健全な森林づくり
健全な森づくりとは
健全な森林とは、たとえば、二酸化炭素の吸収する機能であったり、雨水を吸収し水源を保ち洪水を緩和する機能、土砂災害を防止する機能、木材やキノコなどの林産物を供給する機能が高い森林のことを言います。
健全な森林を保つためには「植える→育てる→使う→植える」というサイクル(森林資源の循環利用)をつくり、適切に森林を整備する必要があります。また、適切に森林管理をすることで将来にわたり木材を利用できるようになります。
このように森林資源の循環利用を続けることで健全な森林が作られ森林のもつ多面的な機能が持続的に発揮されます。特に、高齢の人工林は、適時適切に伐採して跡地に再び植栽を行うことで、森林の「若返り」を図ることができます。
森林整備の方法
では実際に健全な森づくりのために行われている森林整備の方法を紹介します。
地拵え(じごしらえ)
苗木を山に植栽する前に、苗木の生育環境を良くするため、伐採した木の枝や、かん木などを取り除き筋状に並べる作業のことです。

地拵え(じごしらえ)前

地拵え(じごしらえ)後
植栽
山に苗木を植えることです。林野庁では、植栽本数をスギ、ヒノキともに2,000本/haとしています。また、島根署では植栽の際、コンテナ苗を植栽しています。
近年では島根県内でも鹿・ウサギの食害が増えており、植栽時には防護柵が不可欠となっています。

シカによる食害を受けた苗

鹿柵ネット
下刈り
植林した苗木等の成長を妨げる雑草や灌木を刈り払う作業。通常、植林後の数年間、毎年夏期に行います。

下刈り前

下刈り後
除伐
育てようとする樹木の成長を妨げる、基本的に他の樹種を刈り払う作業です。通常、育てようとする樹木の枝葉が互いに接する状態になるまでの間に行います。
間伐
育成段階にある森林において木の混み具合に応じて育成する樹木の一部を伐採し(間引き)、残した木の成長を促進する作業です。この作業により生産された丸太が間伐材です。一般に、除伐後から主伐の間に育成目的に応じて実施します。
島根署では、生産性の向上と費用の縮減を図る間伐方法として知られている、植栽列や斜面方向等に沿って直線的に伐採する列状間伐を行うことが多くなっています。
主伐
利用期に達した樹木を伐採し収穫することです。森林の一部又は全部の伐採を行います。主伐を実施する森林が保安林の場合は植栽の義務があります。また、年齢や樹種の異なる樹木で構成された森林(複層林)を目指す森林では、部分的に伐採し、そのあと植林することで、樹木の年齢や高さ、そして樹種の多様な森林づくりを行います。
島根森林管理署での取り組み
より適切な森林管理のために島根森林管理署が行っている取り組みを紹介します。
コンテナ苗植栽
コンテナ苗はマルチキャビティコンテナと呼ばれる苗木生産容器で生育した苗木のことです。従来の苗に比べて、
・植付可能な時期が広い
・植付が簡単
・活着率(枯れずに根付くこと)が高い
というメリットがあります。
詳しくはこちら→ コンテナ苗の活用による低コスト造林
一貫作業システム
一貫作業システムとは、たとえば伐採で使用した機械をそのまま苗木の運搬に活用するなど、立木の伐採、搬出とその後の地拵え(じごしらえ)、植栽を一連の作業として効率よく実行することです。再造林コストの低コスト化等を図ることを目的としています。
詳しくはこちら→ 一貫作業システム(PDF : 368KB)
3D地上レーザーを利用した森林調査

取得した3次元立木マップ(芦原国有林10て林小班)
お問合せ先
島根森林管理署
Tel:050-3160-6130(代表)