「滑マツ保存会」による第1回現地調査を実施(平成26年4月23日)
”滑マツ(なめらまつ)”というのは、滑山国有林に自生する樹齢200年以上のアカマツ大径材のことです。材の色合いが良く通直な銘木として昭和43年まで生産され、皇居新宮殿の内装材や錦帯橋の脚材にも使用されました。その後、マツ枯れや台風被害などにより本数が激減したことから、山口森林管理事務所では、平成2年に滑マツの多く残る区域を滑山林木遺伝資源保存林に指定するなど、滑マツの維持・保存に努めてきました。
しかし、平成25年に調査したところ、滑マツは38本しか確認できず、また、群生地は尾根沿いに1カ所見られるだけで、多くはブナ等広葉樹の中に点在しており、林床がササに覆われ稚樹が育ちにくくなっていることから、滑マツの後継樹の育成が難しい環境になっていることがわかりました。
そこで、地域の貴重な資源である滑マツを広く国民の皆様の応援を頂きながら保存・再生させていくため、今年3月に地元の有識者をメンバーとする『滑マツ保存会』を設立し、4月23日に第1回目の活動として現地調査を実施しました。
当日は晴天に恵まれ、保存会メンバーをはじめ、メンバーの所属団体からの参加や地元テレビ局の取材等を含め総勢30名で、滑マツの現状を調査しました。午前中はササの刈払い箇所やマツクイムシ被害防止のための薬剤樹幹注入箇所等、これまでの取組について確認しました。 後継樹を育成するためササの刈払いを実施している箇所では、今春芽生えた稚樹が見られ、ササの刈払いが稚樹の育成に欠かせないことを確認しました。また、マツの稚樹が間違って刈られないよう目印の竹串を挿す作業を、実際に参加者に体験してもらいました。午後は2つのグループに分かれて現況の調査を行いました。
今後は、今回の現地調査を踏まえ、滑マツの保存・再生方策についての検討会を6月に開催する予定です。また、滑マツに関するPR活動もメンバーとともに行っていきます。次世代に滑マツを残すため、多くの方に知っていただける保護・育成活動に繋げていきたいと考えています。
後継樹育成について説明 |
後継樹育成試験地で発芽したアカマツについて説明 |
ササの刈り払いを行い、 |
目印の竹串を挿す作業を体験する参加者 |
今春芽生えたアカマツ |
滑マツ群生地を確認 |
樹幹注入の説明 |
滑マツ(母樹)から落ちた種を育てる方法で成長した |
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山口森林管理事務所
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