このページの本文へ移動

近畿中国森林管理局

    文字サイズ
    標準
    大きく
    メニュー

    京都大学徳山試験地での檜皮採取実演会(平成27年11月21日)


    11月21日(土曜日)、京都大学徳山試験地において、周南市と京都大学フィールド科学教育研究センターが主催する市民向け講座の一環として檜皮(ひわだ)採取の実演会などが行われ、当所からも2名が参加しました。

    檜皮というのは生きて立っているヒノキの樹皮を剥いだもので、昔から神社やお寺などの屋根を葺く材料として使われています。山口県内では山口市の瑠璃光寺五重塔、下関市の功山寺仏殿や住吉神社本殿(すべて国宝です)などで見ることができます。

    檜皮採取に適したヒノキ林はおおむね樹齢80年以上で、檜皮を採取する技術者のことを原皮師(もとかわし)といいます。樹皮を剥いだヒノキはそのまま生きており、10年くらいたつとまた樹皮を剥ぐことができます。また、檜皮葺の屋根は約40年で葺き替えが必要で、上記のような文化財建造物を保存していくために檜皮は欠かせない資材です。

    さて当日は、まず京都大学の坂野上先生から「檜皮の供給とヒノキ林の経営」と題して、檜皮を採取することのヒノキ立木への影響(熟練した原皮師が採取した場合、よくない影響を与える心配はないこと)などについて講義がありました。

    代表挨拶

    そして(公社)全国社寺等屋根工事技術保存会の村上会長曰く「世界一の原皮師」の大野浩二さんによる檜皮採取の実演です。
    カナメモチで作ったヘラでヒノキに傷をつけることなく檜皮を剥ぎ上げながら、ぶり縄を使って木に登っていきます。見事な技の披露に参加者一同から感嘆の声が上がり、時間も忘れて見入ってしまいました。

    原皮師が檜皮を剥ぎ始める様子 原皮師がぶり縄を使って木を登る様子

     当所で管理している城山国有林(岩国市)でも、原皮師を養成するための研修の場として平成14年から檜皮の採取を行っています。最後に少しだけ時間をいただいて国有林の取組を紹介させていただきました。
    坂野上先生の講義でもありましたが、伝統技術を引継ぎ、文化財建造物を未来に残していくには、一般の方々にも関心を持っていただくことが重要だと再認識しました。
    関係者の皆様どうもありがとうございました。(所長谷秀治)

    参加者全員の集合写真

     

    お問合せ先

    山口森林管理事務所

    ダイヤルイン:050-3160-6155

    PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
    Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

    Get Adobe Reader