大畑ヒバ施業実験林の成果
1.実験の成果
施業区では、択伐(抜き伐り)を繰り返してきた結果、成長が旺盛で中小径の後継樹も混じった健全な森林に変化しました。
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施業林蓄積変化(あやめ沢施業区) |
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無施業蓄積変化 |
70年間に1ha当たり400m3程度(胸の高さの直経が50cmの木は、1本当たり1.9m3)の蓄積を維持しながら、伐採によって光環境を改善し若い後継樹をふやして若返りを図り、500m3以上(平均的な家(延床面積104m2)の土台に必要な木材は約1.4m3)の木材を利用できます。
これに対し、「無施業区」は施業をしていませんので、蓄積量こそ100m3ほど増えましたが、成長が衰えた太い木が中心で、若い後継樹が少ない森林になっています。
このように適切な択伐は、森林の活力を増やし、その成長の余剰分木材を恵みとして得ることを可能にしています。
2.森林計画への反映
東北森林管理局では、実験林で実証された成果について、実際の森林計画の作成に反映させ、ヒバを主体とした天然林の持続可能な森林経営に努めています。
また、ヒバ林の中でも特に原生的な状態でまとまって存在し、森林生態系や遺伝資源の保存等の面で貴重なものは、森林生態系保護地域などの保護林に指定して、厳正に保護・管理しています。