和歌山森林管理署現地検討会(治山事業地でのシカ被害対策)が開催されました
現地検討会概要
和歌山森林管理署では、平成23年に発生した紀伊半島大水害の復旧工事を行っている下モ谷西側地区において、シカによる深刻な食害への被害防止対策を実施しており、令和7年11月18日(火曜日)に農林業関係者を集めた現地検討会を開き、課題や対策事例等について意見交換を行いました。
当日は、秋晴れのもと約80人の参加者があり、(ア)竹を使用した新たなシカの侵入防止対策、(イ)獣害防護柵の色の違いによる視認性検証や効率的な見回り方法、(ウ)地域の苗を使用した植栽等、試験的に実施していることを紹介しました。また、開発メーカーによる(エ)姿勢制御機能付き電動クローラー型4輪車の走行デモンストレーションを行いました。
これらの技術は治山事業だけでなく、造林事業や農業分野等においても応用できることから、幅広くシカ被害対策の技術交流ができたものと考えます。
現在は試験的に実施している段階ですが、将来、緑彩る山へ復旧することを願いつつ、今後も引き続きシカ被害対策に貢献していけるよう、取り組んでいきます。
開会、治山概要説明

和歌山森林管理署長による開会あいさつ。
管内の民有林直轄治山事業の概要説明を行った後、下モ谷地区の災害発生状況や工事概要を説明しました。
(ア)竹被覆工によるシカ侵入防止対策
(資料1)竹被覆工による鹿侵入防止対策(PDF : 8,402KB)
平成27年に和歌山森林管理署が開発・施工した竹被覆工によるシカ侵入防止対策を説明。竹被覆工とは、竹を半割にし斜面に並べたもので、シカの蹄がすべることで侵入を防ぐ工法です。
傾斜30度以上の傾斜で有効性が確認されています。 
竹被覆工を説明する職員
施工当時の様子(平成30年撮影)
竹被覆工で保護した内側に植栽したセンダンの様子(下モ谷)
参加者からは、開発の経緯や普及状況、他の工法との比較、竹のサイズなどの質問がありました。
(イ)ドローンを活用したシカネット巡視
(資料2)ドローンによるシカ柵点検(PDF : 6,794KB)
ネットの視認性などについて説明する職員
オレンジ色の支柱とネットを使用することでドローンからの視認性が向上します。
参加者からは、「アニマルネットは安価であり、民有林でも活用できないか検討したい」といった声が聞かれました。
防護柵下部からのもぐり込みを検知できる新たな点検方法を説明しました。
動物がネットの下をもぐり込むと旗が出る仕組みです。
参加者からは「面白いアイデア」「民有林でも活用を検討したい」といった声が聞かれました。
(ウ)地域苗等を使用した植栽及び法面緑化におけるシカ対策工法
(資料3)地域苗等お使用した植栽など(PDF : 4,710KB)
アニマルネットによるシカ柵と地域苗植栽を説明する様子
植栽した地域苗(ウバメガシ)
地元で種子採取・栽培をした地域苗を植栽し、生物多様性にも配慮した緑化を行っています。
また、シカ食害に強いススキのポット苗による試験植栽や、各緑化メーカーによる伏工の試験施工などについても説明しました。
参加者からは、「伊吹山においてもシカの食害が深刻で土砂災害も発生しているが、ススキの植栽は有効か」「保育ブロックはどのように利用するのか」といった質問がありました。
(エ)姿勢制御機能付き電動クローラー型4輪車のデモンストレーション
(資料4)電動4輪クローラ(PDF : 1,344KB)
4輪車走行の様子
4つのクローラーがそれぞれ独立して上下に動き、台車を水平に保つ新しい機械です。将来的に苗木などの運搬や草刈り、苗木を植える際の穴掘りなど応用が期待されます。
来年和歌山県で開催される林業機械展にも出展予定だそうです。
アウトリガー付き電動一輪車のデモンストレーションもありました。
参加者からは、それぞれの機械についてバッテリーの持続時間、価格、積載荷重などについて質問があり関心の高さが伺えました。
閉会

森林整備部長による閉会あいさつ
最後に集合写真を撮影し無事に終了しました。ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
お問合せ先
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