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近畿中国森林管理局

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    中学生の職場体験(平成29年6月26日~30日)

    平成29年6月26日月曜日から30日金曜日までの5日間、職場体験学習として大津市立田上中学校の2年生3名を受け入れました。

     
      初日は、滋賀森林管理署の業務内容を「森を育てて使う」「森を治す」「森を守る」の3つに分けてイラストや写真を交えて説明しました。
      その後、「森を治す」仕事の体験として10年以上前からカワウによる森林被害が発生している伊崎国有林にて、カワウの森林影響調査について説明しました。営巣地では、間近に見える営巣中のカワウやヒナの様子を熱心に観察していました。
    カワウの説明

     
      2日目は、「森を育てて使う」業務の体験として、多賀町にある八ツ尾山国有林での間伐体験と長浜市にある株式会社スンエン長浜営業所の木材市場の見学をしました。
      間伐は森を育てて使うサイクルの重要な作業であることを説明した後、間伐作業を始めました。大人でもなかなかうまくいかない作業ですが、続けていく内に上手に伐れるようになりました。木材市場ではセリの様子を見学し、落札価格から1本あたりの値段を計算しましたが、大きく見える丸太の価格が、思いのほか安いことに驚いた表情でした。
    間伐作業 木材市場説明

     
      3日目は、同じく「森を育てて使う」の一環として、甲賀市にある三郷山国有林で今年度からスタートしたセンダンの植栽試験を手伝ってもらいました。前日のスギやヒノキは、出荷できるまで40~50年程度かかるけれど、センダンは生長が早いので早ければ20年で出荷できることを説明し、成長量調査や周囲の草刈りを行いました。
    センダン調査

     
      4日目は、「森を守る」業務として米原市の奥伊吹国有林で行っているシカの捕獲事業を見学しました。急速に増加したシカが農林業や生態系に被害を与えていること、対策の一環として捕獲を行っていることを説明しました。また、シカが増えすぎると地面の植物が食べ尽くされてしまい山が崩れてしまうこともあること、そうなる前にシカを減らす努力が必要なことを、シカ被害地の写真と周辺の森林を比べながら説明しました。
    シカ説明 シカ調査

     
      最終日は、治山事業の説明と、前日に見学したシカ捕獲事業の一部である定点撮影カメラの画像分析を行いました。
      田上中学校の裏山にあたる田上山系は、昔は禿げ山で、様々な治山工事によって緑化されたこと、大雨で崩れてしまった山を森林に戻すための工事を行っていることを絵や図、写真を見せて説明すると、なんとなく想像ができた様子でした。その後、森林の水源涵養機能について説明し、森林の大切さを理解したところで「水源の森ジオラマ作り」に取り組みました。

     
      ジオラマが乾くのを待ちながら、定点カメラの画像分析を行いました。画像分析は膨大な枚数の写真やビデオを見ながら写っているシカの頭数や日時などを記録する地道な作業ですが、スクリーンにパソコンの画面を映し、3人で根気よく頑張ってくれました。
    ジオラマ作成

     
      私たちの職場は、中学校の学習でもあまり取り組まれることのない森林・林業の現場ですが、今回の体験を通じて理解を深めてもらえたのではないかと思います。学校では体験内容の報告が行われるそうですので、それらを通じて他の生徒さん達にも森林・林業・木材産業や獣害対策についての理解が伝わることを期待しています。

    お問合せ先

    滋賀森林管理署

    〒520-2134
    滋賀県大津市瀬田3-40-18
    Tel:050-3160-6115/077-544-3871