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林野庁

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特集2 新型コロナウイルス感染症による林業・木材産業への影響と対応

1.新型コロナウイルス感染症の影響

(1)我が国の経済・社会への影響

➢ 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、我が国の経済・社会に多大な影響


(2)木材需給動向及び木材産業への影響

➢ 2020年1~3月の中国向け丸太輸出が急減したが、4月以降は回復し、その後堅調に推移

➢ 2020年の新設住宅着工戸数は、前年比1割減の82万戸、うち木造住宅は47万戸

➢ 製材・合板製造業においては、住宅建設着工の遅れや受注減等により、4月時点で製材工場の4割、合板工場の6割において減産を実施
 製材品、合板出荷量及び製材・合板工場における素材入荷量は、7、8月を底にして、その後は徐々に回復傾向だが、梱包材需要が低迷している北海道では回復が遅れるなど地域差あり


(3)林業の状況

➢ 2020年1~3月頃に、中国向け丸太輸出が停滞した影響で、輸出が盛んな九州を始めとして丸太が港や貯木場に滞留、素材生産に影響

➢ 4月以降は、製材・合板工場の減産による原木入荷制限のため、素材生産を縮小。支援措置も活用し、雇用維持のため原木生産を伴わない森林整備へ労働の軸足を移す動き

➢ スギ中丸太価格は、2020年の木材需要の減少に伴い下落し、6月に前年同月比1割減

➢ その後、令和2年7月豪雨や、素材の生産調整による原木不足、秋以降の日本向け北米材や欧州材の供給量縮小等の影響により、スギ中丸太価格は一部地域で上昇

➢ 特用林産物においては、学校給食や飲食店で提供されていたきのこ類等の需要が減少
 一方、きのこ類の東京都中央卸売市場の平均卸売価格は、2020年3月以降概ね平年並みで推移するなど、需要全体は堅調


2.林業・木材産業における対応

(1)感染症の影響に対する行政の対応

➢ 林野庁は、このような状況を受け、2020年度の補正予算等により林業者・木材産業事業者の業務継続及び影響緩和に向けた各般の措置を実施

➢ 中央及び地区別で需給情報連絡協議会を開催し、川上から川下までの関係者による現状認識・情報の共有を行うとともに、各種支援策を周知

林業・木材産業関係の主な対策

(2)ウィズコロナ下での事業展開の可能性

➢ 新型コロナ感染症に対応した事業展開を模索する動き

➢ 木材を活用した飛沫対策の仕切り板等の製品が開発

➢ リモート会議による販売促進やウェブ入札システム等のオンライン利用が進展する可能性

➢ 森林の多い地域では、テレワーク拠点施設を整備

➢ 林業が地方移住時の受け皿となる可能性。2020年の「森林の仕事ガイダンス」には、 大都市圏及びオンライン開催において、昨年度を上回る2,744名の相談者

(3)今後の対応に向けて

➢ 全国森林組合連合会の調査では、2020年1月以降、売上が減少したとする林業経営体は7割にのぼるが、各種支援策の活用等で98%が解雇等を行っていないとの回答で、工夫しながら雇用を維持している状況

➢ 新型コロナ感染症の流行は収束しておらず、木材需給の先行きも不透明であり、林野庁は引き続き各地域の状況を注視し、都道府県とも連携しながら地域の状況に応じ必要な対応を実施



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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