米代東部の国有林
米代東部の国有林
国有林の現況
米代東部森林管理署は、秋田県北東部の米代川流域(米代川森林計画区)のうち、青森県境の白神山地東端から十和田湖を経て岩手県境の八幡平にいたる3市1町の国有林、約101千ha を管理しています。
スギなどの人工林の比率は5割、ブナ、ミズナラなどからなる天然林が4割を占めています。この地域では江戸時代から優良な天然秋田スギなど豊富な森林資源を背景に木材産業が発達してきました。
森林の取扱い
国有林では、森林の役割に応じて「水源涵養」「山地災害防止」「自然維持」「森林空間利用」「快適環境形成」の5つの機能タイプに分け、 森林の管理・経営を行っています。
水源涵養タイプ
米代川の支流には洪水調節や利水のため、早口ダム(早口川)、山瀬ダム(岩瀬川)、砂子沢ダム(砂子沢)があり、国有林はこれらの水源林となっています。
生活用水や農業用水を供給する「水源」を確保するため、国有林の9割が「水源かん養保安林」に指定されています。
草や木の根が発達した健康な森林に誘導・維持するため、間伐などを行っています。
早口川源流(大館市) 砂子沢ダム(小坂町)
山地災害防止タイプ
十和田湖や八幡平周辺など火山性の地質による泥流・地すべり災害、山間部での集中豪雨による土砂災害の危険があります。
地域住民の安全を確保するため、治山工事や森林の整備を行っています。
また明治時代から旧小坂鉱山の煙害で荒廃した山林の緑化に取り組んだ歴史もあります。
澄川地すべり災害の記録(平成9年5月10日、鹿角市八幡平)(PDF : 8,761KB)
八幡平ふるさと森林づくり植樹祭(平成22年、鹿角市八幡平)(PDF : 3,602KB)
よみがえった森林(小坂鉱山煙害地復旧の記録、大館市・小坂町)(PDF : 4,723KB)
作沢ノ沢谷止工(鹿角市)
森林空間利用タイプ
十和田八幡平国立公園や田代岳県立自然公園など、森林、湖沼、温泉など豊かな自然を背景とした観光資源にも恵まれ、四季を通じて大勢の皆さんが訪れます。
国有林では優れた景観を有し、森林浴や自然観察、野外スポーツに適した森林を「レクリエーションの森」に指定しています。
また森林ボランティア、企業の社会貢献、環境教育の場などとして、国有林が利用されています。
秋田八幡平スキー場(鹿角市) ふれあいの森「テロロの森」(大館市)
レクリエーションの森......レクリエーションの森一覧(PDF : 68KB)
ふれあいの森「テロロの森」...森林づくりに参加したい、地球環境の保全に貢献したいといった声にお応えして、ボランティア活動のフィールドを提供しています。
木の文化を支える森づくり...伝統工芸「大館曲げわっぱ」の材料を確保するため高齢スギ人工林を育成しています。「曲げわっぱの森」(PDF : 46KB)
森林環境教育..........大湯小学校(鹿角市)と遊々の森「遊学の森」の協定を平成15年に締結、また鷹巣南小学校(北秋田市)の育林教室は60年以上の伝統があります。
自然維持タイプ
生物多様性の維持なども国有林の重要な仕事です。
原生的な自然環境の保全や野生動植物の移動経路などを確保するため、白神山地から奥羽山脈から至る延長約70km、面積13千haに「緑の回廊」(白神八甲田、八幡平太平山、奥羽山脈)を設定しています。
また貴重な植物群落や林木の遺伝資源を保護林に指定し、モニタリング調査などを行っています。
八幡平生物群集保護林(鹿角市)
お問合せ先
米代東部森林管理署〒017-0031秋田県大館市上代野字中岱3-23
TEL:0186-50-6130