ホーム > 政策情報 > 事業概要 > フォレスター等の育成について > 2012 研修実施状況 > 2012 准フォレ研修日誌2-1
平成24年度准フォレスター研修日誌2(1)1(1) 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 准フォレスター研修2の第1回が始まりました~1日目(平成24年8月6日)本日から、東北ブロックの准フォレスター研修2の第1回が岩手県盛岡市の「ホテルエース盛岡」において始まりました。
研修生は、准フォレスター研修1を受講した福島県を除く東北5県の林業普及指導員等24名、森林管理署の流域管理調整官等5名、合計29名が参加しています。研修生は、4日間の日程で講義演習等の研修を受講します。 オリエンテーション講師、スタッフ紹介、研修の目標の共有等のあと、班内で事前アンケートの共有を行いました。
研修進行:近藤プロセスマネージャー 研修の目標を共有
班内での事前アンケート共有の様子
研修1のふり返りパワーポイントで研修1の講義演習等を思い出しました。
講師:林野庁 小原政策情報分析官
フォレスターの役割の再確認と研修2の全体像研修生は、研修1で学んだフォレスターの役割である「構想作成」、「合意形成」、「構想実現」について再確認するとともに、研修2では森林林業を地域の振興につなげるビジョンを構築できる能力及びプレゼン能力と合意形成能力を習得することが目標であることを理解しました。
森林資源循環利用構想策定演習(林業専用道の検討)(講義)本講義演習のねらいは、現地実習に先立ち、1,000ha程度の団地を対象として、市町村森林整備計画を念頭に、間伐の計画と林業専用道の整備計画を大局的に検討することです。
講義により、林内路網の体系及び林業専用道の役割と特徴、作業システムと路網の関係等について情報を再確認しました。
森林資源循環利用構想策定演習(演習対象地域の概要と演習手順の説明)本演習では、 研修1で学んだ森づくりの考え方、計画制度、路網作業システムと効率的な路網等についての情報を再確認した上で、間伐適期の人工林が太宗を占める1,000ha程度の団地を対象に、間伐の年次計画と林業専用道の配置を班毎に検討します。
演習地の地形地質、気象及びアクセス条件等の説明
講師:東北森林管理局 細田企画官
演習手順の説明
森林資源循環利用構想策定演習(間伐の年次計画林業専用道の整備計画の検討)明日の現地実習の前に、机上で林業専用道配置等の検討図化及び問題点等を整理し、現地確認する箇所を決定します。
研修2日目(平成24年8月7日)森林資源循環利用構想策定実習(地形、地質、林況、既存の路網等現地条件の確認)岩手県盛岡市姫神岳国有林において、森林資源循環利用構想策定の実習を行いました。 本実習のねらいは、机上演習で林業専用道の配置を検討した1,000ha程度の団地を対象地として、現地条件に応じて、地形の遠望、地質及び水系の確認、周辺の土地利用における社会条件等を観察、確認し、現地調査の方法及びポイントを習得することです。
日程説明 石山研修運営委員の紹介
確認ポイント等の説明
研修生は、1000ha程度の対象地において、徒歩やバス移動しながら、(ア) 地形の遠望、(イ) 地質土質、林況、水系の状況、(ウ) 既設の公道林内路網の状況等、対象地の林業ビジョンを描くにあたり参考となる情報を実際に確認しました。また、土場や森林作業道の取付位置などを検討しました。
森林資源循環利用構想策定演習(林業専用道の検討、ビジョンの策定、発表準備)現地実習を終えて研修会場に帰着後、 (ア) 地域の状況を踏まえた森林の経営ビジョンの検討、 (イ) 現地実習を踏まえて検討した林業専用道の新設路線配置の検討、 (ウ) 間伐指定のある箇所について、間伐の実施と路網整備とのマッチングを考慮しながら年次計画を策定、 (エ) 年次ごとの木材生産の売上と整備にかかる経費を試算、 (オ) 10年間の森林経営のビジョンを策定、発表準備、 の作業を行いました。
全班時間内で完成しなかったため、時間外にも作業を実施しました。 研修3日目(平成24年8月8日)森林資源循環利用構想策定演習(発表準備、発表、ディスカッション)本演習のねらいは、10年間の間伐計画及び路網整備計画を含む総合的な森林整備の構想策定を通じて、市町村森林整備計画における木材生産を中心とした団地の中長期的な森林林業の経営ビジョンを構築するための能力を高めることです。また、コミュニケーションプレゼンテーションの講義の内容を実践し、合意形成のための効果的なプレゼンテーションと建設的な議論を行うための能力の向上を図ります。 【発表準備】前日の作業を継続して林業専用道の路線配置と整備計画、間伐の年次計画、経営ビジョンの発表資料を作成しました。
発表のポイントについて解説 発表時間、方法、フィードバック等について解説
【発表ディスカッション】本演習では、一定の広がりがある森林を対象として10年間にわたる経営ビジョンを様々な視点から検討し、とりまとめることを通じて、 (ア) 個々の所有単位経営単位を超えて、集約的かつ効率的な森林整備の戦略を策定し、市町村長等に提案実行していく感覚を養う。 (イ) 中長期的な視野に立って、短期的な利害得失を調整する視点を与える。 (ウ) 立場の異なる多様な関係者の合意を得ることを意識した総合的な計画策定を疑似体験する。 同時に、グループ討議や全体討議を通じて、建設的効率的な議論の進め方や、発表を通じて効果的なプレゼンテーションの方法を習得します。 <班毎に発表、質疑応答>1班
2班
3班
4班
5班
<講評>小原政策情報分析官から十年後の姿を含む総括コメント
市町村森林整備計画演習(演習説明)本演習のねらいは、研修1及び研修2の学習内容を市町村森林整備計画に落とし込むとともに、その実現に向けた取組方策について検討を行い、川上から川下を統合的に捉えてまとめていくというフォレスターとしての能力意識を醸成することです。
講師から、演習の趣旨、これまでの研修との関連、作業内容等について説明
講師:林野庁 諏訪課長補佐
市町村森林整備計画演習(班内共有、計画策定、発表準備)県単位に班替えをし、明日の発表に向けて班内で以下の作業を行いました。 (ア) 情報認識の共有、 (イ) 基本方針の検討(多面的機能のうち優先順位を何に置くのか、地域の森づくりについて何を目指すのか等)、 (ウ) 森林資源循環利用構想策定演習等を踏まえ、公益的機能別施業森林、木材生産機能維持増進森林のゾーニングを見直し、 (エ) 針葉樹人工林の更新方法について、天然更新完了基準書作成の手引き等に基づき、「植栽によらなければ適確な更新が困難な森林」を 指定。(→安易な天然更新、一律の人工植栽ではなく、技術に基づき現地の諸条件を踏まえた判断)、 (オ) 路網整備等推進区域の設定。人工林の齢級や蓄積、経営計画の策定状況、間伐を実施する必要がある森林を考慮。(→地域でどういう優先順位を付けて路網開設集約化 を実施していくのか)、 (カ) 林業専用道の予定線の記入
研修4日目(平成24年8月9日)市町村森林整備計画演習(発表準備、発表、ディスカッション)【発表準備】前日の作業を継続して発表資料を作成しました。
【発表ディスカッション】検討結果を論点ごとに意見発表しました。また、発表に当たっては、森林経営計画の樹立状況、間伐を実施する必要がある森林、既設基幹路網、素材生産や加工流通木材利用などの状況をどのように踏まえているのかについても発表しました。 <県ごとに発表、質疑応答>青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
<講評>
外部講師:森林総研 正木森林植生領域群落動態研究室長 外部講師:岩手大学 岡田教授
研修全体のふり返り研修2を終えて、新たに獲得したこと、得た知識情報、ポイントや新たに見えてきた自分自身の課題等について、ふり返りシートに整理記録しました。また、準フォレスター研修を受けて、自身の地域職場に戻った後のToDoリストの作成や調整事項等を整理しました。
シートの記入について説明 スライドで研修2をふり返りました
目指すフォレスター像(意見交換発表)各班で目指すフォレスター像をとりまとめ、KP法により発表しました。 1班
・2班
![]() ![]() ・3班
![]() ![]() ・4班
![]() ![]() ・5班
![]() ![]() 総括研修を終えて、講師等から総括・コメントがありました。
石山 研修運営委員 諏訪 林野庁課長補佐 ![]() ![]() 小原 林野庁政策情報分析官
閉講式
「研修お疲れ様でした。この研修の入り口と出口では、皆さんの意識に大きな変化があったと思います。森林・林業の再生に向けて、森林法の改正をはじめ、各般の施策が推進されつつあり、(ア)集約化の推進による規模拡大、(イ)路網整備と機械化による低コスト作業システムの推進、(ウ)搬出間伐の推進と木材の安定供給体制の構築、(エ)木質バイオマスのエネルギー利用、(オ)公共建築物への木材利用等、これらを総合的に進めていく人材の要として、フォレスターに期待が寄せられています。」 「市町村整備計画を、一足飛びに「地域の森林のマスタープラン」とするのは、なかなか困難とは思いますが、それだけに、遣り甲斐のある仕事です。東北の森林も、山村から都市近郊までバラエティに富んでおり、それぞれの市町村における森林・林業の位置付けにより、何を優先して取り組んでいくのかが違ってきます。また、川上と川下のつながりの強いところ、弱いところでは、ハードルの高さも大違いです。皆さんの地元の事情をチェックし、問題点、課題を把握することが原点です。」 「地域の森林のマスタープランとしていく上で、是非とも、その周辺にある国有林との整合性、連携について念頭に置いて頂ければと思います。来年4月から、国有林は一般会計に移行することとなり、森林・林業の再生への貢献や、山村振興への寄与、大震災からの復興への貢献が新たな使命として追加されています。再生プランの目指す10年後を見据えて、着々と手を打っていくためには、それほど時間的余裕があるわけではありません。」 「この研修では、多くの研修生と知り合うことが出来たと思います。この研修生の人的ネットワークを活用して、情報共有を図りつつ、一緒になって課題解決に向き合っていくことが重要だと思います。今後は准フォレスターとして、さらに研鑽を積まれ、将来はフォレスターとしてのご活躍を期待しています。」 最後に全員で記念撮影を行いました。研修生の皆さん、計2回、9日間の研修お疲れ様でした。
准フォレスター研修関連リンク
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森林整備部技術普及課
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