令和元年度保護林モニタリング調査評価等部会の概要
1日時令和2年2月27日(木曜日)14時~16時15分
2場所近畿中国森林管理局 大会議室
3議事
(1)保護林モニタリング調査
(2)緑の回廊モニタリング調査
(3)その他岩見山希少個体群保護林調査結果
4出席者
(委員)伊巻委員、藤木委員
(近畿中国森林管理局出席者)計画保全部長、計画課長、森林施業調整官、企画係長、生態系保全係長
5概要
- 事務局から、議事(1)~(3)について説明し、御意見を伺った。
- 委員からの主な意見
(保護林モニタリング調査)
- シカ被害が出ている保護林が多いが、ほとんど対策が取れていない状況。限られた予算と労力の中で、最低限必要な対策について、保護林全体の方針整理が必要。
- シカの生息密度調査について、環境省のシカの密度分布調査は今後更新されない可能性があるため、自動撮影カメラのデータを使った密度推定や、各府県が実施している調査結果の使用を検討すべき。
- シカの捕獲対策を今後実施する場合、モニタリング調査においてその捕獲対策効果を検証するには、スギやアカマツの枝の食害率を調査項目に入れるとよい。
- 生物多様性保全の視点も含めた保護林の評価・対策をお願いする。草本植物の希少種は、シカの食害による地域的な絶滅のリスクがある。保護林内の希少種を網羅的に把握した上で、特に絶滅のリスクが高い個体群のリストアップと優先的な保護対策を講じることが必要。また、各地域に植物の保全活動を行っている団体等があるので連携を進めてほしい。
- 保護林の利活用について、学術研究で保護林を利用しやすいように、手続きの簡略化等できないか。
(白山山系・越美山地緑の回廊モニタリング調査)
- 白山山系はニホンジカの侵入が今後本格化する可能性が高く、侵入を水際で防いでいくことが非常に重要となる。主要な侵入経路はかなり限定されると思われるので、実施箇所をしぼりこんで対策を実施することが効果的である。
- 森林概況調査は重要であるが、ニホンジカの嗜好性が低いブナのみに着目していては、ニホンジカによる食害を把握しにくいため、嗜好性植物にも着目した方がよい。白山山系と同じような状況にある白神山地で、環境省が実施しているモニタリング調査を参考にするとよい。
- ニホンジカによる森林被害については、下層植生の衰退が始まる前に、渓畔部で草本類の消失が発生するのが基本的なパターンであるため、渓畔部を対象としてルートセンサスで食害調査を実施するのがよい。渓畔部には希少種が生育していることが多いという点でも、渓畔植生の変化を早期に把握することが重要である。
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:森林施業調整官
ダイヤルイン:050-3160-5696