大畑ヒバ施業実験林の概要
青森営林局(現東北森林管理局)の松川恭佐(まつかわきょうすけ)氏が、昭和2年から昭和5年にかけて行ったヒバの生態調査によって、「森林構成群を基礎とするヒバ天然林施業」の理論を確立しました。
大畑ヒバ施業実験林は、昭和6年に青森県下北郡大畑町(現むつ市大畑町)葉色山国有林に221.94ha設定されました
実験林では、この天然林施業法を現地に適用し、その成果を明らかにするために、設定時を遡ること40~50年は伐採の記録がなく、まとまった天然林の所在するこの地に、「施業区」(ほぼ同一の施業法で計画的に択伐(抜き伐り)を行う区域)と「無施業区」(全く人手を加えない区域)を設定し、択伐(抜き伐り)施業の成果を比較・検証することとしました。
全体で約220haの実験林の中に、20ブロックに細分した「施業区」と「無施業区(3.5ha)」を設け、毎年2ブロックずつ森林の成長量を目安として択伐を行い、「施業区」のブロックを10年で一巡させてきました。
このほか、林内の稚幼樹の発生や生育状況に応じて、邪魔になる枯れ枝の除去、ヒバ苗の補助的な植え込み、競合する低木等の除去を行っています。

択伐施業を行った林分の状況

施業を全く行っていない林分の状況