令和元年度「新・紀州林業への挑戦」民国連携研修会『再造林・保育作業の省力化による森林育成技術の革新』を開催しました
令和元年度「新・紀州林業への挑戦」民国連携研修会
『再造林・保育作業の省力化による森林育成技術の革新』を開催しました
和歌山森林管理署は、和歌山県との共催で再造林・保育作業の省力化による森林育成技術の革新についての民国連携研修会を開催しました。民有林関係者では和歌山県、滋賀県、奈良県の各県庁職員、和歌山県内の各市町の職員、農林大学校の研修生、県内の森林組合、木材を扱う民間の会社など、国有林関係者では近畿中国森林管理局、滋賀、奈良、和歌山の各森林管理署等、総勢約150名と多くの参加がありました。
開催内容は以下のとおりです。
1 実施日時 令和元年8月9日(金曜日) 9時00分~16時00分
2 開催地 紀南文化会館(田辺市)、宮城川国有林(すさみ町)
3 研修会の内容
午前中は紀南文化会館で、基調講演と民有林及び国有林での取り組み内容の報告がありました。
<基調講演>
はじめに林野庁森林整備部整備課長 長﨑屋圭太氏により「再造林・保育のこれまでとこれから」というテーマで、再造林・保育作業のコスト低減と軽労化を進めていく取り組みとして、データ蓄積のためのリモートセンシング技術の活用及び、異種業(IT企業やメーカーなど)との協力事例の紹介がありました。
次に国立研究開発法人 森林研究・整備機構森林総合研究所林業生産技術研究担当・研究ディレクター 宇都木玄氏により「低コストと省力化を見据えた保育技術の展開」というテーマで、同じ技術でも全国一律でコスト軽減ができるわけではないことから、地域に合った技術検討の必要性について報告がありました。
<取り組み内容の報告>
まず四国森林管理局森林技術・支援センター 鷹野孝司所長から「冬下刈りの比較対照試験の報告」として、冬下刈りでも夏下刈りと同等程度の成長量であることなどの報告がありました。
次に和歌山林業試験場 的場彬通研究員から「林業試験場におけるエリートツリー採種造成の取組み」として、エリートツリー採種園での取り組み、エリートツリーの中から、より成長量などが優れている特定母樹の選抜についてなどの報告がありました。
最後に和歌山森林管理署 木村崇人地域林政調整官から「和歌山森林管理署における低コスト造林の取組み」として、一貫作業による造林地の経過およびコスト軽減実績について報告がありました。


講演の様子
午後は宮城川国有林で現地検討会を行いました。
はじめに和歌山森林管理署職員から低コスト造林への取り組みについての説明がありました。
一貫作業によりコンテナ苗(普通苗・大苗)を植栽後3年目の箇所として、(ア)従来通りすべて下刈りした区域(イ)冬下刈りをイメージした区域(ウ)無下刈り区域の3対照区の状況を示しました。
一貫作業と大苗コンテナ苗を組み合わせることにより、雑草や灌木に被圧されることなく育ち、下刈り回数を減らしても問題なく成長していることが確認できたこと、防護柵の斜め張りを実施後、ウサギによる噛み切りが確認されたことから網目の細かいネットを追加している等が説明されました。
次に、上道キカイ株式会社による小型無人航空機(ドローン)を利用した防護柵の巡視を実演しました。人が何時間もかけて防護柵の確認をしなくても、ドローンによって防護柵の異常を発見することができます。ドローンの操作は特別な訓練などは必要なく、誰でも扱えるようになるそうです。


現地研修会の様子
お問合せ先
和歌山森林管理署
担当者:民国連携研修会担当
〒646-0011
和歌山県田辺市新庄町2345-1
Tel:050-3160-6120/0739-22-1460