アラカシ
葉

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樹皮

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新葉と新枝(4月中旬)

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アラカシ(ブナ科) Quercus glauca
東北地方の南部以西の山野に分布する常緑高木。
灰色~緑灰黒色の樹皮には、大きな割れ目ができることはなく、皮目や凹凸ができる程度です。
葉は、互生し、長さ7~12センチ、幅3~5センチ、縁の上半分に粗く大きな鋸歯が見られます。
4~5月頃、新枝の下部に雄花序が垂れ下がり、新枝上部の葉腋に雌花がつきます。
果実は長さ1.5~2センチの堅果(どんぐり)でその年の秋に熟します。殻斗(どんぐりのおわん)には同心円状に横しまがあり、鱗状の模様のあるナラ類の殻斗と区別できます。
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和名の由来(粗樫)
アラカシは「粗樫」の名前のとおり、葉や枝振りが粗っぽいことに名前が由来しています。
ただ、個体数が大変多く、特に関西では、カシ類のなかで最も普通に見ることのできるカシなので、単に、「カシ」と呼ばれることが多いようです。
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ドングリが実る常緑広葉樹のなかで一番個体数が多いとされるアラカシは、もともと雑木林を代表する樹木だったそうです。
今日では雑木林というと「コナラ」や「クヌギ」などの落葉広葉樹が主となるイメージがありますが、これは人間が山林を伐り開き、樹木を利用しながら生活してきた結果の姿なのです。
ですから、関東以西の人の手の入らなくなった山林の多くは、やがてアラカシなどの常緑広葉樹林へと変わって(遷移して)いくことになると考えられます。
滋賀県大津市の「逢坂山照葉樹植物群落保護林」は、シイやカシを主体とする林で、この地域の極相林の姿であるとして保護しています。
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