2011年5月
2011年5月31日
鏡沼

今年は各地で雪解けが遅れているようですが、ニセコ山系は例年に比べ1週間程遅れているように思います。
ここ鏡沼へ向かう歩道には、まだ多くの雪が残っており歩きづらくなっています。今日は鏡沼の巡視です。
 雪解け直後の歩道上には、冬に落ちた枯枝がたくさんあります。 ここ鏡沼にはダケカンバの枯れた枝が多く落ちていました。早速、動かせる長さに切り除去しました。
 途中にある沢には雪解け水が勢いよく流れています。
 看板が見えました。今年も何とか無事だったようです。

湿原に到着。褐色に覆われた湿原にはまだ生き物の活動は見られません。この湿原がこれからたくさんの植物達で彩られていきます(^^)
 沼面には残雪に覆われたニセコアンヌプリが映っています。この残雪を目当てにニセコアンヌプリを直登するスキーヤーの姿などを目にします。
 湿原にはまだ植物に活動の気配はほとんどありませんでしたが、ヤマドリゼンマイが生え始めていました。
 次回この沼を訪れるころには歩道の雪解けも進んでいるでしょう。
2011年5月30日
徳舜瞥山

 ここは徳舜瞥山登山口です。今日は入林箱の設置にやってきました。 昨年、入林箱用に設置した支柱は雪にも負けずしっかりとしていました。
今年はその上に箱を載せるだけなので簡単に設置完了。 看板まわりの邪魔な笹を刈り、案内板も見え易くなりました。それでは徳舜瞥山へパトロールに出発!
 出発してすぐに異変が…。鉄砲水によるものだと思われますが、かなり地面がえぐれています! もともと水が通る場所だったのですが、大きな石がゴロゴロしてかなり歩きづらいです。
昨年、撮った写真と比べると石の大きさが変わっています。注意して歩行してください。
 歩行に支障のある流木を運びやすい長さに切って脇に寄せていきます。


今度は危険箇所に設置してあるロープが緩んでいたので、早速、張り直します。
雪解け直後のこの時期はこういう作業が多いです。

この木に「君 歩くの遅いね」と言われそうです。

行者にんにく発見!まだまだか細いです。

【コミヤマカタバミ】

【ヒメイチゲ】 6合目付近、コミヤマカタバミ・ヒメイチゲが咲いていました。
コミヤマカタバミはまだ咲いたばかりでしたが、ヒメイチゲはたくさん咲いていましたよ。

丸太の上を渡りたかったのですが、腐っていたので止めました。本当ですって。

ここは6合目です。木の根が自然に出来た階段のようです。

歩いていると歩道脇にツルリンドウの実が?でも待てよ…。 ツルリンドウの実が生る時期はまだまだ先なはず…。
まだ雪も解けきっていないこの気温で、花が咲いて実が生ったの?なんだか不思議な実です(゜゜)

木々に行く手を阻まれています。残雪の踏み抜きには注意してください。

徳舜瞥山山頂です。今日はどんよりとした雲が多く景色が良くありませんでした。 天気が良ければここから、羊蹄山・無意根山や支笏湖・洞爺湖・太平洋などを見渡すことができます。
ここまでたくさんの景色を一変に味わえる山は早々ないので、快晴の日に是非、登山にチャレンジしてみては?

お隣に見えるのはホロホロ山山頂です。
片道30分程度の道のりなので、立ち寄る方も多いようです。

ミヤマキンバイがもうすぐ咲きそうです。咲きかけを一輪発見しました。
ここもだんだんと初夏らしくなってきました(^^)
2011年5月29日
神仙沼

本日は、神仙沼にやってきました。まだ山開き前だったので駐車場のトイレも閉鎖されたままです。


駐車スペースは確保されていますが、木道はほとんど雪の下でした。雪上を歩く装備をお忘れなく。
木道が雪に埋まっているために道迷いをおこしやすので、目印にピンクテープを付けているところです。
沼まではこのピンクテープを目印に進んでください。

木道に溜まった水を抜いています。

湿原の多くは雪解け水や氷に覆われていましたが、ミズバショウが咲き始めていました。
神仙沼にはこれから遅い春が訪れます。

里ではサクラも咲こうと云うのに、ここニセコ山系はまだまだ白い世界です。


まだ雪氷が残る池塘の中にカエルのタマゴを発見。湿原の生き物たちの活動が始まろうとしています。
神仙沼にお越しの際は、温かい服装でいらしてくださいね。
2011年5月28日
北限巡回及びニセコ林道看板取り付け

今シーズン初めて大平山・狩場山方面の巡回に来ました。
狩場山・賀老の滝へ向かう賀老林道は5月28日現在、千走川温泉の先の橋より残雪のため通行止めとなっています。
開通時期などは島牧村役場にお問い合わせください。

次に大平山へ向かいます。大平山登山口まで通行することはできますが、登山はもう少し雪が融けてからのほうが安全です。

柱の傷はおととしの~、よりも前のものだそうです。


午後からは、ワイスホルン麓にあるニセコ林道に看板を付ける作業にあたりました。
今年からニセコ林道は事前の申請があれば通行できるようになりました。
希望者は後志森林管理署に申請をお願いいたします。
2011年5月27日
歌才ブナ林

歌才ブナ林にやってきました。今日は林内に設置してある看板の補修などの作業を行います。
流域管理調整官の指導のもと作業を行います。


国有林入口にある大きな看板。支柱の根元が腐食してきているため、腐食防止のため銅板を巻き付けたいと思います。

銅板を巻き付け釘で固定して完成。これで効果があるといいのですが。

次の修復箇所です。片方の支柱が倒れているので鉄杭で固定します。



鉄杭をカケヤで打ち、打った鉄杭に支柱を固定し完成。
この日の作業中もブヨがたくさん寄ってきたので、入林する際は虫除けを持参したほうが賢明。
歌才ブナ林の駐車場に帰ってまいりました。
2011年5月24日
室蘭岳

今日のパトロール地、室蘭岳にやってきました。 麓には、だんパラスキー場と室蘭高原自由広場があり、キャンプ場は無料で利用できます。 今日は3つあるルートのうち、登りが南尾根コース、下りは西尾根コースをパトロールします。
 祠が見えてきました。水の神様が祭られています。
 この時期、いろいろな場所でエンレイソウを観察できますが、エンレイソウには変種も多く一見して判別するのが難しいものもあり、子房の色や花弁・がく片の長さなどで区別します。このエンレイソウはエゾミヤマエンレイソウかな?
 一番目についたのがこの植物、フッキソウです。歩道脇にたくさん咲いていました。
 山頂に到着しました。生憎の視界ではありましたが、お姉さま方が昼食を摂られておりました。
 山頂の地面でなにやらチョンチョンと動き回っている鳥がいました。
この薄い緑と黄色が印象的な鳥は、警戒心が薄いようで2mほどに近付いても逃げませんでした。 帰って調べたところスズメ目ホオジロ科の「アオジ」の雄のようです。
 下山ルートに選んだ西尾根コースの稜線にはまだ残雪がありました。 昨年の同時期には雪はなかったので、すこし雪解けが遅れているようです。
 何だこれは!(゜д゜)小さいキャベツみたいなつぼみ・・・。実はこれシラネアオイのつぼみです。 いつも綺麗に咲いたものしか見たことがなかったので、ちょっとびっくりしました。

西尾根コースの終盤、小さい沢を横切ります。夏の暑い日には憩いの場所になります。
 むむ。何の変哲も無い切り株と思いきや、逆さから見ると・・・。
 静かな森の中、良く響く鳴き声が聞こえるなと思ったら、近くにまた野鳥がいるではありませんか!
ちょっと画像は良くないですが、目の上に白い模様がついている個性的な鳥だ・・・。
調べたところスズメ目ツグミ科の「マミジロ」の雄と思われます。この鳥も比較的容易に観察できる鳥みたいです。 野鳥の撮影は難しいですね。(^^)
 登山口の白鳥ヒュッテに到着。室蘭岳は地元の山岳会が中心となり、登山道などよく整備されているようです。
ゴミもほとんど落ちてないのは、登山者のみなさんの意識も高いのだと思います。
これから山菜の季節に入り入林者も増えてきます。
「自分のゴミは持ち帰る」という意識が山をきれいにし、楽しい登山を楽しむためにも重要な事だと思います。
2011年5月23日
黒松内岳

黒松内岳は標高739.8m、標高差570mと初心者にも登りやすい山です。
8~9合目付近には急斜面のロープ場があり、ほどよい達成感も味わえる山です。
天気が良ければニセコ連邦・羊蹄山・大平山を望むことができます。
今日はここ黒松内岳のパトロールです。では早速出発!!
 急な登山道の脇にノウゴウイチゴの花が咲いていました。夏には可愛らしい赤い実をつけます(^^)

黒松内といえばブナ。登山道の脇にはブナが生い茂っています。
1~5合目付近まで急な道が続くので、最初はスローペースでじっくりと登ってゆきます。
 途中、登山道脇に歩道のような刈り払い跡が・・・。間違って入らないようにピンクテープで通路を塞ぎました。
普段登り慣れた山でも、ガスなどで視界が悪いときには誤って道迷いを起こしやすいものです。
視界が悪い状態で「何か違う」と違和感を持ったときなどは、めんどくさがらずに来た道を引き返したほうが無難です。
 相方があんなに遠くに・・・。置いていかれないよう必死です。
 草、食べてるんですか?。
 【シラネアオイ】
 【エゾイチゲ】

【キクザキイチゲ】

【カタクリ】

【フギレオオバキスミレ】 だんだんとガスがかかって天候が悪くなってきましたが、歩道脇の高山植物が目を楽しませてくれます。
シラネアオイ・エゾイチゲ・キクザキイチゲ・カタクリ、そして早くもフギレオオバキスミレが咲き始めていました。
 9合目付近から頂上にかけてはまだ雪が残っていました。 この日は天候が悪かったせいか入林者はいませんでした。
2011年5月22日
有珠山

今日は有珠山のパトロールです。太平洋側の伊達市北有珠にある登山口からスタートします。
高速道路(道央道)の脇に駐車場があるのでここを利用してください。簡易トイレも設置してあります。
有珠山は火口周辺より頂上までは立入禁止となっているため、火口の周りを散策できる外輪山までのパトロールです。 雨は降っていませんが、どんよりした雲が覆って気温もそれほど高くありません。でも入林されている方は多いようです。
 「待ってくれよぉー」
 クルマバソウはアカネ科の多年草です。この季節、登山口周辺に咲いています。
 歩道脇に枯れて折れそうな木が・・・。
歩道脇にある危険木などは、強風などで倒れると歩行者がケガをする原因にもなるので、状況に合わせて除去しています。
 エンレイソウ。この花も、この時期いろいろな場所でよく見かけます。
地味な色ですが仲間に白い花をつけるシロバナエンレイソウやオオバナノエンレイソウなどがあります。
 ロープが切れて弛んでいる! 持参していたトラロープで早速補修。
 エゾハルゼミの抜け殻発見。でも鳴き声は聞こえてこない・・・。
気温が低く天候が悪いので元気がないのかな?
エゾハルゼミはお日様が出てくると元気になってよく鳴き出します(^^)
 外輪山到着!ここからは火口を見渡すことができ、岩肌がむき出しの活火山らしい姿を見ることができます。
 眼下には、有珠の町と噴火湾が見えます。あっ、こんなところにお地蔵様がいらっしゃいました。


有珠山には昭和新山側からロープウェイが通っており、気軽に有珠山の外輪山まで足を運ぶことができます。
ロープウェイの頂上から外輪山の方面へ下る階段があり、昨年、夏の大雨よって階段下付近の一部が土砂で埋没しています。
歩行に支障はありませんが大雨警報などが出されたときは、ロープウェイ山頂のゲートを閉鎖する場合があるので注意してください。

ビギナーの方もエキスパートの方も、入山の心得を守り、気持ちよく登山道を利用したいですね。
2011年5月21日
歌才ブナ林
ニセコ山地及びブナ北限地帯のグリーンサポートスタッフ(GSS)を担当することになりました筒井と小田島です。 このブログ上ではGSSの活動内容はもちろん、その季節ごとの風景や動植物などの画像も掲載してゆく予定です。
今年は国連が定めた国際森林年ということもあり、このブログを通して少しでもたくさんの方々にニセコ山系・ブナ北限地域の自然の魅力やGSSの活動内容を伝えていけたらと思っています。
 早速、今シーズン初の巡視業務です。この日は、黒松内町にある「歌才ブナ林」のパトロールに行ってきました。
ここは天然ブナ林の北限とされ天然記念物に指定されています。
 ブナの新緑が眩しい森の中をパトロールする筒井GSS。ん~気持ちが良いですね!
 この時期、雪が解けたばかりの歩道は、ぬかるみが多く足元が泥まみれになるのは必至! 長靴などの用意を。
 【オオバナノエンレイソウ】

【ヒトリシズカ】 カタクリやキクザキイチゲが枯れ始め、次に待っていた花たちが咲いていました。オオバナノエンレイソウ・ヒトリシズカ。
 見上げると背の高いブナの木が、たくさんひしめきあっています。
 【シラネアオイ】

【オオカメノキ】

【ニリンソウ】 またまた花たちが咲いています。シラネアオイ・オオカメノキ・ニリンソウ。 この時はニリンソウが満開でした。
ニリンソウは名前のとおり、上のほうから2つ花が出ることが多いのでついた名前のようですが、よく観察すると花が3つ付いているものあります。

この日は入林者も多く、出会った方々はよくこの森を利用されているのか、虫除け対策をしっかりとされていました。この時期、ここの森はブヨが多いので虫除けスプレーなどを持参したほうが無難。
 透き通るようなグリーンが鮮やかなブナの若葉(^^)
 「やっほー」と、声が聞こえてきませんか?
 歌才ブナ林の駐車場です。花見の時期には、まだ、少し早かったみたいです。
 終点です。お疲れ様でした。 ここでお知らせがあります。今回、2011年国際森林年の企画として写真展を開催します。
北限のブナ林の魅力を写真で表現してみませんか。たくさんの応募をお待ちしております 詳しくは、後志森林管理署ホームページをご覧ください。
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