滑山国有林で林業就業支援講習(平成25年5月15日)
平成25年5月15日(水曜日)、一般財団法人やまぐち森林担い手財団が実施する林業就業支援講習(5月1日~5月28日)のカリキュラムとして、本州西限のブナの原生林が生育する滑山国有林で研修が実施されました。
この林業就業支援講習は、厚生労働省が全国森林組合連合会に委託して全国で実施しているものです。林業への新規就業を希望する方を対象に、林業の現場で技能を習得する「緑の雇用」の研修生になる前の研修として、20日間程度の座学・実習を通して就業に必要な知識や技術を習得してもらい、林業就業の実現をサポートするものです。
当日は、快晴の中、20代から40代の講習生12名が参加しました。飯ヶ岳登山口に集合した講習生に対し、田口所長から滑山国有林について以下の説明を行いました。
(ア)滑マツ、ブナなど貴重な天然林が多数残っており、滑山林木遺伝資源保存林として保護されている
(イ)森林セラピー基地に認定され、一般の方の憩いの場所となっている
(ウ)共同施業団地が設定され作業道など民有林と国有林が連携した木材生産が行われている
(エ)低コスト造林試験地など民有林では実施が難しい試験的なことも国有林で行われている
この結果、滑山国有林が国民の森林として果たしている多様な役割について理解を深めてもらうことができました。
その後、登山口から飯ヶ岳の頂上へ向け登る途中、森林技術指導官から滑マツについて以下の説明をしました。
(ア)樹齢200年以上の滑山のアカマツを滑マツと呼んでおり、皇居等にも使われた銘木であるが、松くい虫の影響などで数が少なくなってしまった
(イ)滑マツを後世に残すため、滑マツを松くい虫から守るための樹幹注入、滑マツのクローン苗植樹、滑マツ後継稚樹の刈出等の取り組みが行われている
(ウ)今年から滑マツの個体別管理を行うためのモニタリング調査を予定しているなど
途中には、きつい上り坂がいくつもあり、何回か休憩をとりながらの登山となりましたが、予定どおりの時間で全員山頂に登頂できました。頂上で昼食をとり、下りは、極相林、ブナとイヌブナの識別やブナの実の観察などについて勉強しながら下山しました。
登山の後は、車で移動しながら、推定樹齢300年の森の巨人たち100選に選ばれている「三本杉」、幹周り7.2mの「栂尾の大カツラ」、樹齢200年の「毛利藩のモミ(滑山モミ植物群落保護林)」など滑山国有林を代表する巨木たちを見学しました。
講習生の中には、毛利藩のモミの巨木を見て、「モミは何に利用できるのか」「どうやって伐採し搬出するのか」など職員に質問する方もいました。森林を林業者の目で見ている姿に楽しみを感じました。将来の林業の担い手の皆さんに期待したいと思います。
滑山国有林の説明 |
山頂を目指す講習生の皆さん |
飯ヶ岳の山頂で昼食をとる講習生の皆さん |
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栂尾の大カツラを見学 |
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