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九州森林管理局

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    イリオモテヤマネコ

    イリオモテヤマネコ

    食肉目ネコ科 Prionailurus iriomotensis 絶滅危惧IA類,特別天然記念物

    イリオモテヤマネコ
    撮影:村田  行  氏

    生息地

      イリオモテヤマネコは、西表島が中国大陸と陸続きの頃に渡ってきたといわれ、世界中でも西表島だけに生息しています。

    形態

      イリオモテヤマネコの体重は雄約3.5~4.0kg、雌約3.0~4.0kg、頭から胴体の長さは雄55~60cm、雌50~55cmと、雄の方が大型です。
      イエネコとの違いは次の通りです。
        体の模様が斑紋(イエネコは縞模様)。模様はあまり目立たない。
        額と目の周りに白い斑紋がある。
        耳の先が丸く短い。耳の後ろに目立つ白い斑紋がある。
        毛が長いので尾がイエネコよりも先まで太く見える。

    食べ物

      イリオモテヤマネコは食物連鎖の頂点にあり、非常に幅広くいろいろな動物を食べます。主な餌は、クマネズミ・シロハラクイナ・キシノウエトカゲ・ハナサキガエルなどです。

    生息している場所

      西表島の内陸部よりも沿岸地帯に高密度に生息し、沢沿いの低地、林縁部、河川下流域の湿地などをよく利用しています。リオモテヤマネコは、日没前後と日の出前後に特に活発に活動します。行動圏の広さは雄2~4平方キロメートル、雌1~2平方キロメートルで、雄の方が広い範囲で行動します。行動圏の広さはには地域差があり、これは餌の条件によるものと考えられています。
      繁殖についてはまだ解明されていないものの、12~3月が発情期で、6月頃が出産期と考えられています。

    個体数

    1982~1984年に環境庁が実施した調査では、80~100頭と推定されています。

    保護管理する対象地域について

      希少野生生物種保護管理事業は次の保護林及びその周辺で実施されています。

      西表島森林生態系保護地域
      西表島森林生態系保護地域

      西表島森林生態系保護地域は1991年3月に設定し、2012年3月に拡充しました。面積は、モニタリング・学術研究等の利用を除き人の手を加えずに自然の推移にゆだねる保存地区が9,999ha、保存地区の緩衝地帯としての役割を担う保全利用地区が10,471ha、合計20,471haとなっています。
      これは西表島の国有林24,474haの約84%を占めています。
      琉球列島の南端に位置する西表島は海洋性気候に属しており、河口地域にマングローブ林が発達するなど、亜熱帯林の自然がよく保たれています。このため、東洋のガラパゴス、日本のアマゾンとも呼ばれています。
      西表島の森林を代表する高木は、スダジイ・タブノキ・オキナワウラジロガシで、林内にはシマオオタニワタリ・リュウキュウセッコク等の着生植物や、ツルアダン・シラタマカズラ等のツル性の植物が豊富に生育しており、熱帯林的な林相を示しています。

    お問合せ先

    計画保全部計画課

    担当者:生態系保全係
    ダイヤルイン:096-328-3612