登別(のぼりべつ)ミズナラ希少個体群保護林
1.設定目的
登別地区に見られる原生的な冷温帯性広葉樹天然林を構成するミズナラを主体とする広葉樹の生育に必要な森林を保護・管理することにより、当該野生生物個体群の持続性を向上させ、野生生物の保護、遺伝資源の保護、学術の研究等に資することを目的とする。
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【左上】 保護林の遠景。この保護林は天然記念物に指定されている。 【右上】 登別温泉の「地獄谷」近くにある「日和山」。 【左下】 歩道の縁に咲くエゾリンドウ。 |
2.保護対象
ミズナラを主体とする広葉樹(遺伝資源の保護を目的とする個体群)
3.設定の経緯
- 昭和63(1988)年11月5日に、「登別植物群落保護林」として設定された。
- 平成30(2018)年4月1日の保護林再編の中で、「登別ミズナラ希少個体群保護林」として設定された。
- ※大正13(1924)年12月9日に「登別原始林」として国指定天然記念物に指定された。
4.所在地 (関係森林管理署)
- 登別市 (後志森林管理署)
5.面積
185.87 ha
6.位置図

7.現況
【植生現況】
- 高木層は、ミズナラを主体にホオノキ、シナノキなど広葉樹で占められ、樹高15~19m、胸高直径20~40cm程度である。
- 亜高木層は、ナナカマド、シナノキ、ホオノキ、コシアブラ、ニガキ、ウアマウルシなど、低木層にはアオダモやオオカメノキ、コヨウラクツツジなどが見られる。
- 林床はクマイザサが優占するが、ササ密度の低い場所ではアオダモ、シナノキ、ミズナラ、ハウチワカエデ、コシアブラ、イチイなどの稚樹が見られほか、シラネワラビ、ナライシダ、シシガシラ、シノブカグマなどのシダ類、タニギキョウ、ミミコウモリ、マムシグサ、ミヤマキヌタソウなどが見られる。
8.法指定等
水源かん養保安林、国指定史跡名勝天然記念物、都市計画区域、国立公園特別保護地区、国立公園第1種特別地域、国立公園第3種特別地域(支笏洞爺国立公園)
9.取り扱い方針
(1) 基本的に人為を加えず、自然推移に委ねるものとする
(2) 個体群の状況に応じた取扱い
ア 目的とする個体群の保護・増殖に必要な森林施業は可能とする
イ 一時的な裸地の出現等、遷移過程におけるかく乱が対象個体群の持続的な生育・生息に不可欠な場合には、必要な森林
施業を行うことにより、人為による環境創出等を行うことができる
(3) 必要に応じて行うことができる行為
ア 学術の研究、自然観察教育、遺伝資源の利用その他公益上の事由により必要と認められる行為
イ 山火事の消火、大規模な林地崩壊・地すべり・噴火等の災害復旧及びこれらに係る予防的措置等、非常災害に際して必要
と認められる行為
ウ 鳥獣・病害虫被害及び移入種対策として必要と認められる行為
エ 学術の研究、自然観察教育等のための軽微な施設の設置
オ 標識類の設置等
カ その他法令等の規定に基づき行うべき行為
お問合せ先
計画保全部計画課ダイヤルイン:050-3160-6283