森に入られる方々へ~ヒグマの被害に遭わないために~
令和3年7月13日
林野庁北海道森林管理局
森林内に入林・入山でのヒグマとの遭遇事故が多発している傾向にあります。
森林散策、調査・伐採等事業に入られる方は、以下の点に注意を頂き、事故にくれぐれも遭わぬようご注意願います。
●入林・入山する前に情報収集をしましょう
北海道、市町村などの関係行政機関等で出されるヒグマに関する情報を活用しましょう。
* 北海道ホームページ(ヒグマに注意)
* 市町村のヒグマ関連情報の北海道ホームページ(ヒグマ出没情報)
* 環境省ホームページ:野生鳥獣の各種情報(クマに注意!-思わぬ事故をさけよう-)
● 生態や食性、地域毎の個体の特性を知りましょう
ヒグマの生態や行動、食性をよく知ると共に、環境や経験によって学習し、個体によってその個性が異なるため、地域毎の個体の特性についても把握しておきましょう。
● 薄暗いときには行動しない
・特にヒグマの活動が活発になるのは早朝や夕方です。ヒグマが人に気づきにくい濃霧や降雨の時にも注意が必要です。
● 食べ物、ゴミの管理をしっかり行いましょう
・「危険なヒグマ」を作らないためにも、「人為的な食べ物の味をおぼえさせない」ことが大切です。
・弁当の残りや空き缶、ペットボトル、ガムや飴などを捨てると、ヒグマがにおいを嗅ぎ当て食べたり飲んだりすることで、ヒグマはおいしい食べ物などとヒトを関連付けて覚えてしまい、逆にヒトに接近するようになってしまうことがあります。
● ヒグマの痕跡に注意しましょう
・「糞」、「食痕」、「足跡」、「爪痕」、「クマ道」などのヒグマの痕跡・存在に常に気を配り、ヒグマの姿や生々しい痕跡を見つけたら、避難すると共に警察署、役場等へ連絡しましょう。
● 自分の存在をヒグマに知らせましょう
・ヒグマは警戒心が強く、基本的にはヒトとの遭遇を避けます。従って、鈴やホイッスルなどで自分の存在を知らせることによって、ヒグマが気づいて立ち去ってくれます。また、同僚と大きな声で話す行為もヒトの存在を知らせるためには効果的です。
・音を鳴らすことは、ヒトの存在を知らせるためであって威嚇ではありません。従って、爆竹などの爆音は、近くに潜んだヒグマを驚かせ、逆に飛び出してくる可能性もあります。
・沢筋などでは、鈴の音などがヒグマの耳に届かない場合がありますので、ホイッスルなどアピールの度合いを変えることも必要です。
● 複数で行動しましょう
・複数で行動すれば自然に騒がしくなりやすく、ヒグマとのバッタリ遭遇は少なくできます。また、仮に出遭ったとしても、単独行動と比べ、心理的にも物理的にも有利であるとともに、ヒグマも4人以上の集団に攻撃を仕掛けることは非常にまれです。
● エゾシカの死骸からは速やかに退避しましょう
・ヒグマは、一度に食べきれないシカなど大型動物の死骸を見つけると、土や草、雪などをかけて一時的に保存する習性を持ち、その近隣に潜んでいる場合があります。ヒグマが一度手に入れたシカの死骸への執着と独占欲は高く、ヒトが接近すると横取りされると勘違いして攻撃することがあります。
● その他
森には、ヒグマの他、様々な危険となるものがありますので、あわせて以下の点にもご注意願います。
*ダニ(マダニ類)による刺咬(しこう)に注意しましょう。
- 森林内等の作業におけるダニ刺咬予防対策(林野庁HP)
- マダニ対策、今できること (国立感染症研究所HP)
- ダニ媒介脳炎について(厚生労働省HP)
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省HP)
* 「蜂(スズメバチ)」に刺されないように注意しましょう。
* 強い毒性を持つ「マムシ」に注意しましょう。
* 有毒な植物(ツタウルシ、トリカブト、スズラン等)に注意しましょう。
* キツネからのエキノコックス感染に注意しましょう。
森には、その他、様々な危険因子がありますので、それぞれに注意をもって入林・入山をしましょう。
お問合せ先
計画保全部 保全課
ダイヤルイン:050-3160-6286