千軒岳(せんげんだけ)生物群集保護林
1.設定目的
北海道最南端の高山帯である千軒岳に見られる地域固有の生物群集を有する森林を保護・管理することにより、森林生態系からなる自然環境の維持、野生生物・遺伝資源の保護、森林施業・管理技術の発展、学術の研究等に資することを目的とする。
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【左上】 保護林の遠景 【右上】 千軒岳の山容 【左下】 歩道沿いに生息する若木 |
2.設定の経緯
- 北海道最南端の高山帯において、高山性植生と低山性植生が雪田に混生状態で見られ、地域の自然を代表するものとして保護を図ることを目的として、昭和12(1937)3月31日に「千軒岳植物群落保護林」に設定された。
- 平成30(2018)年4月1日の保護林再編において、「生物群集保護林」として設定された。
参考
大千軒岳自然環境保全地域(北海道、昭和51(1976)年5月21日指定、平成16(2004)年3月12日(拡張))に隣接する。
3.所在地 (関係森林管理署)
- 松前郡 福島町 (檜山森林管理署)
4.面積
958.05 ha
5.位置図

6.現況
【植生現況】
- 高山帯において、高山性植生と低山性植生が雪田に混生状態で見られる。
- 尾根筋に見られる植物群落のうち、トウゲブキ優占群落では、トウゲブキ、ゼンテイカ、モイワシャジン、ノウゴウイチゴ、タカネショウジョウスゲ、タカネノガリヤスのほか、チシマフウロ、エゾノハクサンイチゲなどが少数見られる。
- ミヤマキンバイ優占群落では、ミヤマキンバイ、タカネオミナエシ、オノエスゲ、シラネニンジン、モイワシャジン、ネバリノギランのほか、コケモモ、ウメバチソウ、ミヤマホツツジなどが少数見られる。
- ミヤマヤナギ優占群落では、ミヤマヤナギ、ミヤマキンバイ、エゾノハクサンイチゲのほか、コケモモ、ミヤマキヌタソウ、ダイモンジソウなどが少数見られる。
- コケモモ優占群落では、コケモモ、クロマメノキ、エゾノハクサンシャクナゲ、ミヤマキンバイのほか、モイワジシャン、ダケカンバなどが少数見られる。
- チシマザサ優占群落では、チシマザサのほか、ミヤマワラビ、ヒメゴヨウイチゴが少数見られる。
7.法指定等
水源かん養保安林、保健保安林
8.取り扱い方針
(1) 地帯区分は、当面の間、全域保存地区とし、原則として人手を加えずに自然の推移に委ねることとする。
(2) 保護林内に設置される管理歩道については、適宜巡視等を実施し、適正な利用の啓発及び植生荒廃等の拡大防止に努め
る。
(3) 必要に応じて行うことができる行為
ア 学術の研究、自然観察教育、遺伝資源の利用その他公益上の事由により必要と認められる行為
イ 山火事の消火、大規模な林地崩壊・地すべり・噴火等の災害復旧及びこれらに係る予防的措置等、非常災害に際して必要
と認められる行為。
ウ 鳥獣・病害虫被害及び移入種対策として必要と認められる行為
エ 学術の研究、自然観察教育等のための軽微な施設の設置
オ 保全利用地区等における枯損木及び被害木の伐倒・搬出
カ 標識類の設置等
キ その他法令等の規定に基づき行うべき行為
お問合せ先
計画保全部計画課ダイヤルイン:050-3160-6283