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近畿中国森林管理局

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    保護林

    保護林は、原生的な森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、施業及び管理技術の発展等に資することを目的として設定しています。
    国有林野事業では、学術の研究、貴重な動植物の保護、風致の維持等を目的とする国有林野独自の制度として、自然公園法の全身である国立公園法(昭和6年)や、文化財保護法の前進である史跡名勝天然記念物法(大正8年)の制度に先駆け、大正4年に保護林制度を発足させて以来、保護林の適切な保全・管理に努めてきました。
    令和4年3月現在、奈良森林管理事務所には6箇所、1,416haの保護林があります。

    奈良森林管理事務所の保護林一覧
    保護林の名称 面積
    金剛山ブナ希少個体群落保護林 16.21
    池郷生物群集保護林 702.92
    鳴川山生物群集保護林 345.87
    入谷ブナ・ツガ・ウラジロモミ希少個体群保護林 81.03
    天川水生生物希少個体群保護林 147.30
    北股暖地性昆虫生息地希少個体群保護林 122.59
    合計 1415.92


    金剛山ブナ希少個体群保護林

    金剛山ブナ希少個体群保護林は、希少なブナ群落が成立している国有林です。稚樹から大径木まで確認することができます。

    金剛山ブナ林
    金剛山のブナ林


    池郷生物群集保護林

    池郷生物群集保護林は、奈良県吉野郡下北山村(池郷国有林)に位置しています。森林と一体となって自然生態系を構成する生物の遺伝子を森林生態系内に保存し、将来の利用可能性に資することを目的に設定しています。
    保護林面積は、702.92㏊あり、その一部は吉野熊野国立公園に指定されています。また、世界文化遺産・大峯奥駆道の一部と隣接しています。保護林の植生は、標高の高い所は、ブナを主体とした落葉広葉樹でミズナラやウラジロモミなどが混生しています。そのほか紀伊半島を特徴付けるヒコサンヒメシャラやルリセンチコガネなど多様な動植物が見られます。

    池郷生物群集保護林位置図
    池郷生物群集保護林遠景
    池郷生物群集保護林遠景

    池郷生物群集保護林の樹木トチ 池郷生物群集保護林の紅葉

    鳴川山生物群集保護林

    鳴川山生物群集保護林は、奈良県天川村(鳴川山国有林)に位置しています。大峰山系における代表的なウラジロモミ・コメツガ天然林の保護を目的に設定しています。
    保護林面積は、345.87㏊あり、吉野熊野国立公園に指定されています。また、世界文化遺産・大峯奥駈道の一部と隣接しています。保護林の植生は、ウラジロモミ・コメツガ等の針葉樹とブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹が混生する森林です。そのほか、紀伊半島を特徴付けるヒコサンヒメシャラやルリセンチコガネなど多様な動植物が見られます。


    鳴川山ウラジロモミ・コメツガ植物群落保護林全景

    鳴川山ウラジロモミ・コメツガ植物群落保護林林況

    入谷ブナ・ツガ・ウラジロモミ希少個体群保護林、  天川水生生物希少個体群保護林

    入谷国有林及び地峯国有林保護林位置図

    入谷ブナ・ツガ・ウラジロモミ希少個体群保護林

    入谷ブナ・ツガ・ウラジロモミ希少個体群保護林は、奈良県吉野郡天川村の新宮川(熊野川)水系の舟ノ川上流部(入谷国有林)に位置しています。
    高齢級のブナ、ツガ及びウラジロモミを主体とした希少な天然林を保護することを目的に設定しています。
    保護林の面積は81.03ha、保護林の植生は、保護対象樹種であるブナ、ツガ及びウラジロモミが主体となって林分を構成しており、確認された個体は、胸高直径70cmを超える大径の高齢木から若齢木まで、幅広い樹齢のものが生育しています。また、オオイタヤメイゲツ、ヒコサンヒメシャラなどが混生しています。

    入谷ブナ等保護林林況1

    入谷ブナ等保護林林況2

    入谷ブナ等保護林林況3

    天川水生生物希少個体群保護林

    天川水生生物希少個体群保護林は、奈良県天川村(地峯国有林)に位置しています。生息するイワナ類の生息地保護を目的として設定しています。
    保護林の面積は、147.30haで、吉野熊野国立公園に指定されています。
    当保護林の特徴は、保護林の中心を流れる弥山川と上流部には落差の大きいガマ滝や双門滝があり、川沿いには双門弥山登山道が整備されています。
    植生は、極めて多様性が高く天然ヒノキやコウヤマキなどの針葉樹林やブナ、ウラジロモミの森林、渓畔植生や崖地・渓流に生育する植物が見られます。

    地峯国有林保護林全景

    地峯国有林保護林ガマ滝

    北股暖地性昆虫生息地希少個体群保護林

    北股暖地性昆虫生息地希少個体群保護林は、奈良県川上村に位置する北股国有林にあります。特異な分布をしている暖地性昆虫の生息地の保護を目的としています。
    この保護林の面積は122.59haで、水源かん養保安林にも指定されています。
    保護林の東側にある池木屋山(1395.9m)は、三重県側に登山道が整備されており、休日には多くの登山者が訪れています。

    北股林況