期に見られる植物のお話しをしながら、ゆっくり羅臼湖を目指していきます。
 三の沼ではエゾシカに遭遇。角の生え方を見ると、若いオスジカのようです。
 そしてこのオスジカ、なんと!立ち上がって、ダケカンバの葉っぱを一生懸命食べていました。
 リタイヤする方もなく、全員が羅臼湖へ到着することができました。 あいにくの霧で羅臼湖の全体が見えていませんでしたが、展望台ではのんびりと休憩をし、 おしゃべりに花が咲きました。
 季節外れの雪を間近に見られて、参加者の皆さんも喜んでいたようです。
 帰りも全員が無事に戻って来ることができました。 迎えに来たバスに乗って羅臼町市街地に戻ります。
 今回は、後半霧立ちこめる中での観察会となりましたが、羅臼湖の魅力や羅臼湖ルールを お伝えできるようにガイド役を努めさせていただきました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
2015年7月18日(土曜日)
羅臼湖植生保護のロープ設置
今日は羅臼湖歩道線にて、二の沼と三の沼周辺の雪が融けたので植生保護のためのロープを張ってきました。
 二の沼です。 植生保護のため、沼の中には立ち入らないようお願い致します。
 奥の方には雪の残る箇所が見られます。 この雪が残る部分は雪田群落と呼ばれここの雪がとけると春のお花が開花となります。 この調子だと、雪田群落の開花はお盆頃になるかもしれません。
 二の沼の手前には羅臼湖方面へ向かう道と二の沼を見るための木道へと分かれる分岐があります。 初めて来られる方は戸惑ってしまう様なので、道標を作ってみました。
 写真左・ロープ設置前写真右・ロープ設置後
 三の沼展望台周辺では3年前に撤去した旧木道の跡があります。 特に茶色い部分は植生回復中です。
湿原の植生回復には長い時間がかかります。 何年もかけて回復してきた場所が軽い気持ちの一歩で駄目になってしまう事があります。 写真撮影等は湿原に入らず展望台からお願いします。
 三の沼にも展望台へ向かう道と羅臼湖方面へと分かれる分岐があるのでここにも道標を設置しました。
 左・ロープ設置前写真右・ロープ設置後
今年の雪は去年より多かったのか、それとも6月の天気が悪かったのか、展望台の裏側を通る歩道部分は最後まで雪が残っていましたが、7月に入りようやく雪が融けルートが明快となりました。
 本日の三の沼からの眺め 静かな水面に羅臼岳が映り込んでいました。
2015年7月17日(金曜日)
硫黄山巡視
 今日は硫黄山巡視を行いました。
 歩道(登山道)入り口手前にはカムイワッカ湯の滝があります。 このカムイワッカ湯の滝から流れる酸性の強い温泉水が海に流れ込む時、硫黄成分と 海水が混じり合った所がマーブル模様となり、目を見張る美しさがあります。
 30分ほど登ると旧硫黄採掘地より硫黄山山頂が望むことができます。
 新噴火口に入った所からは、大きな岩場が続きます。 ガスがかかり視界不良な時は道迷いに注意しましょう。
 歩道沿いには道迷い防止のため、赤のマーカーでルートが印されています。 薄くなった部分を塗り直していきます。
 歩道沿いのハイマツに付いていた道迷い防止のための古いピンクテープを新しいものへ 付け替えていきます。
 高山植物も見られました。 左:コケモモ右:イソツツジ
 雪渓が残る歩道の硫黄沢。
 今日は「硫黄沢出合」までの巡視となりました。 迷い込み防止のロープが張られています。 視界不良な時にも目立つようにピンクテープを付けて注意を促します。
 今日の虫たちです。 今日は沢山の虫たちに出会いました。
2015年7月12日(日曜日)
今日は羅臼山岳会と合同で英嶺山の草刈りを行いました。
 入林箱のお色直しとともに設置位置を少し移動しました。 入山の際は入林簿の記載をお願い致します。 今日の作業は山頂から順次下りながら行うため、まずは山頂を目指します。
 今日の四ツ倉沼です。 風が全く無く、まわりの木々が綺麗に映り込んでいます。
 熊見台からは、湯ノ沢の集落と羅臼岳の山頂がよく見えました。
 歩道脇にはギンランが咲いていました。
 英嶺山山頂です。右手には根室海峡を望むことができます。
 山頂からは知床連山が一望できます。 羅臼山岳会の方は草刈り機を持ち、ここから作業開始です。
 私たちGSSは熊手を使って刈った草を集めていきます。
 歩道は笹が多く刈られた笹をかき集め、脇に寄せていきます。
 今日の毛虫。 体長2.7センチのマイマイガの幼虫です。
 歩道(登山道)入口付近ではクリンソウが見頃でした。 羅臼山岳会の皆さん、風も少ない猛暑のなか、草刈り作業お疲れ様でした!
2015年7月11日(土曜日)
ポンホロ沼、男の涙、カムイワッカ湯の滝への巡視
快晴となった知床。 今日は3箇所の巡視を行いました。
 まずはポンホロ沼へ。 今日は羅臼岳がお目見えとなりました。 この時期、少しずつ干上がっていく沼ですが、まだまだ半分以上の大きさがありました。
 沼の一角では沢山のオタマジャクシが群れていました。
 ポンホロ沼の水温を測ってみました。 今日は20度ありました。
 沼のほとりにどっしりと構えるミズナラの大木。
この木の周辺では大きい蜂の目撃情報が多いので、蜂の営巣などないかチェックをしました。
なお、今日は蜂の姿や巣などは確認できませんでしたが、巡視の際はこのチェックを欠かさないように していきます。
 ポンホロ沼へ向かう途中の涸れ沢。 流れる水は全くなく、文字通りの涸れ沢でした。
 次は男の涙へ巡視にきました。 海の浅いところがよく見えています。
 今日は知床半島の先端部までよく見えています。 海の青さがなんと眩しいことか。
 最後はカムイワッカ湯の滝の巡視です。
今日のような天気のいい日、カムイワッカ湯の滝は裸足で歩くのが絵になりますが、滑りやすい所もあるので、 滝の中の散策の際は底の柔らかいサンダルや靴下を着用したまま歩くことをおすすめします。
また、カムイワッカのお湯は酸性度がとても強いのでお湯に浸かったサンダルや靴下は帰ったら真水で良く洗う ことをお忘れなく!変色や金属部分の所は錆びたりする可能性があります。
本日の湯の温度は、気温が高いのが影響してか32度もありました。
2015年7月5日(日曜日)
羅臼岳安全祈願祭
 今日は羅臼岳の山開きです。
羅臼岳にはウトロ側の岩尾別口とラウス側の羅臼温泉口の2箇所の登り口があり、 今日は朝6時より両登山口にて安全祈願祭が執り行われます。
私たちGSSはラウス側の安全祈願祭に参加してきました。
 間欠泉横にもうけられた祭壇に関係者各位が並び山の神に祈りを捧げます。 GSSも山の恩恵に感謝し、みんなが安全に楽しめるよう祈りました。
  安全祈願祭終了後は先月から行っている「木隠れの滝」周辺の歩道修理に取りかかりました。 作業前。一部が折れ、板が腐ってしまっている状況です。
 腐った板は除去し、新しい板をはめ込みます。 また、下の空いた空間には石を敷き詰めて周りを固定していきます。
 完成です。 少しずつですが、このような整備をどんどん行っていきたいと思います。
2015年7月3日(金曜日)
羅臼岳(ラウス側)羅臼平~屏風岩の迷い込み防止ロープの設置
今日は羅臼山岳会、環境省と合同で羅臼岳の迷い込み防止のロープ張り作業を行いました。
 後光が差す知床連山 今日はウトロ側からラウス側へ向かう、長いルートの歩道整備です。
 まずは岩尾別の歩道入口(登山口)に集合し、資材等を手分けして持ち現場へいざ出発!
 しおれたアゲハチョウかなと思っていたら… エゾヒメギフチョウという種類のチョウチョがいました。
 突然、残雪が出現し正しい方向がわからなくなる箇所がありました。 足跡が間違った方向にもついていたので、スプレーで印をつけました。
 大沢の雪渓です。アイゼンを装着し羅臼平目指して登っていきます。
また、大沢の看板は雪の中でどこにあるのかわからない状況でした。 今年の雪は例年に比べると多いようです。
 雪の無い、日当たりの良さそうなところではメアカンキンバイが咲いていました。
 羅臼平からは岩清水から下る班とお花畑から回り込む2チームに分かれての作業です。 私たちGSSはお花畑からトラバースし、ロープを張りながら屏風岩をめざします。
また、遠くからロープが目立つようにピンクテープをロープに絡ませていきます。
 岩清水チームと無事合流することができました。 ここでロープを結び合わせて、ここでの作業は完了です。
なお、このロープは歩行のための補助ロープではありません。
道迷い防止ロープとして設置していますので、登坂の際に頼りにして引っ張ってしまうと切れて大変危険です。 ラウス側のルートを通行の際はアイゼンやピッケルを携行し通行してください。
羅臼平の下部にあるお花畑はハイマツが少し出ている所もありましたが、ほとんどは雪渓であり、 お花の季節はまだまだのようです。
 屏風岩まで降りてきました。 かなりの急勾配です。 あいにく転んでしまいましたが、二度と転ばぬよう、ゆっくり進みます。
 屏風岩でも、迷い込み防止ロープを設置します。 過去にはこの屏風岩の分岐地点での遭難事故が発生しています。
まっすぐ下ってしまわないようにロープを張り、ピンクテープで印をつけていきます。 この辺りで傾斜が緩くなったのでアイゼンは外して下っていきます。
 泊場から下は渡渉する箇所があり、ルートが不明瞭の所でもあります。 経年劣化によって矢印の色が薄くなっている所は上から書き直しました。
 作業もほとんど終了し、あとは下るのみとなりました。 疲労が出始めた体に満開の桜が出現! 元気よく咲く桜に力をもらいました。
 スズラン峠より山頂部分を望む 今日歩いてきたところがよく見えました。 年によっては万年雪となる時もあります。 今年の雪渓はいつ頃融けるのでしょうか?
 とても太い倒木がありました。 みんなで協力し、力を合わせて除去する事ができました。
 作業も予定通りに終わらせ羅臼温泉口に下山となりました。 新しくなった入林箱に下山時刻を記帳し本日の行程、無事完了です。
2015年7月2日(木曜日)
羅臼湖「三の沼」展望台設置
今日は羅臼湖「三の沼展望台」の設置作業を行いました。
 展望台設置前の周辺の様子。
 昨年度、知床横断道路の冬期通行止め前に撤去していた展望台を運びます。
 組み立て作業中。
 工具を使い設置していきます。
 二段の階段を付け完成です。
 設置完了です。 晴れた日には、展望台から逆さ羅臼岳を綺麗に撮影することができます。
 天気がだんだん良くなり知床峠付近から国後島と綺麗な虹が見られました。
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