令和2年度「滑マツ保存会」による現地見学会(令和2年12月17日)
令和2年12月17日(木曜日)、山口市阿東町にある山口中央森林組合及び阿東地域交流センターを会場に、滑マツ保存会(注1)と山口森林管理事務所の合同見学会を開催しました。
例年であれば、3月期の定例総会、秋季の滑マツ(注2)見学会を開催していますが、年明けから流行している新型コロナ感染症拡大防止のため開催を見送っていたため、今回は、粉雪舞い散る寒波の中での開催となりました。
見学会では、山口中央森林組合の敷地内に保管されている滑マツ板材の状態を見学しました。
この滑マツ板材は、昨年、登山道の危険木として枯損状態であった滑マツを伐採したもので、山口市が建替を予定している、市役所本庁舎及び徳地支所の構造部材等に使用するために、山口市が購入し製材したものです。枯損状態ではありましたが、製材してみると年輪は緻密で、心材は赤みが強く、滑マツの特徴を見ることができる良質な板材でした。
滑マツ保存会メンバーからは、「山で朽ちるより第二の人生が歩め、滑マツのPRにもなる」といった感想が聞かれました。
その後、阿東地域交流センター会議室に移動し、令和2年度森林・林業交流研究発表会で当所が発表した「滑マツ稚樹育成における刈出し効果に関する考察」の報告と、滑マツ枯損木の伐倒から搬出までの作業を撮影したDVDを視聴しました。
視聴後の意見交換では、滑マツ後継樹をいかに育成していくべきか、どのような方策をとっていくべきかという意見とともに、「研究発表のために設置した試験地の調査結果と生育状況を継続して報告してほしい」等の意見が出されました。
当所では、これらの意見を踏まえ、引き続き滑マツ保存会と協力して滑マツの保存・再生に取り組んでいくことを確認して見学会及び勉強会を終了しました。
(注1)滑マツ保存会とは
平成26年3月に発足。滑山国有林内に生育する「滑マツ」の保存、再生に係る活動及び滑マツに関する理解の増進に資する活動を目的としている。
会員は、山口県、山口市、山口県中央森林組合、樹木医、地元森林ボランティアからなる。
(注2)滑マツとは
滑山国有林に自生する樹齢200年以上のアカマツの大径木のこと。材の色合いが良く通直な銘木として昭和43年頃まで生産され、皇居新宮殿の内装材や錦帯橋の脚材にも使用された。
DVD視聴
意見交換
森林組合滑マツ製材見学
お問合せ先
山口森林管理事務所
代表:083-922-0386
ダイヤルイン:050-3160-6155