シカ被害の多い米原市「伊吹山」でICT囲い罠を設置しました。
令和6年4月17日、滋賀県米原市上野にある「伊吹山」においてICT囲いわなを設置しました。
伊吹山(標高1,377m)は、滋賀県最高峰の山であり、かつては牧野富太郎がたびたび訪れ、伊吹山特有の貴重な植物がみられることで知られています(山頂付近は「伊吹山頂草原植物群落」として国の天然記念物に指定)。
しかし近年、増加したシカの食害が深刻化し、植生が少なくなり山肌が露出して、昨年7月には豪雨により大規模な土砂崩れが発生しました。このため米原市では、シカによる被害の拡大防止のため、シカの捕獲強化などに取り組んでいるところです。
滋賀森林管理署では支援として、ドローンにより被害状況を撮影した画像(オルソ画像や植生指数画像)の提供を行ってきたところです。今回、以前より米原市とシカ捕獲の協定を締結し、市内の国有林及び周辺にて、市と連携してシカ捕獲事業に取り組んでいることから、本協定の取り組みの一環として、伊吹山にICT囲い罠を設置することとしました。
ICT囲いわなは監視・操作をシステムにより遠隔から行える仕様となっており、親子で来たシカなど多頭数のシカが囲いわなの中に入ったタイミングをライブカメラで確認し、罠を作動させることができるので、擦れジカ(スマートディア)※1の発生を抑制することができます。
当日は米原市と当署の職員11人で、3合目付近にICT囲い罠の組み立て作業を行いました。職員は普段から作業に慣れていることもあり、1時間程度で作業が完了しました。今後は、ヘイキューブ※2などのエサによりシカの誘引を行い、シカが集まってきたところで捕獲を開始する予定です。
今後とも滋賀森林管理署では、シカ捕獲対策など地域の森林・林業の発展に貢献できるよう引き続き取り組んでいきます。
※1 シカの捕獲を行った際、生き延びた残りのシカがわなや人の気配などに敏感となり、警戒心が高くなった個体のこと。
※2 牧草を刈取り、自然乾燥した後、小型の直方体(キューブ)に圧縮成形したもの。
植生が衰退し、土砂が流出している様子 |
設置作業について市の職員が説明する様子 |
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設置作業の様子(ア) |
設置作業の様子(イ) |
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設置作業の様子(ウ) |
完成 |
お問合せ先
滋賀森林管理署
〒520-2134
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Tel:050-3160-6115/077-544-3871